白河の清きに魚も住みかねて


 白河の清きに魚も住みかねてもとの濁りの田沼恋しき


 昨今話題の”実在しないもの”への表現規制ですが。
 何でもかんでも規制すれば良い、というのはいかがなものかと。手段として一番簡単だから魅力的だというのは分かりますけど。個々の人間が判断する段階を飛ばして法や判例に委ねてしまえばそりゃあ楽でしょう。
 親御や周囲の教育や指導、本人の経験則などから形成される善悪の判断、価値・判断基準なぞといった不確かなものは信用できんから、まとめて法に外注って事ですかね。そういう安易なやり方を続けていくと自己判断を行うことが出来る人が減るでしょうし、判断基準は法任せってことになっていくのでは。責任の所在もあやふやになっていきそうです。

 どちらかと言うと毎日の様に昼間から殺人や不倫の話ばかり垂れ流しているワイドショーだとか連続ドラマの方がよほど影響大なのではないかと。もはや昼にテレビを見られる身分ではないので今もそういうものが放送されているのかは知りませんが。

 テレビといえばこの間NHKでやっていた古代エジプトの戦車復元ドキュメンタリーは最高でした。考古学者や馬具の研究家、軍事史家、曲げ木職人(車輪などを作る)など各界の専門家を集めて2頭立ての戦車を作って性能を確かめる番組です。NHKの夜のドキュメンタリーとBSは要チェックですね。
 http://www4.nhk.or.jp/dramatic/x/2013-06-01/31/23651/

 もちろん私は過去と現在、現実と空想の区別をはっきりとつけることの出来る”常識人”であり、仁徳溢れる”善良”にして公明正大な市民、常に”良識”を弁え、平和と慈愛の心を忘れぬ”完全無欠の正義漢”なので、番組を見ながら数千年前に思いを馳せ、腕利きの相棒が駆る戦車に仁王立ちして、砂煙を巻きあげて疾駆する数百の精鋭友軍戦車と共に敵の歩兵戦列に間断なく射撃を浴びせつつ、反撃を受ける前に急速反転を繰り返し、ギラギラと輝く太陽を背に受けて数度に渡る射撃で崩れた戦列に喚声を上げて熱狂的な突撃を敢行し、逃げ惑う敗残兵を蹄と車輪の餌食にして、ファラオの勝利と栄光に貢献する、などという残虐かつ楽しげな幻影を脳裏に思い浮かべたり、夢想に耽ったりはしませんでしたが、えぇ、けっして。ヒャッハー。


 まぁ何だ、何であれ妄想するのは自由でしょう。
子供への影響を危惧しているというのは分かりますが。
 現世が心を打つほど美しいものと叡智、目を背けたくなる様な汚穢と無知との混然一体である事は明白なのだから、外部からの刺激にそう容易くは感化されない人間を育てることの方が大切だと思います。感受性とのバランスが難しそうですけど。臭いものに蓋をしても根本的解決には至らないでしょう。

 何にせよ、池を綺麗にするために消毒薬を注いで生き物が全滅する様な事にだけはならないと良いですね。


・映画や本

 エンダーのゲーム、映画化するのですね。
 http://www.youtube.com/watch?v=vP0cUBi4hwE
 随分前のSFですが、エヴァなど日本のその手の文化に大きな影響を与えているようです。

 高い城の男、ドラマ化ってのも気になります。監督が彼なだけに映像はグッと来そうです。
 http://eiga.com/news/20130215/13/

 書籍:古代ローマ1万5000キロの旅 アルベルト・アンジェラ著

 古代ローマ人の24時間を書いた人の本です。結論から言うと最高です。私と似た様な趣味の人は是非。ローマ市民必読の書であります。前作は帝都ローマの24時間をじっくり描く事で、当時のローマの都市生活を見物する事が出来ましたが、今回は首都ローマのみならず属州を、帝国全土を旅したい、という夢を叶えてくれるのです。

 一枚の硬貨が人の手から手へと流通していく過程を通して、その持ち主達と旅をするという構成です。
 首都の貨幣鋳造所から出発し、華々しい首都から物寂しい辺境の町へ、軍人、金持ちや商人、奴隷、男に女、ありとあらゆる階級、職業、立場の人々の生活や人生を通して1900年前、つまりトラヤヌス帝時代のローマ帝国の姿とそこに生きる人の生き様を活き活きと描いております。タイムマシンなど無くても、研究を重ねて情報を収集すれば、ここまでの事が出来るのか、と思うほどに細かな描写が読者を当時の世界に放り込んでくれる事でしょう。

