汝には西の方

汝には西の方、モンゴルの鉄騎が馬蹄の蹂躙しうる果てまで、全ての土地を与えよう
――テムジンから長男ジョチへ

 世界の半分…。

 どうもこんばんは。大分経ってしまいましたね。
 
 帝都から南に200海里ほどの海域でデッドリーストキャッチもかくやという荒波やら台風やらといちゃいちゃしてたら2週間経ってました。とりあえず台風が二個セットで発生するのは大変お得な感じで嬉しいですが、ほんのり危険なので勘弁して下さい。
 デスクで欠伸が出るほど簡単な仕事をして定時におうちに帰る、私はそういうのが大好きなんですけど…。

 そんな訳で休み時間には、これ、夜にうっかり落水したら誰も気づかないうちに水漬く屍になっちゃうんだろうな、などとシイラの晩餐のメインディッシュになりさがった自分の亡骸に思いを馳せたり、我が心の師の一人、セネカ先生の著書”生の短さについて”の記述をしみじみと思い出したり、携帯の電波すら届かないので密偵ファルコをひたすら読んだりしておりましたが、皆様はご機嫌にお過ごしでしょうか。

 それと時化の中で文庫本を読んでも酔わない体質だという事が判明する、というなかなか貴重な経験ができました。ローマ軍団から海軍に転職した方が良いかもしれません。いつも通り二日酔いはしてましたけど。そういういまいち役に立たない能力はいらないので、もっとこうポケットを叩くと小銭がざっくざくみたいな家計に嬉しい能力が欲しいです。何それ。



 ですので、こんなに時間が経ってしまったのはけっしてWar of the rosesをやり過ぎていたせいではありません。本当なんです。遠出で出遅れた分を取り戻そうと、ひたすら64人対戦コンクエスト鯖に入りびたり、いつのまにかランクが20くらいまで上がって、騎乗スキルを取得するや、のろまな歩兵プレイヤーに背後からランスチャージを喰らわせて悦に入る(直後に矢を浴びて落馬、もんどりうって立ち上がる間もなく群がる敵歩兵に殴り殺される)等と言う騎士道精神の欠片もない無慈悲かつ外道な不良騎士と化したり、重装備でメインアームは両手剣(二刀流じゃなくて両手で持つ剣)サイドアームは片手持ちのメイス(鈍器)というやる気満々な格好でろくに鎧も着ていない弓兵プレイヤーを一方的に虐殺したり(大抵その後、復讐に燃えた敵に囲まれて集中砲火を浴びてハリネズミみたいになるか打撃武器で袋叩きにされて死んじゃうんですけどね)はしてません。

 FPSは銃撃戦を主体としたゲームなので銃弾が命中しても相手が遠くでドサッと倒れて終わりですけど、これは近接格闘が主体のゲームなので何だかもう色々生々しい…。
 周囲からひっきりなしに装甲に金属がぶつかる音やドチュッ、とかグシャッとか鉄剣が肉や骨にめり込んだり、鈍器で何かが潰れる音が…。

 凄く良いですね、これ。うふ、ぐへへへ…。


・すてま!!

 さぁ、今日はこんなろくでもないページをちまちまチェックしている最高にコアなブラザー達に超クールなゲームを紹介するぜ!!

 ……。

 すいません、このノリをずっと続けるのはきついのでいつもの調子に戻りますね。
 そんなわけでSteamのダウンロード販売で29ドル位(1ドル約78円だから2,300円くらいですか)だったのでWar of the rosesというタイトルそのまんまのばら戦争ゲームをやっているわけであります。
 ばら戦争は有体に言えば15世紀の英国王位を懸けた、やんごとない人達(ランカスター家とヨーク家)とその両者による対立のお零れに与ろうとするやんごとなくない人達による内戦なわけですが、時代的にはちょうど百年戦争が終わった頃から始まる血みどろな戦争です。この間描いた絵から100年ほど時代が下り、甲冑の完成度もその防御能力も可動具合も格段の進歩を遂げております。

