アッバース朝の君主から晩餐に招かれたら


アッバース朝の君主から晩餐に招かれたら、その夜は多忙だと断る算段をしなければならない。
――タミム・アンサーリー著 イスラームから見た世界史より イスラム圏の言い伝え

アッバース朝の初代カリフ、アブー・アル=アッバースは寛容にもウマイヤ朝(アッバース朝の前に隆盛していた)の残党、ウマイヤ家の主要な面子を饗宴に招いた。華やかな応接の間、余興、所狭しと並んだ豪華な料理と人々の笑い声、親しげな会話が交わされ、やがて宴の盛り上がりは最高潮に達した。

まさに宴も酣のその時、扉に鍵がかけられ、給仕達は上衣を脱ぎ捨て甲冑姿が露となった。彼らは暗殺者だったのだ。アッバースの王朝確立に邪魔となるウマイヤ家の残党を始末する絶好の機会が到来したのであった。暗殺者達はウマイヤ家の人々を次々と撲殺し、この日以来アッバースは“血を流す者”を意味するサッファーフという異名で呼ばれるようになった。


第2代カリフのマンスールも似た様な事をしているのです……。アッバース朝建国に功績大なるアブー・ムスリムを宴に招き、初日はその貢献を讃え、翌日に喉を掻き切り、死体を川に捨てる。

やはり邪魔者を排除する時は笑顔で握手して肩を抱き、超フレンドリーな雰囲気を醸し出して、油断させてから腹を短刀でグッと抉るのがトレンドなのでしょうか。バイバルスがクトゥズを殺した時もそんな感じでしたし。ゲームオブスローンズの第三期もそんな感じでしたね。

イスラムの歴史も楽しいですね。
この文脈で楽しいとか言い出すと人格が疑われそうですけど。人品がどうとか、この物凄い手遅れ感たるや!
いや、私は技術的な経緯やら、手練手管に興味を抱いているのであって、殊更に暴力や破壊を好むわけではないのです。ええ、平和と静けさと知性と愛のしもべである私なのですから!

自由な表現と己の信仰への侮辱を封じ込めたいのなら、その枝葉を暴力によって潰すなんて短絡的な事をせず、増加の一途をたどる人口を利用して、しっかり根回しして政治に介入したり、スポンサーや資本などの後ろ盾の要所を脅迫するなりして、ゆるりと狡猾に圧力をかけるほうが効果的だと思うのですけれど。自動小銃に頼るほうが簡単に見えてしまうものなんでしょうかね。

安易にペンを持つ者を害すれば、それこそ英雄扱いされて自由を奉ずる人々の心に火をつけて、ますます燃え上がるだけなのだから、もっとこう、いやらしく、ねちっこく、密かに法や制度を利用して、じわじわと締め上げるように敵対者を潰していく方が上手いんじゃないかと思うのです。

最初は迎合し、取り入り、外堀を埋め、そして致命的な一刺しをする。自由主義、多文化主義の弱点はまさにその寛容さと多様性を奉ずる精神にあるのだから、それを逆手に取って攻める。そっちのほうが良いんじゃないかな、と。

そういう意味では実行犯もそれを計画した人々も、性急に過ぎ、知恵が回っていないのではないかと。
何だか杜撰で、場当たり的で散発的、長期的戦略に欠け、視野狭窄のような。信仰に殉ずる様な口ぶりの割に衝動的で、クルアーンやハディースに通暁しているようにも思えないし。

こんな体たらくでは善きウンマの実現には程遠いのでは。しかし、こういう稚拙極まりない策動をウラマーの方々はどの様に評しているのでしょう。この程度では、キヤースの適用、イジュマーの獲得、イジュティハードの実践といった高度な分析と合議を潜り抜け、その合意を得られるとは思えません。外野の私には何もかも半端で浅薄極まりない様に見えます。半端は駄目だ、とテクノライズの吉井さんも仰っているというのに。

興味深い現象ではあるけれど、あまり情勢を大きく揺さぶる様なものにはならない様な気が。もっと周到で狡猾な手腕を見せつけられたなら、自由飲酒主義体制を奉ずる私としても、その脅威を身近に感じるのでしょうけれど。


・時間もないのに本やら何やらを買う

我ながら、知りたい、見たい、という欲求が強すぎる気がしないでもない。
身の程も知らず、よく分からない事、パズルの欠けたピースを無性に埋めたくなる様な。
あるいは、ただの収集癖か。


DVD ジェネレーション・ウォー

Moff taka氏にお勧め頂いたので。
二次大戦中のドイツ軍、看護婦、女性歌手、ユダヤ人の人生を中心に進む物語。
東部戦線のドイツ軍側視点などハリウッド映画ではそうそう無い、珍しいドラマが見ごたえありです。
懲罰大隊とか……。これくらい自分の国の歴史に踏み込んだドラマを日本も作れると良いのですけどね。
ファンタジーはファンタジーで楽しいのは分かりますけど。我が国のそれはいまだ、この水準に達していないのでは。


