君子危うきに近寄らず


 どうも、こんばんは。

 携帯端末のメッセージのやり取りで刃傷沙汰になったり、出会い系サイトだか何だかで事件が起きたり、実に未来っぽいですね。もっとも、そういう道具が発展普及する前も同様の目的を果たす仕組みはあったでしょうし、同様の事件は同じくらいの頻度であったのでしょうけれど。

 道具に振り回されて被害続出なあたりが、人間が今一つ進歩していない様子を鮮明にしている様な……。凄まじい勢いで進歩する技術と対比すると尚更そう思います。スマートフォンのスマートがsmart(高性能な、賢明な)を意味しても、その持ち主までsmartであるとは限らない、と。
 色々なアプリケーションがあるようですが、誰かと繋がっていたい、自己の存在を認めて欲しい、という欲求を満たすものがその多くを占めているのでしょうか。

 私も仕事で携帯端末を持たされているので新しい機能を使えば色々できるのでしょうけど、賢明さ故にトラブルを回避しているというよりは、よく分からない、興味が無い、めんどいのでメールと電話とネットをちょっと見るくらいしか使ってません。宝の持ち腐れという奴か……。

 しかし、アドレス帳の登録件数や着信、メッセージ履歴の多寡を比較したり、必要以上に意識して一喜一憂するのは本末転倒の様に思います。道具は使うものであって、持ち主が支配されるというのはどうかと……。


 話が飛びますが、イラクが酷いことになってますね。元より悪化してるのでは。
 憲法解釈とやらが変わると日本もこういう争いに付き合いで参加する事になるのでしょうか。後方支援から前線へ・・・。
 祖国の防衛ならともかく、遠方の国でほとんど意味の無い戦いに放り込まれる人は堪ったもんじゃないでしょうね。

 面倒には関わりたくないものです。 
 

・懐かしい

 開発中止になってたStar Wars: Battlefrontが復活したようで。
 ホスで凍えそうになったり、エンドアの森をスピーダーで疾走したり、楽しそう。
 http://www.gamespark.jp/article/2014/06/10/49136.html
 http://www.gamespark.jp/article/2014/06/11/49253.html


・本を読む

 使用人である以上、相手をする人間は選べないけれど、読む本は選べるのです。
 そうやって好みの本ばかり集めていると、側近に太鼓持ちばかり選ぶ独裁者みたいに身を滅ぼしそうですね…危険だ。
 まだ読んでない。届いてすらいない本もあるので書評ではありませんが、色々面白そうなものを見つけたので。
 
 古処 誠二 線 ルール

 ニューギニア戦線やらフィリピンやらの小説。著者は膨大な資料にあたってから書く人の様です。
 当事者の残した戦記も興味深いですが、戦後生まれの客観的な視点も欠かせぬでしょう。
 中古の文庫は100円とか1円で売ってるのですね。安くて良いですが、それでいいのかという複雑な気もせんでもない。

 帰ってきたヒトラー 上下巻

 現代に突如蘇ったヒトラーがドイツで騒動を起こす小説。
 現代のドイツ社会に対する痛烈な社会風刺とユーモアが売りのようです。
 
 Legionary: The Roman Soldier's (Unofficial) Manual (Unofficial Manuals)

 変な本を見つけたので。レビューを読む限りはローマ軍団兵の非公式マニュアルの様です。
 ユーモアや皮肉を交えて軍団に入ったらどんなものを目にし、何をして、どんな目に遭うのかが書かれているらしいです。
 シリーズのようで他にも剣闘士、騎士、バイキングのマニュアルがあります。
 
 ローズマリー・サトクリフ

 夜明けの風

 ローマン・ブリテン・シリーズの続き、ともしびをかかげての後の話ですね。
 今まで見逃していたようです。まだ読んでいなかったというのもまた幸福なことであります。

 運命の騎士

 ノルマン人による征服直後の話、ブリテン島の歴史を順に追うような気分になれます。

 闇の女王に捧げる歌
 ローマと戦った女王、ボウディッカの物語。ローマから見れば反乱、対立する立場から見れば聖戦。

 英雄アルキビアデスの物語
 そのまんまですね。ペロポネソス戦争を駆け抜けたお騒がせ男、ソクラテスが見出した才能の持ち主の話。

 ライオネル カッソン 古代の旅の物語―エジプト、ギリシア、ローマ
 古代の世界を旅する本。大好物です。

 ローマ五賢帝 輝ける世紀の虚像と実像
 黄金の世紀の光と影、様々な見方で覗いてみようかと。
 あとは文庫クセジュでローマの有名どころをおさらいしようかと。
 アウグストゥスの世紀
 ハドリアヌス帝―文人皇帝の生涯とその時代  
 ディオクレティアヌスと四帝統治
 コンスタンティヌス ─ その生涯と治世 


 ハンナ・アーレントの作品を幾つか。
 イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告
 全体主義の起原 1~3巻


 遠野物語・山の人生
 内容は言わずもがな、ですね。こういうのを読みながら二輪で日本を縦断してみたいです。
 2ヶ月いや、3ヶ月……じっくりゆっくり旅したい。残念ながら出来ないので本を読みます。
 
