一壷の紅の酒、一巻の歌さえあれば、

一壷の紅の酒、一巻の歌さえあれば、
それにただ命をつなぐ糧さえあれば、
君とともにたとえ荒屋に住まおうとも、
心は王侯の栄華にまさるたのしさ!
――オマル・ハイヤーム ルバイヤート 第98歌

 酒こそ我が糧。

 Legionarius   怒りの休日出勤
 Legionarius Ⅱ 怒りの残務処理

 などとランボーのタイトルを借りた割にがっかり感漂う日々を過ごしていたので
 なかなか時間がありませんでした。

 翌日が日曜だと油断して午前3時くらいまで飲んで、5時くらいに眠りついたら6時に出勤の指令が……。
 休日の娯楽に向かう楽しげなご家族や恋人達とは対照的に、死人の様な目で逆方向の電車に乗る我輩(ベッキー先生風に)。

 午後6時くらいに家路につき、日が暮れるのを眺めて気づいたのです。明日は月曜日じゃねーか。
 こうして私は10年めにしてはっきりと悟ったのです。ゴメン、俺、社会人とかやっぱり無理だわ、と。
 幼稚園の段階で己の社会適応力の欠如には薄々気付いてはいたのですが。 
 
 嗚呼いつの日か、必ずや無為徒食の輩になってやらう、と決意を新たにしたのであります。
 無論、他人の財を貪って生き永らえる様な存在になるのは論外です。

己の蓄えた財と力に依って引き篭もってやろうではないか、と。
 何時になることやら。


・映画とかドキュメンタリーとか

 久しぶりに借りて色々見たので。
 しかしキャッチコピーだからしょうがないのかもしれませんけど、
 何でもかんでも“愛する人のために”とか“感動の超大作”とかつけるのは安易過ぎるのでいかがなものかと……。
 内容と一致しない場合は特にそう思います。
 書いてる人は仕事でやってるだけで内容や背景などろくに考えてもいないのでしょう。
 あるいは分かってはいるけどそうせざるを得ない……。
 どんな仕事でも喰ってく為には仕方ないのは分かりますけどね。


 ゼロ・グラビティ
 http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/#/home

 映像はとても綺麗。映画館で見るべきだった。
 一時間半があっという間に過ぎていく良作だと思います。
 デブリヤバイ、重力素晴らしい、というかなり頭悪そうな感想しか出ないところが私の比類なき脳みその
 出来を雄弁に語ってますが、一見の価値はあります。
 最先端の映像表現や技術はここまでのことができるのかと。
 ストーリーは……事故に遭った宇宙飛行士が必死に生き延びる、以上。
 思わずお前は小学生か、と皆さん仰りたいのはわかりますが、大体間違ってないと思います。
 最後の消火器のアレは流石にどうかと…。面白いですけど。美しい映画です。


 コン・ティキ
 http://www.kontiki.jp/

 2012年のノルウェー映画。
 実在の人物、トール・ヘイエルダールの無茶な冒険の映画。
 ポリネシアの島々に住む人々の起源はどこにあるのか、西からやってきたのか、東からか。
 人類学者ヘイエルダールは南米からだと考え、自説を証明するために実験をしました。
 バルサ材の筏に乗って数人の仲間と8,000kmの海を渡る事で…。

 彼の唱えた説は海流や風向、航走技術の点からも現在は否定されているようですが、
 自分の説を裏付けるために命をかけて冒険する覚悟は敬意を表するに値すると思います。
 海の映像も美しく、次々と降りかかる困難はいかにも映画的ですが飽きさせず面白い。
 こんな面白いことをした人もいたのか、とわくわくする映画です。お勧め。


 カティンの森
 http://www.albatros-film.com/movie/katyn-movie/

 2007年のポーランド映画。
 これは素晴らしい映画ですね。ラブラブなカップルに超お勧めです!
 村上春樹のノルウェイの森的な!!