生物の進化 大図鑑

生命37億年の歴史を追う大きな図鑑。茶でも飲みながら休日の昼下がりに楽しむのが良さそう。
“137億年の物語”とか“利己的な遺伝子”などと合わせて読むと、さらに面白いかと。


進化の存在証明
神は妄想である―宗教との決別

ドーキンスの本は実に刺激的なので、2冊も。ゲームも映画も漫画もそうですけど。
訴えたい事、やりたい事がはっきりしているというのは良いですね。
こういう事を表明できる自由が保障されている世界というのは悪くないと思います。
この徹底した必死さが良い、面白い。痺れる。


絵で見るある町の歴史 タイムトラベラーと旅する12,000年

一つの集落を1万2000年に渡り定点観測すると、どの様な光景を目にする事が出来るのかという、まさに私好みの本。絵本ですが緻密な描写が最高です。先史時代、ローマ、中世、近世など移り変わる景色が堪りません。


世界の建築様式

歴史の絵を描くのが趣味の割りに、建築に関する知識が浅薄極まりないので少し勉強しようかと。精密な図版と共に年代、地域ごとに様式が解説されるので大変分かり易いです。


遺跡から調べよう!(1) 旧石器・縄文時代
遊動する旧石器人 (先史日本を復元する1)
列島の考古学 旧石器時代

どんだけ石器時代が気になってんだよ、お前はと言われそうですが。日本の旧石器時代から縄文時代にかけて、代表的な遺跡をもとに当時の人々の暮らしを探る本など。生まれてからずっと住んでいる島とその生活の起源についてあまりにも無知なので。


旧石器・縄文・弥生・古墳時代 列島創世記 (全集 日本の歴史 1)
日本の原像 (全集 日本の歴史 2)
律令国家と万葉びと (全集 日本の歴史 3)

たまには日本の歴史を振り返ろうかと。
古代や、それより前の時代が気になって仕方がない。


写真でみる農耕と畜産の歴史(「知」のビジュアル百科)
天気のしくみ事典(「知」のビジュアル百科)
ヴァイキング事典(「知」のビジュアル百科)

題名の通り、視覚的資料が豊富な本。農耕畜産及び天候についての基礎的な知識を養いたかったので。
……この何でもかんでも貪るように知りたくなる好奇心を何とかしないと切りがないですね、本当に……。

しかし頭の中の疑問が解決される快感には抗い難い。楽しい。ものを知れば知るほど己の無知が明らかになって行く。
何かを知れば新たな問いが無限に生まれ、永遠にそれは終わらない、と。


ローマ帝国 (地図で読む世界の歴史)

時代や出来事別に地図が提示され、解説される本。ローマ趣味者には便利です。


アウグストゥス: ローマ帝国のはじまり

ローマの本ばかり読んでいる割に枝葉末節ばかり追っているせいか、カエサルとアウグストゥスについて、不勉強極まりないので参考にしようかと。


神々にあふれる世界―古代ローマ宗教史探訪

古代ローマの人々の宗教観について。技術や表面的な文化について触れる本は結構あるのですが、宗教や精神など内面に迫るものはそこまで多く無い様な。そう思ったので。


輪切り図鑑 ヨーロッパの城―中世の人々はどのように暮し、どのように敵と戦ったか

輪切り図鑑は他にも帆船とクロスセクションというのがあって、小学生くらいの頃に読んで強く心惹かれたのですが、城もあったのですね。このシリーズは私の趣味の傾向に強い影響を与えているように思います。


小さな家、可愛い家 世界の一流建築家による傑作タイニー・ハウス34軒

いずれは小さい家を建てて引き篭もりたいので参考に。
必要十分なサイズの家で本を読み、静かに暮らし、やがて訪れる死をゆるりと待ちたい。


回想の第三帝国―反ヒトラー派将校の証言

図書館の処分本を手に入れたので。基本は押さえておこうかと。


虹色のトロツキー

満州国を舞台にした漫画。美しい描画と完成度の高い筋書き。
協和会、満鉄、関東軍、石原、辻、共産主義者に抗日運動、建国大学、大陸浪人、興安軍、そういうのが気になって仕方ない人にはお勧めです。こういうのこそ、ドラマや映画にして世に知らしめるべきなのでは。

ムカデ戦旗

戦国時代、武田家に仕えた金掘り衆を主役に据えた漫画。当時の攻城戦などが活き活きと描かれております。
途中で終わってしまっているのが残念。


乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(3)

ペスト!
フス戦争を扱う貴重な漫画。続きが楽しみ。


火星夜想曲 (ハヤカワ文庫SF)

たまにはSFも。


Mamluk 'Askari 1250-1517 (Warrior)

ospreyの新刊、バイバルスが活躍した時代の武装や騎兵達について知りたかったため。
多分、日本語で類書は無いのではないかと。知りたがる人もいないでしょうけれど。