 で、何をするゲームなのか?と問われますと、FPSの様に世界中のプレイヤーと一つの鯖(全世界数百ある鯖から選べる。見たところ最大64人対戦?RTWクラスの大規模会戦をしてみたい!!)に集まって雨降る城郭や夕暮れの平原、鄙びた村や田園、都市などを舞台にヨークとランカスター両家に分かれ、ひたすら相手をぶち殺すというゲームです。一人称視点じゃなくて三人称視点のアクションですけどね。

 今後パッチで仕様が変わるのかもしれませんが、現状ではある程度の操作が把握できるチュートリアルのシングルモードとマルチプレイの対戦(陣取り合戦とチーム対抗殺戮大会の二つ?)しかなく、思わず目頭が熱くなるような重厚なストーリーなど皆無、見目麗しい姫の一匹、二匹を救い出す素敵なロマンスなど当然無いぜ、各自史実を頭に叩き込んで脳内補完しな、という最高に漢らしい仕様となっております。えぇ、凄く私好みです。
 
 現時点における本作の主眼、対戦モードですが、肉弾戦主体という点をご理解頂ければ、BFやCODシリーズのようなFPSをご存知の方ならご説明するまでも無いかもしれません。コンクエストモードは拠点の旗取り合戦で、チームデスマッチは2チームに分かれてひたすら殺し合いです。
 一応、経験値と金銭の概念があるらしく、それぞれ蓄積すると様々な武器防具やスキルを使用可能になるというRPG的な要素も備えているようです。

 初期から選択可能のセットは4種、万能型のフットマン(そこそこの甲冑に盾と片手剣を装備した歩兵)石弓手(クロスボウ射手)長弓射手(ロングボウ)フットナイト(下馬した騎士、重装甲に長剣、長柄武器)が選べます。FPSで言うライフル兵、狙撃兵、機関銃手みたいな兵科選択ができるのと同じ感じでしょうか。
 弓兵
 騎士
 歩兵

 先述のポイントがたまると自分でカスタムした兵科で出撃できます。スキルで足を早くして、射撃技術を高め(装填速度や命中精度など)射手に特化したり、重装甲で鈍器を装備した重戦車風の騎士になったりと好みのスタイルを選ぶことが出来ます。装甲や打撃力や速度はそれぞれトレードオフの関係なのでジャンケンの様に全てにおいて無敵という戦士を作るのは難しいと思われます。乗馬術を解除すれば騎兵になることも出来ます。私は歩兵を愛用してるので対戦鯖ではベテラン騎兵プレイヤーのランスに頭蓋を穿られて、あざーす!!とか言いながら脳漿を撒き散らして死ぬことはしょっちゅうですが。
 鯖ブラウザ

 鯖選択ブラウザは他のFPSと概ね同じです。人数やゲームモードで並べなおして好きなところに突撃しましょう。びびったら負け、とばっちゃが言ってたのでとりあえず人数が多いところに突撃してます。回線速度によるラグなど、かの国の速度事情と比べれば屁でもないので臆する事無く前進あるのみです。
 チーム選択
 分隊選択

 鯖に入ったらヨークかランカスターかを選び(面倒ならオートで)、兵科と所属分隊を選んで出撃。あとは隊長に付き従うなり、戦友と協力するなり、一人で吶喊してタコ殴りにされて無様に死ぬなりお好みで。
 タコ殴り

 言ってる傍から考えなしに突撃して6人の敵に殴られて無残な死肉と化す私の図!

 調子こいてました、マジすいません的な!
 人は一人じゃ生きていけないんやで!ナカマタイセツニ!
 
 FPSの銃火器による戦闘と違って、マウスによる近接格闘武器の攻撃入力は独特かもしれません。角度や攻撃部位、加速度、相手の盾や防具の位置関係を良く考えないと空振りしたり、命中しても踏み込みが甘くて装甲に弾かれたり…。M&B経験者ならすんなり受け入れられるかと。

 野戦はこんな感じ。敵味方があちこちでぶつかりあうのです。
 野戦
 
 私のカスタム兵科は両手剣にメイスというヘリウム風船並みに脳みそ空っぽな装備なので、全速力で敵陣に飛び込んで死ぬ前に長剣やメイスで一つでも多く敵の首を狩るという、どこの蛮族や、と突っ込みたくなるような有様です。脳内設定ではバイザーを上げると顔面にピクト人ばりの戦化粧を施してます。型に嵌れば4,5人連続で首級を挙げることもできますが、どうにもならないときはアウトレンジからひたすら矢を浴びてくたばったりします。
 無論、もっと装備やスキルを工夫したりチームを旨く導いた知的な遊び方も出来る筈です。私には到底無理ですが!!