 えぇ嘘です。
 そもそもノルウェイの森がどういう内容か知らない。

 歴史を齧る人ならタイトルでどんな内容か既にお察しの事と思われます……。
 必見の映画であり、凄まじい映画、静かに、しかし激しい情熱を感じる映画である事は保証しますが、明るくハッピーな映画ではありません。
 でも私はこういう映画について語れる人とは懇意になれると思います。男であれ、女であれ。
 だから友人が少ないのでしょう……それはさておき、恐らく日本人の多く、あるいは歴史に興味の無い人には馴染みの無い内容でしょう。

 二次大戦下、独ソに占領されたポーランド、ポーランド軍将校とそれを取り巻く人々の運命を描いた映画です。
 カティンの森事件、すなわちソ連のスモレンスク近郊の村グニェズドヴォで起きた虐殺事件を中心に話は進みます。
 事件の概要はwikiにお任せします。昨今は面白半分で赤軍やソ連やロシアをネタにする人も少なくない様ですが(私もあまり人の事は言えませんが) 知っておくべきことというものがあります。

 この手の映画は日本にはあまりありませんね。
 戦争映画、歴史映画、何であれ、日本で製作公開される映画の多くは愛と感動の云々、自己犠牲が云々と観客の涙を誘う紋切型の物語ばかりです。
 何が起こったのか、人々はどうしたのか、そうした事はあまり語られません。
 英雄もいない、奇跡もない、禁忌に触れ、美化された幻想を一蹴し、現実に徹する映画は需要にも適わず、また収益にも繋がらない。故に怒りと悲しみを率直に描くことさえなく、虚飾に覆われた映画が世に氾濫するのでしょう。

 視聴前の最低限度の知識として当時のポーランドのおかれた政治的・軍事的立場、ソ連とドイツの思惑、英米の外交政策、国家や組織における将校の役割について少しでも齧っていないと意味が分からないシーンがあるかもしれません。
 しかし、こういう映画こそ真に見るべき、語り継がれるべき映画だと思います。
 そしてこうした事実を知らず、あるいは忘れるから、人間は何度でも似た様な過ちを犯すのでしょう。 
  
 監督のアンジェイ・ワイダ氏の父は当該事件の犠牲者です。言葉では言い尽くせぬ思いが込められた作品でしょう。
 長らく真実を語ることすら許されなかった事件、それを映画にする、まさに渾身の力作です。 


 カラーでよみがえる第一次世界大戦
 http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/140505.html

 全3回、ドゴールやモーデルやパットンの経歴についても触れられていて、なかなか面白いです。
 お前は戦争ばかりだな、と言われそうですけど。いや、そうですけど。
 二次大戦の影に隠れがちな時代ですが、因果という点から考えれば二次大戦を形成した時代なので、より重要な無視できない時代です。この番組枠は本当に興味深い。

今期のアニメはチャイカとシドニアが好みです。
 頭を空にして、のんびり見るには良いですね。


・大きすぎた。

 1920×1024で描いてたので嫌な予感はしてたのですが。
 JPEGで保存したら容量が凄い事に……。
 アップロード制限があるので、100%の画質では貼れないようです。
 ローマ軍の物語Ⅴ 百人隊
 ローマ軍の物語Ⅴ 解説

仕方が無いので縮小しました。より高画質の原寸はpixivでどうぞ。
 しかし描いている時の画像と比べるとやはり圧縮による滲みや褪色があるように思います。
 
 以下pixivより

ローマ軍の物語Ⅴ “マルスの申し子達”

最初は体に馴染まなかった甲冑が亀の甲羅みたいに馴染んだ頃、訓練はさらに進み、とうとう木剣や柳細工の盾ではなく本物の装備が支給された。禍々しく輝くグラディウスに頑丈なスクトゥム、ピルム(投槍)。練習用より軽い設計だが、どれも不思議と重く感じた。それでも軍団兵は、甲冑同様にどんな武器であれ、道具であれ、使いこなさなければならない。祖父はこう言っていた“仕事道具を使いこなすのはどんな仕事でも同じだ。軍団のそれは少々物騒だが”。