 もちろん誰も見た事の無い世界であり、今も不明な事や解明されていない事が沢山ありますから、補完、誇張、誤りがどこかに必ずある事でしょう。けれど、読書は時間と空間を超えた体験を与えてくれるものだ、という事をこれ以上ないほど明示している本なのであります。絵を描きたくなる本です。
 

・ボケの飽和攻撃

 良識と常識とか抜かしておきながらご覧の有様なわけですが。
 ツッコミが追いつかない勢いでボケる。それが俺の(以下略。
 
 そんなわけで私の頭の中では夏の新番組はこんな感じとなったのであります。
 暖かくなると色んな人が現れますからね…。しょうがないですよね。

ポスター風
甲冑部ポスター

そのまま
甲冑部

Ospreyの表紙風
甲冑部オスプレイ


 以下pixivより

甲冑道は乙女のたしなみ!

【前回までのあらすじ】
 
 高校2年の佛川ゆり(完全装備で100m12秒20)は、”主のお告げ”に従い”甲冑道”の存在しない私立春原女子学園へ転校した。
 超人的なまでに空気が読めないゆりはクラス内で順調に孤立を深めていくが、現今教会体制の在り形への見解の相違からクラスメイトの龍王寺翠(背筋力170kg)と鷲北ひじり(握力90kg)を巻き込み侃々諤々の神学論争に発展する。一時は互いを異端者認定するほどの凄絶な喧嘩を繰り広げた3人であったが、やがて互いの情熱を認め合い親友となる。
 
 一方生徒会は新入生不足から廃校の危機にある学園の知名度を上げる為、甲冑道世界大会に向け、十数年ぶりに甲冑部の復活を企図し、戦士もとい選手を求めていた。
 過去のトラウマから一度は甲冑道佛川流を捨て、不戦を誓ったゆりであったが、新たな友と初めて手にした”自分の居場所”を守る為に2人を誘い入部を決意する。

だが世界大会にエントリーするには最低5人の部員が必要となり、3人は選手集めに奔走するも、血生臭く汗みどろの甲冑部は疑いの余地無き非モテカワと敬遠され、なかなか部員は集まらない。しかし、剣道部から永久追放となった3年の葦原撫子と3人を不信心者の犬よばわりしていた1年の湯部あいの異教徒二人組が紆余曲折を経て入部し、甲冑部は正式に発足される。

こうして定数を揃えた春原女子学園は一次予選に参加。破門された姉との再会、部内の宗派対立、様々な思惑が交錯する中、世界大会制覇へ向けた熱き戦いの幕が上がる。

――かつて、あの壮麗なる頌歌に送られた戦士たち。母校を守る誇りを厚い装甲に包んだ重装騎兵の、ここは墓場。無数のオーバーロード(学園長)たちの、ギラつく欲望に晒されてトーナメントに引き出される春原学園の戦士達。寄る辺無き騎士達が各々の”聖地”を賭けて激突する。
次回ガールズアットアームズ第4話”強豪?狡猾?名門、ニカイア学園!!”朽ち果てたアナトリアの聖堂でテオトコスが微笑む!

――どっかで見たことのある様な設定、断じて気のせいです。他校と試合する前に内紛で全滅しそうですね。この髪型でどうやって兜を被るのか…。
――佛川「練習後にラーメン行こうよ。最近できたとこ」竜王寺「そこは豚骨スープだから皆で行けないよ」湯部「…ケバブは?」葦原「薬喰い(肉食)はちょっと…」鷲北「私の行きつけの店に致しましょう!」4人「(またキャベツと芋か……)」