 ダメージを受けるとやがて出血し、規定の時間内に包帯を巻くコマンドが成らねば死亡します。顔面に鈍器を食らったり運悪く兜の隙間に矢が刺さったり(恐ろしい事にジグザグ移動しても凄腕のロングボウやクロスボウプレイヤーは頭部や甲冑の隙間を狙ってきます!)すると即死。視界の開けたところで移動するときは兜のバイザーをちゃんと下げましょう。
 衛生兵!!
 倒れて慈悲を乞うも戦友が来ず、敵に見つかったときの視点。マウントポジションでミセリコルデ(慈悲の短剣)で滅多刺し。
 報い

 戦闘中に倒れると仲間の治療を待つ場合(皆優しいので、300ポイントがもらえる仲間が優勢なエリアなら助けてもらえます。が、戦況が敵に押されていると放置されます)とそのまま潔く死亡してリスポーンを待つ二通りの展開があります。放置された状態で敵に捉えられると短剣で滅多刺しにされたり、盾で喉を潰されたり(切断?)、鈍器で頭部を潰されたり、バラエティーに富んだ素敵な死に様を迎えることができます。
 慈悲の一撃

 逆に負傷し慈悲を乞う敵の胸座に切っ先を叩き込み、柄を捻って脈打つ心臓を破壊する胸のすく瞬間を味わうことも出来ます。200ポイントくらいボーナスが入ります。最高にグッと来る瞬間ですが、同時に間抜けなほどに無防備なので背後から忍び寄る敵騎兵に鈍器や槍で脳天をかち割られたり、遠くからクロスボウで撃たれてトドメを刺そうとした相手と一緒に仲良く川の字になってあの世行きになることもままあります。凄く笑えます。人生と同じ、最大のチャンスは最大の危機、コインの裏表なのであります。
 狙撃手
 ワンショットワンキル!

 ロングボウの視点はこんな感じ、木陰や胸壁に隠れて味方を支援したり、敵の狙撃手をどこぞの海兵隊狙撃手ばりにカウンタースナイプしたり。クロスボウの弦を巻いている全く無防備な瞬間(忙しくてスクリーンショットを取る暇が無い)も非常に緊張感があってよいです。百年戦争中のジェノヴァの傭兵達も次弾装填中はきっとこんな気分だったんだろうな、と思いながら巻き上げると燃えます。
 胸壁へ

 自分のいる場所が安全な場所だと思い込んでいる射手を撫で斬りにする瞬間は堪りません!!コンクエストモード(旗取り)で戦線後方に引き篭もっている能無しの芋虫野郎共は有無を言わさず皆殺しです。
 突入
 梯子

 燃える攻城戦。梯子をとろとろ昇ってると撃たれて死にます。城壁を昇り切って、憎しみに満ちた目で綿入れしか着ていない哀れな射手を切り刻むのはなかなか清清しい瞬間です。もう二度と弓が引けないように人差し指と中指は絶対に切り落としておきましょう!!

 ダメージ設定が部位ごとに設定されているようで、鎧を着ている部分や盾をかざしている部分などは、命中しても容易にはダメージが通らないようになっています。もちろん盾は耐久力の限界を越えれば壊れ、鎧も間接にヒットすれば役立たずです。おまけにウォーハンマーの尖頭部が突き刺さればダメージが貫通します。
 重装剣士
 念願の騎兵

 武器も振る角度や速度によって有効打になったり、ならなかったりとなかなか良く考えられており、単純に経験値稼ぎでスキルを開放したり、資金にものを言わせて良い装備を揃えても技量に優れるプレイヤーに勝てるとは限らず、ボタン連打でどうにかなるのは皆が手探りだった発売当初か運の悪い新規プレイヤーを相手にした時くらいかもしれません。逆に言えば、攻撃の受け流しや盾による捌きのタイミングと角度を的確に入力できれば、鎧を着こまず身軽なフットワークで重装備の騎士を翻弄することもできます。
 もっともそれは難しいですし、大きなラグで精妙な攻撃入力が出来なかったり、多人数に囲まれたりすればどうにもならないかもしれませんが。