 翠星のガルガンティア PROGRESS FILES
 買ってしまった……。届いて驚愕、恐るべき大きさ……置くところないのに。

 ばくおん4巻
 バイク漫画。いつの間にかに出てたので。

 幻想ギネコクラシー
 沙村広明氏の短編集。短編漫画だといつも以上に活き活きしている気がします。

 乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ2巻
 フス戦争を描いた漫画。こういうのは少ないですし、続いてほしいです。

  宗像教授伝奇考
 前から気になっていたので、一気に揃える事に。歴史好きにはお勧めの漫画です。

 Warships of the Ancient World: 3000-500 BC (New Vanguard)
 艦これが流行っているので私も世の流れに遅れじと軍艦について勉強する事にしたのです。なのです。
 やったことないのに、とりあえず言ってみただけです。古代の軍船の本なので艦これにはあまり関係ないでしょう……。
 こうして私はどんどん時代に取り残されていくのですね。

 Roman Centurions 753-31 BC: The Kingdom and the Age of Consuls (Men-at-Arms)
 上下巻だったようで、1冊目を持ってなかったので。

 Roman Guardsman 62 BC-AD 324 (Warrior)
 もうなんでしょうね、この人は……AncientとかRomanとかLegionaryとかいった単語がついてると自動的に購入ボタンを押す機械なのでは……。
 
 The Fourth Crusade 1202-04: The betrayal of Byzantium (Campaign)
 第4次十字軍の薄い本。当ページ的には“薄い本”という隠語はオスプレイを意味します。本棚の一角が薄い本で埋まっております……。でも薄い本て言うと凄く誤解されそうですね。いや、誤解も何もお前は既に十分アレだろ、と言われると返す言葉もございませんが。

 Boudicca's Rebellion AD 60-61: The Britons rise up against Rome (Campaign)
 ボウディッカ姉さんの非18禁の薄い本。だからよせと…。
 

・お絵描き

 今回はこんな感じで。
ローマ軍の物語Ⅵ 雨

 雨が降り……
ローマ軍の物語Ⅵ 晴

 そして止み、休憩は終わり、行軍が始まる。
ローマ軍団兵 行軍装備

以下pixivより

ローマ軍の物語Ⅵ “ローマ軍団兵は一日にして成らず”

ほとんどの市民は軍隊の仕事は戦う事だと思っている。俺も漠然とそういうものだとばかり思っていた。
それは確かに間違いじゃないが、実際になってみると少し違った。時間や労力の割合から言えば歩兵の仕事のほとんどは歩く事、穴を掘る事、訓練、待機に尽きる。訓練は退役するか、死ぬまで終わらない。
それらに比べれば戦闘は瞬きをする様な一時のことに過ぎない、勿論その危険度は比べるべくもないけれど。

俺達はとにかく歩く。毎日最低でも20ミッレ・パッスス(30㎞)近く歩く。それくらい誰だって歩こうと思えば歩けるさ、と言う奴もいるだろう。俺も最初はそう思った。けれど実際はそう上手く事は運ばない。何しろ”軍団の驢馬”こと軍団兵は食糧と水、盾や槍、土木作業の道具、野戦陣地用の杭や生活雑貨を含め各自体重の半分以上の荷物を担がなければならない。おまけに甲冑を着込んで軍用ベルトにグラディウスと短剣を提げた状態で、だ。さらに“喜ばしいことに”行軍が終わったら陣地設営が待っている。それでも余裕だって奴がいるならそいつは軍団に入った方が良い。お勧めだ。

子供の頃は衛兵のキラキラ光る甲冑に憧れたものだが、完全装備で一日行軍すれば英雄の夢はぶち壊しだ。何もかもそこら辺に放り捨てたくなる。野営地でトゥニカ一枚になった時や水浴びの時間を貰い、素っ裸で川に飛び込む時の心地良さときたら、まるで背中に翼が生えたみたいな身軽さだ。

そういう訳で最初は毎朝足腰や肩、背中が痛んで起き上がるのがしんどかったし、カリガ(サンダル)を脱ぐと足の裏が惨憺たる有様で、煮え滾る釜にでも突っ込んだみたいになっていた。要領の良いクイントゥスは母親に貰ったとかいう怪しげな色の塗り薬を指に掬い取り、潰れた肉刺に塗ると丹念に包帯を巻いていた。俺にも少し分けてくれるそぶりを見せたが、二人で使っていたら他の奴も使いたがるに決まっている。それではあっという間に無くなってしまうだろう。残念だったが断り、綺麗に洗って包帯だけ巻いて着膨れた足をカリガに無理やり詰め込んだ。

天空の星々と同じくらい沢山の肉刺ができては潰れ、治る間も無く肉刺ができた。ずっとこんな事が続くのかと暗澹とした気持ちだったが心配は無用だった。やがて俺の足の裏はトロイの城壁みたいに厚く固くなり、多少の行軍ではびくともしない頑丈な靴底の様になった。何事も慣れ、なのだろう。