東山魁夷の世界

画集。
燃え上がる紅葉、そぼ降る雪、立ち込める霧と霞む山麓、静謐さに満ちた湖面や竹林、幽玄なる月夜。
素晴らしい色彩と光陰、最高です。


本庄雷太 アートワークス I -ミリタリア

趣味の傾向と細密な描画に惹かれて。


WOODKID 
Golden Age

David Guetta
Listen
Nothing But the Beat

She Wolfがたまらない。
https://www.youtube.com/watch?v=PVzljDmoPVs
自分の趣味趣向の支離滅裂さには我ながら呆れる。


・アニメを見る

純潔のマリアが結構面白いです。
百年戦争期の戦闘をここまで再現した映像は日本ではなかなかないのでは。
魔女の話なので途中で魔法がデウス・エクス・マキナって感じですけど。
長弓の使い方や布陣、二本指を見せて挑発する弓兵など、中世戦史大好きっ子もニヤリと出来るかと。

艦これは、ゲームをやっていない人には意味不明か。
とりあえずゲーム中の台詞を出しとけ、みたいなやり方もどうかと。
出撃時の艤装装着や艦名表示がパタパタするところ、抜錨はなかなか燃えますが。
海面を滑る様に走るのはシュールな絵面ですけど、慣れるものなのですかね。
とりあえず叢雲と高雄を出して下さい……。

暗殺教室も楽しいです。原作読んでいないので、どうなるかさっぱり分かりませんが。

アイドルマスター シンデレラガールズ
プロデューサーの目つきと態度が他人事では無い様な感じが……。
誠実さと勤勉さ、職務への情熱は見習いたいものだけれど、私には無いものですね。
気をつけないと“事案”になりそうだ。気をつけよう……。


・描き初め

諸君、天下万事の趨勢はその始まりにおいて決すると言っても過言ではないのである!
然るに新年を迎えて最初に描く絵こそが、その年の行く末を暗示するに相違あるまい。
余は本年も偉大なるローマの光明をこの昏き世にもたらすべく、一層奮励努力する所存であり……

艦これ 酩酊司令部

あ、あれ……。
正月もどこへ行くことも無く(1日だけ山間部を二輪で走って凍え死にそうになったりはしたけれど)、目が覚めている間はずっと酒を飲み、茶を飲み、ごろごろして本を読んだり、絵を描いたりしていたのですが、何故かこんな絵に。

艦これ、の叢雲と高雄のつもりなのです……申告しないと分かってもらえない様な気もしないでもない。
似せようと努力はしましたが、出来ぬものは出来ぬと言う勇気!
(何でも○○する勇気とつければ肯定的になるんじゃないかという反知性的な試み)
叢雲はいつも寒そうな格好なのでカーディガン的なものを着せました。冬ですし。
しかも怪しげな腕章や旧軍の参謀みたいな飾緒を勝手に……。

厭離穢土欣求浄土!自由飲酒主義が充溢した月曜の無い世界に行きたいのです。
我々は大日本自由飲酒主義人民共和国の建国を目指して日夜革命的運動の手を緩める事無く歩まねばならぬのです。
自由飲酒主義体制の確立と護持こそが当ページの綱領であり……(以下8万字に渡り熱弁を振るうも削除)

で、長らくお絵描きにpixiaを使っていたのですが、たまには別ので描いてみようかと。
CLIP STUDIOなる描画ソフトをお試し中です。
いつもの様に屈強な戦士とか騎士でも良かったのですが、折角なので我が第1艦隊旗艦と第2艦隊旗艦を。

山積みの本、ウィスキー、箱ワイン、未決済の仕事の山……概ね自分の生活や人生を象徴する様な部屋を描いてみました。ラフロイグを飲みたかったので描きましたが、実際はバランタインの消費量の方が多いです。高くてそんなに買えません。 ウィスキーのラベルの形状で銘柄が分かってしまう人は僕と握手!葡萄酒は適当に捏造しました。
 
提督の不在を良い事に仲良く指揮官の罵詈雑言を並べ立てているのでしょう。
共通の敵と共犯意識が仲間の結束を高めるのです!もっと前向きな世の捉え方はできないのか……。
どこぞのオフィスの給湯室でその場にいない人の話をする女性社員みたいですね。
男は男で飲み屋でいない人間の陰口を叩いている様ですが。
本当に聳え立つクソの様な輩ばかりだ!

「あの局面で撤退はないわー、ビビり入り過ぎでしょ。マジで判断力疑うわー」
「ねー、この間も陣形選択ミスって潜水艦沈め損なったし、ほんとやる気あるのかしら」
「作戦会議でぼーっとしてたけど、絶対アレ半分寝てたでしょ」
「艦娘の命を預かっているという意識が欠けてるんじゃないの」

みたいな主旨の会話が。口調が飲み会で愚痴るバイトの学生みたいになってますけど。
どんなキャラクターを描いても漏れなくやさぐれてしまうという……。
多分、描いた奴の心性に決定的な問題があるのでしょうな。

色塗りの機能がさっぱり分からないのでどうなる事やら。
カラーパレットの仕様もだいぶ違うので1から覚え直しです。
時間はかかるでしょうが、いずれ完成するでしょう。

今回はこの辺で。
皆様にネプトゥヌスの加護があらんことを!
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軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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