 過去最高得点?キルレシオは目も当てられないほどに酷いもんですが…。
 最高得点

 と、だいたいそんな感じの超絶野蛮なゲームです。とっつきにくいかもしれませんが、好きな甲冑と武器を選んで多人数で合戦したい、という私の様な人には是非お勧めです。最初は訳も分からずぶち殺されまくると思いますが、次第に幾多の屈辱的な死から問題点と改善策が見えてきて良き戦士あるいは騎士になれると思います。流血表現やら無残な捕虜殺害シーンやらがあるゲームですが、選ばれし紳士のゲームなので現実と混同する様な無粋な輩はいないでしょう!
 甲冑や古臭い肉弾戦闘にご興味のある方は楽しいので是非!!

 Legionarius[jp]なる分かり易すぎる名前であちこちの鯖に出没するので見かけたら、後頭部を打撃武器でどつくなり、腰から両手剣で真っ二つにするなり、教会の屋根から兜の隙間を矢で射抜くなり、適当に構ってやって下さい。たまに分隊長になりますが、突撃大好きっ子なのですぐに死んでもどうかお許しを。


・二人はフリギュア

 今回の絵はこんな感じであります。

 ヒュパスピステス

 フリギュア式兜を描いたので。それだけです。ええ。
 別に変身したりしませんけど。
 
 齢30にして世界を征服した男とその仲間たち。
 比類なきヘラスの盟主、広大無辺なるペルシアのシャーハーンシャーにして、豊穣なるエジプトのファラオ!とかく冷笑的な敗北主義者の好む中二病なる軽佻浮薄なレッテルなど軽く吹き飛ばす偉大なる王の中の王、不敗の征服者にして東と西を結ぶ者!アレクサンドロス3世とそのお仲間を。

 やはり重装歩兵はいいわ…。


 そんな訳で明らかにゲームし過ぎな訳ですが…。


 嗚呼、なんと野蛮なページなのでしょう。
 CEROやら何やら倫理審査的なものが及ばぬと、かくも容易く人間は蛮性を露わにしてしまうものなのか、おぉ所詮人も理性と言う薄皮を纏った獣に過ぎぬのだ、なんと嘆かわしい事よ、いやそんなに極端なのはお前だけだろ、等と自己完結しつつ今回はこの辺で。

 
 荒ぶる戦神、アレスの導きがあれば、またお会いしましょう。
 百戦百勝向かうところ敵はなく、オケアノスの彼方まで栄誉で道敷く
 重装歩兵の皆様に神々の助力あれ!
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若いときの自分は、金こそ人生でもっとも大切なものだと思っていた

若いときの自分は、金こそ人生でもっとも大切なものだと思っていた。
今、歳をとってみると、その通りだと知った。――オスカー・ワイルド

 思わずブハッとか吹きそうに…。愛読書は何ですか、と聞かれて預金通帳だというジョージ・バーナード・ショーの返答も捻りが効いてて良いですがこれも良いですね。


 どうも、お疲れ様です。

 おや、もしかしてここ数年の給料の増額より税金と保険料の負担増の方が多いんじゃねえか、というあまりにも嬉しすぎる事実にとうに枯れ果てた筈のお涙がちょちょ切れそうですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。勿論お国が大切に使ってくださるのなら、常日頃から滅私報国を己の肝に銘じ、機あらば世の為人の為挺身せんとする私としては無上の喜びなのでありますが!