やがて訓練は実戦と同じ形式で行われるようになった。連携を崩したり、亀甲隊形から手足がはみ出している馬鹿は指揮丈でしこたまぶっ叩かれる。揃って歩くのも命懸けだ。勿論本来は叩かれるどころでは済まず、味方が死んだり、矢や槍が自分に突き刺さる羽目になるのだから真剣にやるほかない。

“言葉を知らぬ獣には雄弁なる鞭を”が隊長の口癖で、どうやら俺は班で一番獣に近い存在だったらしい。次第に他の百人隊と合同の戦闘訓練が増え、内容はさらに本格的なものになった。動かない木の標的を使う回数は減り、本物の剣を振り、盾を構える生身の人間が相手に取って代わった。

誰もが初期の訓練の終わりを予期していたある日、百人隊の仲間が訓練中の不注意で負傷した。ぐったりとして医務室に運ばれる負傷者を見て、隊の仲間は誰もが落ち込んだが、翌日ケリアリス隊長はいつも通り訓練を始めた。彼の顔面の凄まじい傷痕や険しい顔付が物言わずとも全てを物語っていた。俺達がこの先、辺境で味わう事になるものはこの程度では済まないのだと。幸いな事に怪我人は復帰したし、それ以上負傷者は出なかったが、いつ誰が同じ目に遭うかは分からなかった。むしろその可能性はこれから高まるのだと
全員がはっきりと頭に叩き込まれたようだった。

ほどなく基礎訓練は終わり、俺達は名実共にカエサルの創設した第Ⅵ軍団、150年以上の戦歴と伝統を持つフェッラタ・フィデリス・コンスタンス(忠節なる鉄騎)の分遣隊の一員となった。俺は銀鷲旗の往く所、どこであろうと進むローマ軍団兵となったのだ。その時ばかりは祖国防衛だとか辺境の脅威だとかいったものに実感の湧かない帝都育ちの俺も、まるで第Ⅵ軍団のゲニウスが身の内に宿ったかの様に力が湧いたものだ。

いつも吼え猛っていた百人隊長は訓練終了の際に、これでようやく軍団兵を率いる事が出来る、とだけ静かに告げた。俺達の前に立つ彼は始めて会った時の様な、粗悪なアンフォラを仕入れて不機嫌な商人の様な顔ではなかった。自分では分からなかったが、俺達の面構えや体格は相当に変わってしまったのだろう。もっとも俺に限って言えば、兜が無ければ本当に頭蓋骨の形が変わっていたのかもしれないけれど。

随分後で知った事だが、ケリアリスはダキア人との一度目の戦争より前から共に戦った百人隊を丸ごと他の大隊に取り上げられていたらしい。どこぞの有力者の御子息が金ぴかの推薦状を持って隊長に代わったそうだ。それで我らが隊長殿は立ち方も歩き方も知らないガキ共を一から訓練する羽目になった。そりゃあ誰だって不機嫌になる。たとえクレメンティアだろうが堪忍袋の緒も切れるだろうさ。それでも隊長はやり遂げたという訳だ。
――つづく――次回、ローマ軍の物語、第6話”ローマ軍団兵は一日にして成らず”ROMA AETERNA EST!!

 グラディウス:刀剣全般を指す言葉。帝政期前半の軍団兵が装備したのは中世の騎士が携帯する様な長剣よりも大分短い剣。使い易いのでヒスパニア人からパクった。刺突に優れるが、その斬れ味は人間の四肢を飛ばし、首を刎ねるのに十分だった。軍団兵は右腰に、将校は左腰に吊るす。プギオ(短剣)は各々逆に吊るす。騎兵はスパタという長めの剣を使用した。

 スクトゥム:楕円か長方形の湾曲した大きな盾。軍団兵は個別・英雄的に戦うよりも盾を連ね仲間と肩を並べ、部隊として戦う事を求められた。盾は木材、革、金属の補強で出来ており、防御だけでなく敵を殴打して続く刺突や斬撃の助けとなった。これも時代につれて形を変えた。