以上


名前と装備でどれが誰か何となく分かってしまう人は同志。
 

――登場人物紹介と名の由来――

 【佛川ゆり】

 仏蘭西+王家の百合紋

 甲冑道佛川流師範代のワザマエ腕前の持ち主。12-13世紀のドイツ-フランスの甲冑を装備。長剣を用い、騎乗時は槍を使用。
 信心深く、朗らかで正直者。いつも元気溌剌だが、細かい事を考えるのは苦手、猪突猛進気味。一言で言えばアホの子。実質上の部長。前衛で鷲北と組む事が多い。最近になって自らの女子力の低さを痛感し、竜王寺に料理を教えてもらっている。肉が好き。霜降りではなく赤身の肉を好む、肉を食べている実感がするのだとか。


 【竜王寺翠】

 ウェールズの竜より。下の名前も旗の緑から。

 ウェールズ仕込みの長弓使い。スタイルは悪くないが過酷な鍛錬による屈強極まりない体格をやや気にしている。近接戦は苦手。その鏃が如く正鵠を射た直言が多く、極めてブラックな皮肉を織り交ぜたユーモアを好む為に友人が少ない。概ねぼっちだが、孤独を気に病むタイプではなく、むしろ一人でいる方が落ち着く。何でも真正直に話す佛川(空気が読めない)など数少ない友人は大切にしている模様。良く食べ、自分でも調理し、近所の店のチェックにも余念がない。世界各地の料理を愛し、試合後は皆に絶品のブイヤベースを振舞う。


 【鷲北ひじり】

 名は北方十字軍、神聖ローマ帝国、ホーエンシュタウフェンの紋章などから。

 特徴的なクレストの兜とドイツ騎士風の装備を愛用。得物は長剣、騎兵槍、斧に打撃武器と近接なら概ね何でもいける。品行方正かつ頭脳明晰であり、由緒正しき名家のお嬢様でもある。部内では珍しい慎重派の軍師役だが、
一度信頼した相手に精神的に依存する傾向がある。出自に気後れする他の同級生達とは異なり、気兼ねなく振る舞う佛川(空気が読めない)と親密になる。佛川を過度に信頼するヤンデレ。通常、甲冑部は彼女の”えぐい”献策をベースに意見を募り戦術を練る。釣り野伏せないしはその応用が好き。読書家だが蔵書の多くは戦史が占める、時折シラーなどを引用する事もある。


 【葦原撫子】

 豊葦原、日本の美称から。

 3年生。暴漢に襲われた下級生を助ける為に傷害事件を起こし、剣道部を退部する。その為、佛川(空気が読めない)に甲冑部へ誘われるも一度は入部を躊躇う。3度目の勧誘で入部。武装は南北朝期の胴丸に薙刀、太刀、和弓。遠近両面をカバーする非常に優秀な部員。書類上は部長だが実質上の役目はより情熱的な佛川に譲っている。普段は物腰穏やかで皆を見守るお姉さん役。だが時折嗜虐的な一面が覗く。表面からは容易には読み取れないが昼はドS。夜は…。


 【湯部あい】

 名はアイユーブをひっくり返しただけ。

 1年生。2年の3人組を不信心者呼ばわりしていたが、学園の危機に共闘関係を結ぶ。武装は小札鎧と鎖帷子を併用、複合弓、騎兵槍、長剣などを扱える為、間合いを同じくする葦原と組んで行動する事が多い。数々の試練を共に乗り越えた事で、部員とも打ち解けつつある。いわゆるツンデレ。甘いものに目がない為、ラマダンの日中は元気がない。ラマダン明けに身体測定があるとさらに落ち込む。食べ過ぎて。


 そんな感じで。
 何がそんな感じなのやら。
 模擬鏃(ゴム製?)とか模造刀にしないと毎話死傷者が出そうですね。

 あとpixivでアンケート取ったら意外とヤンデレが人気でした。
 さて、装備やら何やらですが…。
 
 鎖帷子とサーコートなどは今迄何度も描いてますし、マムルークの装備ももはやおなじみですね。丸い盾に模様を刻んだのはイスラム圏で偶像崇拝を忌避する傾向から幾何学的な紋様の装飾が発達したという経緯によるものだと思います。たぶん。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%99%E3%82%B9%E3%82%AF
 マムルーク娘にうっかり犬の携帯ストラップだとかぬいぐるみだとかをプレゼントしたらナジス(不浄)だからごめん…とか言って断られたりする切ない異文化コミュニケーションが発生するのであります。イスラム圏では”犬の息子”というフレーズは最大限の侮辱だそうです。キティは流行ってるそうですが、このルールだとスヌーピーは駄目なのでしょうか。厳格さの度合いは地域にもよるのでしょうけど。