 うわ、何という高濃度の嘘くささ。
 
 ここの所、平日の酒量を減らしてジャスミンティーやら紅茶やらを代替投与すると健康にも良いし節約にもなる、という2万年前に気付くべき驚愕の発見によって大層おとなしい日々を過ごしております。休日に大量消費するのは変わってませんが。
 あと最近は遅くまで飲んでいると途中で力尽きて眠くなってしまう様になりました。BF3で戦車に乗りながら戦闘中に意識を失って同乗者と被弾爆散したり。大分いい歳になってきましたが、呆れるほどやってる事は何ら変わらないという…。いや本人に変えるつもりが毛頭ないのだから当然の結果ではありますが。


・甲冑やら何やら

 今回はこんな感じでしょうか。

コートオブプレートやら何やら

 以下pixivより


1346年8月”蘇芳色の誓い”

 君がタタールだろうとサラセンだろうと不問だ。誰であれ命を懸けて役目を果たし、仲間に敬意を払うのなら、バッコスと私は常にその酒盃を満たすだろう。兄弟よ、杯を干し、紋章に接吻を!
――イザベッラ・カンビオ、百年戦争初期の傭兵隊長、入団の儀において

――百年戦争において主にイングランド及びブルゴーニュ公国に雇用された豊潤なる葡萄と杯の紋章で著名な”バッコス団”のシェフ(隊長)、黒のヴィラーゴことイザベッラの出自に関する資料は残されておらず、イタリア中部出身の低い身分の女性であること以外は全くの謎に包まれている。
 同傭兵団はエドワード黒太子の指揮下、ジョン・ホークウッドなどと肩を並べ、ロワール川流域における小競り合いやクレシーに代表される大規模戦闘に参加している。最盛期でも300名を超える事はなく大勢に影響を与えることはなかったが、ポワティエの戦いにおいては左翼に布陣しフランス軍の猛攻を食い止め、イングランドの勝利に貢献している。
 また彼らは特筆すべき練度と優秀な装備、勝利への貪欲な意思、類を見ぬ冷徹さ、その国際色豊かな構成からは想像もつかぬ強固な同胞意識以上に待機中の酒の消費量が尋常ではない事で知られ、隊長を筆頭に団員の多くは団名に恥じぬ酒豪揃いであったとされている。特にカレー滞在中に町の主要な酒場を品薄状態に追い込んだ伝説は、”バッコスに備える”(非常時に備える)という慣用句として現在も同市周辺に残っている。
 ブレティニ・カレー条約締結後の休戦期はイタリアに転戦、ホークウッドのコンパニア・ビアンカ(白衣団)同様にフィレンツェ、ピサ、ミラノ、ヴェネツィアと次々に雇用主を変え、戦乱の世を巧みに生き抜いたとされている…
――サン・ドニ出版”コンドッティエーレの肖像”第8章、戦場を駆けた女達より

――法螺です。ビキニアーマーの類の魅力も分からないでもないのですが、怪我の事を考えると女性も完全装備が良いと思います。いや決して露出度は低い方が好みとかそういう不埒なアレでは…それと多神教の神の名を冠した集団が許されるご時世だったのか甚だ怪しい所ですが、団員には通常の給料及び戦闘手当に加え、作戦成功の暁には上等な葡萄酒と蜂蜜酒が支給されるので奮って御参加下さい。

――次回、黒のヴィラーゴ、第6話”激突!クレシーの戦い”降り注ぐ鏃と重騎兵の断末魔が天を響もす。酒神バッコスよ、地を這う傭兵共に力を!

以上

 相変わらず呼吸する様に法螺を吹く癖が。もっと技巧を凝らした法螺を吹かねば。

 以下は誰が得をするのか良く分からない登場人物紹介

 隊長兼主計(右手前の椅子に座ったいかにも狡猾そうな人)

