完全主義では、何もできない。


完全主義では、何もできない。
――ウィンストン・チャーチル



完全ならざる者が、完全なものを作り出すことは出来ない。
構成員全員の要求を満たす政治や政治家というのはありえないでしょうし、人の持つものや能力が其々異なり、地上にある金銭や資源が有限である限り、全員の望みが同時に叶うという状況も原理的にありはしないでしょう。比較的多数の人にとって許容可能な指揮と分配というものにどこまで迫れるか、というのが今のところ全能ならざる者の為し得ることなのでしょう。

都知事選も大統領選も大層アレな具合になっとりますな……。
国民・市民はその質以上の政府を持つ事は出来ない、というのが真なら、つまりはそういう事なのでしょう。
主権者であり、選択者である以上、人民はもはやその責を誰になすりつける事も出来ない。
失態を晒した代表者を今後何人吊し上げた所で何らの問題解決にもならず、続々と同程度の者が投入されるのみ、と。
これ以上酷い政治家はいないだろう、と思っているとそれを上回る者が易々と現れる、と言う様な類の言葉を残したのは誰だったか……。記憶力がめっきり落ちてしまい思い出せません。

これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主制が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主制は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主制以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。
"Many forms of Government have been tried, and will be tried in this world of sin and woe.
No one pretends that democracy is perfect or all-wise.
Indeed, it has been said that democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time."
――ウィンストン・チャーチル 下院演説 (November 11, 1947)

現在我々は悪い時期を通過している。
事態は良くなるまでに、おそらく現在より悪くなるだろう。
しかし我々が忍耐し、我慢しさえすれば、やがて良くなることを私は全く疑わない。

何が本当に自分の利益であるか、
ということを知ることは容易ではない。

悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見いだす。
楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見いだす。



チャーチルは根本的には楽観主義者だったのでしょう。


・音がでかい

知人に誘われ、立川の映画館でガールズ&パンツァーの極爆上映とやらを見てきました。
最初のゴルフ場のシーンから砲撃や着弾音が凄まじく、音の圧力で皮膚や腹の底がビリビリと震えるという……。
しかししばらくすると慣れるもので、シェルショックになる事も無く鑑賞する事ができました。

同じ映画を二度劇場に見に行くというのは随分と久しぶりでしたけど、細かい所を見て発見があるというのは面白いですね。
黒森峰の飛行船(ヒンデンブルク?)の船内ラウンジがフリードリヒスハーフェンで見た再現通り、結構忠実に描写されているなど……最初に見に行ったのは旅行前だったのでそんな所は注意すらしてませんでした。
この映画は去年公開だったと思うのですが、いつまでやるのでしょう。いまだにほぼ満席というのは驚きです。
皆さん集中していたようで他のお客も静かに観賞していたのが大変結構でありました。


・水は低きに、人は易きに。

大事を成さんとすぐに殺傷と破壊に走るのは安易なのではなかろうか。
小事すら為さず、日々易きに流れる私が言えたことではないかもしれませんな。

毎日の如く地獄めいたニュースが流れておりますけど。
そう焦らずとも今生きている人間など赤子も含めて百年も経てば総入れ替えなのだから、わざわざ殺傷するまでもなくいずれ悉く死滅するであろうに。というのは歴史の本ばかり読んで自身の時間の尺度をぶっ壊しつつ、酒を飲んでのんびり暮らしていられるから言える事なのかもしれませんが。人の世は何とも大変ですね。
私は厄介事から離れ、適当な御身分で静かにやっていきたいものです。

さりとて現実には対処せねばならぬ。
暴漢に対し、市民全員が武装していれば自衛できると言う人もいるけれど、戦意旺盛な人間と武器が社会に氾濫するのも問題でしょう。そこで!スクトゥムの出番なのです。武器が駄目なら防具なのです。

各自が在りし日のローマ兵かスパルタ人の様にどこへ行くにも携帯し(シュールな光景……)、事あらば身を護り、そして逃げる事が出来ぬならば徒党を組んで暴漢を盾のボス(突起)や縁の金具で殴打するという!
仮に戦いの最中に命を落としても、誉れある死を迎えたとして戦友達に担ってもらうが良い!
汝ら雄々しく戦い、盾と共に帰るか、盾に乗って帰れ!(ラコニゾンテスめいた不謹慎、炎の門参照)

不埒な冗談は置くとしても、逃げるのが一番でしょうな。
隊伍を組んで抵抗するなど身体壮健で訓練が行き届き、かつ百人隊長みたいな指揮官がいないと現実的ではないでしょうし。
そもそも一般市民が自衛の際に暴漢が無力化するまで盾でボコボコに殴打するのは法的にどうなのか。
ホモ・サピエンスを名乗りながらサバンナの草食動物の群れみたいなひどく原始的な原理に回帰するのは何とも虚しい事ですが。
つまり注意力散漫だったり、足が遅かったり、弱弱しかったりすると群れから取り残されて捨て駒となり喰われると……。