 ウェールズの長弓も前に描きました。熟練には骨格に影響が出るほどの訓練が必要らしいので年頃の女性が扱うにはいろんな意味できつそうな武器ではあります。競技に本物の鏃を使うとボコスカ死人が出ると思うのでゴムなどの柔らかい素材を使わないと危険そうですね。打撃武器はどうすんだって話ではありますが。

 今回初めて描いたのは南北朝期の胴丸です。他にも腹当、腹巻、大鎧など色々ありますが今回はこれで。胴の部分が一続きになっていて海苔巻きみたいに体の回りをグルッと包み、右脇下で引き合わせる構造になってます。図鑑を見てたら女性用の甲冑もあって驚きました。

 そして、この時代の日本の武士は本当に重武装ですね。薙刀に太刀、鉄砕棒、弓に鉞…。弓を射ち合う戦いから、近接の殴り合いも重視されてきた背景があるようです。
 どれも戦術や時代の要求、風土から個性が滲み出て面白い。

フランスの十字軍騎士風の娘は良いとして、ドイツ騎士の方はどうやってこの髪型を収納するのか。大兜の裾から縦ロールがびよんびよんはみ出してる打撃武器をもった騎士に追い掛け回されるとかトラウマものですね。私の業界ではご褒美ですが。

 ドイツの料理はビール、ソーセージ、豚肉、ジャガイモ、キャベツのステレオタイプで語られる事が多いのでジャガイモとキャベツ…なんて書きましたが、ジャガイモもトマトもトウモロコシも大航海時代以降、15世紀末~16世紀に新大陸からヨーロッパに持ち込まれたそうなので、13世紀前後をモチーフにした物語だとじゃがいもに辟易する人物が登場するのはおかしいってことになりますかね。キャベツはあったらしいのでキャベツ野郎(連合軍兵士がドイツ兵をクラウトと呼んだように)よばわりする事は出来そう。

 こんな事を書いていたらビールとザワークラウトとソーセージとポテトを貪りたくなってきました…。有楽町のガード下にあるバーデンバーデン辺りで(ビアホールのステマ)。
 もちろん熱狂的な演説はしないで静かにビールを飲みますよ。

 今日ではお洒落かつ美味と評判のフランス料理の原型は16世紀にメディチ家からフランス王家に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスとその料理人がもたらしたそうですから、13世紀ごろのフランスの食事は今とはかけ離れたものだったのではないかと。フォークも16世紀ごろに普及したそうで。ナイフで切り分け、もりもり食う、いかにも中世みたいな食事はイタリアから来たお金持ちのお嬢様には耐えられなかったのかもしれませんね。

 同時代の日本料理で面白いのは、貴族が野菜を卑しいものとして食べなかった為、しばしば栄養失調者を出していたこと、宗教上の理由により味の良し悪しを論ずる事が忌避されていたこと、などでしょうか。美食家にはしんどそうな時代ですね。
 
 ケバブは中東地域で広く親しまれていますが、語源はアッカド語との説もあるそうなので料理の起源は古そうです。よく取り沙汰されるハラールは地域や宗派で差が大きい様です。厳格な人もいればかなり適当な人も。豚骨ラーメン喰いながらビールを飲む人と某世界最大のイスラム教国で同席した記憶が…。

 イギリスは…。不味いと評判ですがイギリスが世界に広めた料理も多いですね。宗教上の理由や合理性から美食文化があまり流行らなかったようです。

 どの国の料理も歴史、流通、宗教、文化、思想など多くの要素が影響しているのが面白いですね。ルールによって美味な物や健康維持に必要なものをわざわざ遠ざけたり、調べると発見が沢山ありそうです。

 ……。
 なんでこの人は甲冑の話してたのに料理の話をしてるんでしょうね。


 今回はこの辺で。
 次回はどこへ行きましょうか。いつも通りむさ苦しい連中をもりもり描いていこうと思います。
 タイムマシンの目盛りをグルグル回してもっと古い時代に遡ろうかと。
 出力装置の都合上、視覚化に大分時間がかかりますが。

 何ぞ出来ましたらまた。
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軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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