 イタリア人、ローマ貴族あるいはバチカンの高位聖職者の隠し子という噂が真しやかに囁かれる一方で、氏素性の知れぬ平民の娘との説もある。読み書きと会計が出来ることから一定の教育を受けている事が窺い知れるが、その出自は全くの謎に包まれている。
 むくつけき男共と違って自らの腕力の限界を熟知しており、会計能力、戦術や政治的な駆け引き(ときには年下の黒太子や諸都市の有力者達を誘惑し、あるいはそれとなく脅迫し!)によって隊の存続を図ってきた。白昼の鷹揚な振る舞いとは異なり、口の堅い捕虜を尋問する際は隊の仲間に見せる慈しみが嘘の様な情け容赦のない冷酷さを披露する(百戦錬磨の部下達もドン引き)。
 糧秣の調達に優れた才能を発揮し、戦場においては良く言えば徹底した細やかさを持った、悪く言えばえげつないまでの陣地構築技術を備える一方で、戦力投入の機を逃さぬ神懸かった機動戦の名手でもあり、たびたびフランス軍の虚を突いて戦局に寄与してきた。性格と採算に合わない攻城戦は苦手。
 無類の葡萄酒好きで、捕虜達の身代金のかわりに各地の銘酒を物納させる事すらあり、待機中は旨い葡萄酒を飲んで天幕の長椅子でごろごろしているか、夜毎薄気味の悪い笑みを溢しながらウェゲティウス、ベリサリウスなど古今の軍事技術を研究する事に費やしている。ラムの香草焼きと林檎パイ(タルト・タタン風の代物を)に目が無く、暇さえあれば(素面ならば)鼻歌交じりに”友好的に”接収した石釜で焼いている、だが非常に音痴。
 黒のヴィラーゴの渾名はその戦場に似合わぬ長い黒髪にちなんでつけられたものという説もあれば、何者にも染まらぬ孤高の生き様を讃えた比喩、あるいはその手段を選ばぬ苛烈さ、腹黒さなど由来は定まっていない。


 副長(右後の仏頂面)

 スウェーデンによる北方十字軍により所領を失ったフィンランド小領主の末裔。隊に随行していた商人の娘を娶り今や2児の父であるが、隊の創成期から常に隊長の傍にあり、その兄の様な存在にして助言者でもあり崇拝者でもある。隊長に不遜な振る舞いを働く輩、敬意を払わない者の多くはその日のうちに行方不明になるか頭蓋に大穴を開けて主の膝元に這い蹲る羽目になるだろう。隊の訓練、規律保持、前衛部隊の指揮など現場指揮官としての実務の多くは彼が担っている。深みのある蜂蜜酒を好み、酔いが回るとフィンランド神話の神々と精霊の伝説、一度も行ったことのない”麗しき”故郷の話を始める。歌がべらぼうに上手い。


 犬鼻(左に立ってる人)

 北アフリカ出身の元海賊、改宗者、秋口のティレニア海で遭難し、流れ着いたイタリア西岸の漁村で私刑の憂き目に遭い、なぶり殺しの寸前に隊長に救われ、永遠にして絶対の忠誠を誓う。トルコ人とフランス人の混血児にして世にも稀なる美男であるが、常にバシネットを被りバイザーを下ろしているので仲間からも犬鼻と呼ばれており、幹部しか彼の素顔を知らない。
 船員時代からスペイン産の蒸留酒を好み、隊長を除けば隊内随一の酒飲みとして知られている。
寡黙だが勝利の祝宴に欠かせぬ世にも美しき旋律を爪弾くウードの弾き手である。
 騎兵を馬上から引き摺り下ろす長柄武器や手斧の扱いに長け、海戦技術に着想を得た為か、分隊指揮官や迂回挟撃戦術において本領を発揮する。隊の機動戦を支える静かなる実力者であり、常に死をも恐れぬ先駆けの斬り込み隊長として兵を率い、隊長の信頼も厚い。


 新兵(跪いてる人)

 イングランド軍所属のウェールズ人射手であったが、野営地で隊長に一目惚れ、その日のうちに原隊を脱走。思慮分別を欠いたままバッコス団の紋章に誓いの接吻をして躊躇いも無く葡萄酒を干し、補充兵として採用された兵卒。元の仲間達に見つかったらどんな目にあうか、あまり深く考えていない模様。その本意はとうに見透かされており、斥候、潜入、誘拐、と危険で汚い任務に良い様に扱き使われているが、要領は良いらしく、少しずつその実力を認められている。お家芸の長弓と鈍器の扱い、料理の塩加減にうるさい。キルト地の胴衣と靴下は故郷の母親が用意したもので、どんなにボロボロになろうと自分で繕っている。どうやって帰ったものか悩んでいる。

 
 という感じのドラマやら何やらが見たいなぁ…という妄想。無限に時間があれば自分で長編小説にしてみたいものですが、暇さえあれば酒飲んでぐったりしてる限りは無理ですな。