やはり幼少期の体育教育の段階で男女ともに盾の取り扱いと同胞との連携を無意識レベルで行えるように叩き込み、なおかつ盾による防衛行動においては過剰防衛などの要件とならぬ様に法を改正して……。
通勤・通学の風景が殺伐とした重装歩兵の行軍みたいになりそう。
何でこの人はリュクルゴス制みたいことを……。


・この人たち、また外で飲んでる……。

ミハイル8世陛下の勅命が下り、多摩川公会議の開催と相成った訳で……。
どこぞの橋の傍、川べりに食卓と椅子を並べ、オッ↑紅茶を飲みながらMoltke閣下の到着を待つ。
多摩川公会議②

バッハやチャイコフスキーやサティーなどを流しつつ、我ながら何と優雅な昼下がりであることよ。
多摩川公会議①
全員集合し、スパークリングワインなどを開けながらチキンやフライドフィッシュを齧るなど。
このアングルだけ見るとどこか川沿いの小奇麗なレストランのテラスでお洒落なランチ、みたいな絵面ですけど。
実際は河川敷です……。如何に写真やネットの断片的情報だけで物事を判断してはいけないかがよく分かりますね。
多摩川公会議③

居心地が良いのでここに建国すべき、帝国海軍の主力艦艇はカヌーで、とかそういう気が触れた様な話(平常運転)を和やかに交わしていると日が暮れ……。刻々と移り変わる空の色と日や月の光が実に綺麗です。
多摩川公会議④

ランプをつけて適当に買ってきたサラダやローストビーフを盛ると……。
多摩川公会議⑤
多摩川公会議⑥
多摩川公会議⑦

何とまあ夜景が綺麗な小洒落たレストランみたいですね。あれです、汐留だか六本木だか何だかその辺の高層階にあるレストランで恋人達がやってる奴ですね。今日の為に予約したんだ、部屋も取ってあるから……みたいな。何だそれはバブル期のドラマか。

私はそんな店は仕事の接待で使うくらいなので結構な思い出など微塵も無い訳ですが。注文やら会計やら土産やら気を遣うので料理や酒をマイペースに楽しんでるゆとりもないですし……。

盛大に脱線して物悲しい労働の現実が漏れ出ましたけど。公会議には美女もいませんし、酔っ払ったら川べりの地面で寝るか、小さな折り畳み椅子で項垂れるしかありませんな。実に楽しいので寝ている暇など無い訳ですが。

いったい何を呑んだか思い出せないくらい飲んだような……。
スパークリングワイン
バーレーワイン
ドイツビール 黒、白
日本酒
グレンフィディック
ボタニスト
あとは紅茶にブランデーだったか……?

無駄に陽気になって河原に設置されたブランコを全力で漕ぎ、酒が回り気分が悪くなるなど……。
あと翌日筋肉痛……齢30を超えてやってる事がこれですからね、およそ信じ難い愚かさですな。
子供の頃はもう少し賢明な大人になっているものと思ってましたけど、まさかまだ中身が子供とは……。
いや、幼少の頃より自分はずっとこのままではないだろうかという予感はありましたけど。
皆さんはこうならない様に頑張ってください(適当)。

しかし広々とした景色の良い空間で珍妙な話をしたり、酒を飲んだり肉を摘まんだりするのは実に気分が良かったです。
14時過ぎに開始し、夜を過ごし、空が白み、始発が出るまでゴロゴロしてました。
明け方は露が下りるようで少し寒い、荷物の輸送とゴミ処理を洗練化(Leave No Man Behind的な)する必要があるなど今後の課題も見つかりましたが、よければまたどこかでやりましょう。


・最後の戦い

だいたいこんな感じで。

結局攻防戦の細かい戦況が不明なので、紀元70年のそれに倣いました。
鍵となるのは三つの塔と一部の防壁を除いて破壊し尽くされた防御施設がバル・コクバの乱においてどこまで修復されていたのか、それとも放置されたままだったのか。それによって戦いの描写は大きく変わると思われます。

ローマ軍関連の書籍やローマ史全般の本ではハドリアヌス帝の政策(割礼の禁止だとか、神殿の扱いだとか)とユダヤ人の反発・不満、そして反乱、激しい消耗・掃討戦とイェルサレムの陥落、そしてベタル(ベティル)での悲惨な籠城戦(悲惨でない籠城などそうそうないか)という風に、時系列的に主要なイベントが語られてはいるものの、詳細・具体的な内容が不明で……。
ユダヤ側で記された資料やイスラエルの研究資料とか、海外の専門書に当たれば何か書いてあるのでしょうか。
ユダヤ戦争あるいは第二次ユダヤ戦争を中心に扱った書物……まず日本語訳される事はないでしょうけど。

次回で最終回です。構図がさっぱり思いつかん……。
結局2年と8ヶ月くらいやってたということですか。
関心がある事にはほとんど身命を賭して当たるけれど、そうでないものには信じられないほど冷淡で指一本動かすのすら面倒という、ある種の病の為せる業であります。傾注出来る対象が何も無いよりかは良いか。


さて今回はこの辺で。
ローマと軍団に無敵のマルスと全能なるユピテルの助力あれ!
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軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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