それに時間が経つにつれて行軍の力の入れ処が分かってきた。人目の多い街や要塞に出入りする時は気合を入れてきびきび歩き、誰もいない街道では少し力を抜く。どうやら軍隊は実力だけでなく“見た目”も重要らしい。気合の入った兵隊と腑抜けのどちらが国境を歩く方が蛮族をビビらせる事が出来るかは自明だ。

隊長の指示や部隊の歩調もよく見れば決まった緩急がある。シリア人やクレタ人が言う様に“張りつめっぱなしの弓弦は駄目になるのが早い”。体力の使い所は選ぶ必要がある。大事な事は周りをよく見る事、上手くやっている奴を真似る事だ。この世のどんな事にもコツがある。祖父がいつもそう言っていたのだから間違いない。いつも同じ話ばかりする爺さんだと思っていたが、流石は俺の祖父だ。

最初は古参兵を見てあんな風になれるだろうか、と不安だったが、どうやらそれは年長の生徒がとてつもなく大人に見えたのと同じ様なものだったらしい。自分がその年になってみれば大した事は無い様に、一心不乱に取り組めば、よほどの高望みをしない限り、時間が解決してくれる。

ローマ軍団兵は一日にして成らず、だ。

――つづく――次回、ローマ軍の物語、第7話”汝平和を欲するならば戦に備えよ”ROMA AETERNA EST!!

穴を掘る:ローマ軍団兵は戦闘員であると同時に優秀な工兵である事も要求された。陣地や土塁を築き、壕を掘り、要塞を建設し、橋を架けて、道を敷く事も任務に含まれた。高度な設計や算術など専門技能を有する技術者や将校は指揮監督に携わり、作業を免除された。

ミッレ・パッスス:2歩、パッスス(1.48m)の千倍、1.48㎞、ローママイルのこと。主要街道には1ローママイル毎にマイルストーンが置かれていた。軍団兵は完全装備で夜明けから5-7時間ほど歩く。全速時は時速7.24kmほど。戦時の強行軍ならばさらに距離が伸びる可能性もあっただろう。速度と距離を増やせば当然疲労は増大し、戦闘を控えている場合などは大きなリスクとなった。

荷物:行軍中のローマ軍団兵は大量の荷物を背負う為、マリウスの驢馬という言葉で表現される事もある。

カリガ:軍用サンダル。現代ではラフな印象のサンダルだが、当時は底に鋲が打たれ、革で足を包む頑丈な軍靴だった。蛮族趣味と忌避される事もあったが、寒冷地では靴下や長ズボンを履いた。

シリア人、クレタ人:当時のシリアやクレタ島は優秀な弓兵を提供する地として知られていた。諺は捏造した。

以上

 次も誰得の極み、野営地や陣地構築作業の様子でも描くとします。
 さっぱり構図が思いつきませんが。

 行軍パッケージの事をSarcina(サルキナ)というようです。
 トラヤヌスの記念柱に刻まれた像はこんな感じです。
 http://en.wikipedia.org/wiki/File:Roman_soldiers_with_marching_packs_01.JPG
 再現
 http://en.wikipedia.org/wiki/Sarcina#mediaviewer/File:Roman_legionar_satchel.jpg

 描いているといかに自分がものを知らないかが分かって良いですね。
 漠然と知っているけれど、具体的にどうだったのか全く分かってない。
 鞄はどんな形で、どういう風に吊るしたか、杭はどうやって運んだのか、
 何となく分かった気でいましたが、何一つ分かっていない、という事がよく分かりました。

 宮崎監督も泥まみれの虎か何かで書いてましたが、軍隊や兵隊も生活する以上、いつも戦っている訳ではない筈です。映画や漫画では常に何か事件が起きて、ドラマチックな事態が展開し、戦いやアクションが発生する訳ですが、それはそういう構成のお話なのでそれだけが語られている訳です。
 実際は、騎兵なら馬を世話しないとならないし、戦車なら整備したり燃料や砲弾を補給したりするわけで、歩兵なら毎日歩いて飯を食って糞を垂れ、眠ったり休んだりしている方が時間の割合としては多い筈です。それが毎日毎日、何度も、何年も繰り返される。
 一方で、酷い撤退戦や包囲を受ければ、そういう日常が崩れて眠ったり、休んだり、補給したりという必要な行動が出来なくなり、状況が好転しなければやがては崩壊の一途を辿るのでしょう。

 映画は時間が限られているのでそういう単調な日常の繰り返しを描く事は難しく、ドラマが展開しなければ、客は飽きてしまうので当然目まぐるしい展開の筋書きが用意される事になるのでしょう。仕方のない事です。

 しかし、日常や背景の感じられない映画や漫画は大抵どこか現実感がなく、ふわふわと地に足のつかないものに感じられます。勿論、人の好みはそれぞれなのでこうでなければならない、というのは無いと思いますが、どちらかと言えば私は登場人物達に降りかかる劇的な事件ばかりではなく、その日常の積み重ね、どうやって生活しているかを多少なりとも匂わせる作品の方を好む傾向にある様です。


 今回はこの辺で。続きが描けたらまたお会いしましょう。
 ローマ市民ならびに元老院議員、そして軍団兵諸君にマルスとユピテルの助力あれ。
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軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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