 ピルム:投槍、先端は細く、投げ易い様、また威力を増す為の錘付き。細い為に穂先はしばしば盾を貫通し、その持ち手を殺傷した。また、突き刺さったピルムは折れ曲がり、再使用不能な上に敵の盾の使用を妨げた。通常は一斉射の後に白兵戦が始まる。元々これを使用したエトルリア人やサムニウム人に苦戦したのでパク(略。

 甲冑:ロリカ・セグメンタタ、板金を繋ぎ重ねた鎧。時期や場所により数種類確認されている。映画に登場するローマ兵は大体この格好だが、長きに渡るローマの歴史全てに登場する訳ではない。百人隊長は鎖帷子や鱗状の鎧で描写される事が多い。名称は後世の学者による呼称。鎖帷子はケルト人からパクったという説も。

 亀甲隊形:テストゥド、部隊を密集整列させ盾を頭上、左右、正面に掲げる隊形。矢や投槍などの投射武器が降り注ぐ中、ゆっくりと前進する事も可能。弱点は機動力の低下、あと多分疲れる。

 戦闘訓練:ローマ軍の訓練は流血無しの実戦であり、実戦は流血を伴う訓練だと表現された。事故による死傷率は分からないが、それほど激しい訓練ならば、皆無だったという事はないだろう。

 第Ⅵ軍団:レギオ(軍団)には固有の番号と名称が与えられた。軍団兵は所属軍団や百人隊に強い帰属心と誇りを抱き、己の軍団こそ最強であると信じて疑わなかった。
 基本的な組織構成は百人隊80人×6で1個大隊(歩兵隊)480人、9個大隊+第一大隊(定員2倍960名)の計5,000人強。戦闘による損耗、病気や怪我の欠員、分遣隊等で常に定数を満たしていたとは限らないが、そこに少数の騎兵と属州の補助軍騎兵、歩兵、弓兵等を加え作戦に参加した。
 第Ⅵ軍団の象徴はカエサルに由来する牡牛、建国神話の狼。ガリア戦争のアレシア、内乱時のファルサルス、アントニウスの下でフィリッピの戦いとパルティア戦役、その後はシリア、ユダヤ属州で活躍し、コルブロの指揮下アルメニア戦役に参加、ネロ自殺後の混乱期はウェスパシアヌス帝を支持しイタリアに進軍した。世界を駆け巡る無敵の軍団である。

 分遣隊:ウェクシラティオ、任務部隊。軍団は広大な帝国の各地に配置されていたが、有事の際、当該地域に駐屯する軍団を補強するために他の地域の軍団から分遣隊が派遣され支援にあたった。合理的だが、余分な戦力を持つ余裕などないという財政的理由もあったのだろう。

 銀鷲旗:全軍団は鷲を共通の象徴、記章、誇りとしていた。魂にも等しい軍旗を失う事は軍団にとって極めて屈辱的な事であった。パルティア人とゲルマン人は絶対に許さない、絶対にだ。

 ゲニウス:万物に宿る神性、力を神格化したもの。精霊、守護霊などとも訳される。

 アンフォラ:細長い陶器の壺。ローマ人は葡萄酒やオリーブ油などを詰めて保存、輸送に用いた。あまりに大量消費されたのでローマ近郊に陶器の欠片で山が築かれた。残り滓が腐敗して臭かったらしい。ゴミ処理はいつの世も問題になるようだ。

 クレメンティア:慈悲と寛容の女神。クレメンティアの姉御もブチ切れるレベル、と言えばローマ人最大級の憤怒の表現。嘘です。

 以上

 装備や役職について色々書いてしまったので、あまり書く事が無いです。
 次はもう少し小さいサイズの絵にしよう…。


 今回はこの辺で。続きが描けたらまたお会いしましょう。
 ローマ市民ならびに元老院議員、そして軍団兵諸君にマルスとユピテルの助力あれ。
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軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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