 戦争における女性と言えば、一般には悲惨な被害者としての立場が広く認識されており、また現実にもそうであったのでしょうが、中には敢えて危険に飛び込み、または運命に翻弄されてやむなく男達と肩を並べ、ときにむさ苦しいご同輩を凌ぐ力量の持ち主もいたそうで。

 近現代の女性兵士と言えば2次大戦中のソ連の女性エースパイロットであるリディア・リトヴァクや驚異的な戦果を挙げた女性狙撃手リュドミラ・パヴリチェンコ、19世紀ではロシアで性別を偽って騎兵として活躍したナジェージダ・A・ドゥーロワ(ボロジノにも参戦し女騎兵の手記という本を残してます)などがおりますが、とっさに思いつくのは旧共産圏かロシアばっかり…。インドにはラクシュミー・バーイーなどもいましたか。
 現代の米軍やイギリス、ドイツならジェット戦闘機パイロット(一説には女性の方がGに対する耐久力が高いとか、空間把握能力はどうなんでしょう)やヘリのパイロットまで色々いるそうですが前近代ではどうだったのでしょう。

 ジャンヌ・ダルクは人を傷つけるのが嫌だったそうで、どちらかと言うと旗手の役目を果たしていたようです(それでも矢傷を負うほどの前線に立っていたので凄い人ですが)。他にもカテリーナ・スフォルツァの様な勇ましい逸話を持つ女傑は数あれど、実際に最前線で剣を取り、あるいは部下を統率し、戦列を束ねた者となるとさすがに少し減るのではないかと思っていたのですが、はたして…。

 日本だと巴御前とか甲斐姫などが代表的な人物でしょうか。さて世界的にはどうなのか。世界各国女傑列伝なる大層マニアックな本を入手したのでぱらぱら捲ってみると国家首脳や政治指導者だったり、夫をうまく支えたり、という人物は多いですが戦闘員や野戦指揮官は…結構いる。近現代になるとゲリラや反乱軍の幹部に結構いるみたいですね。

 で、初めて知ったのは女性のヴァイキングがいる事。アイスランドのフレイディス、ノルウェーのルシラなどあんな連中をどうやって束ねたんでしょうね。
 そういえば古くはサラミスの海戦に参加したハリカルナッソスのアルテミシア、時代を下れば鄭夫人やアン・ボニーなど古今東西に女性の軍船乗りや海賊が結構いますね。あまりに特異だから記憶に留まり記録として多く残る結果となったのか、それとも船乗りというのが意外に親和性があるのでしょうか。
 古来から船に女が乗るというのは神話や迷信、慣習から、あるいは現実的側面から見れば組織の統制において危険因子(船は次の港に着くまで閉鎖空間な訳で、男所帯に少数の女性が乗れば人間関係は乱れるでしょうな)であり、船乗りにとって不吉の象徴であることはよく知られていますが、そんなことはおかまいなく存外多い様です。
 
 総じて数は多くないが、傑出した人が多いですね。いや記録に残るんだから傑出してるのは当たり前か…。結論、男性であれ、女性であれ、やる奴はやるって事で。

 当時の代表的な甲冑はプレート&メイル(板金鎧&鎖鎧)などと呼ばれ、ギャンベゾンという綿を詰めたキルティングの鎧下の上に古代から使われ続けていた鎖帷子(この場合はホーバーク?仏語はオベール)を着こみ(鎧下なしでそのまま着ると肌が直接金属に触れ、汗で腐食が進んだり、金具に皮膚や体毛が挟まったり、衝撃や温度がそのまま体に伝わったりと不都合が あったのでしょう)、さらにその上に胴鎧、肩、上腕、肘、前腕、籠手、膝や腿など各部の防具を革のベルトや金具で留めて装着していたようです。その上にジュポン(胴衣)なども。
 部分ごとの防具は地位や役割、状況、体格、そしてもちろん最大の思案どころであるお客様のご予算に合わせて選ばれたようです。隊長が付けてるのがそれです。

 もう一つは取り巻きの皆さんが着込んでるコートオブプレートと呼ばれる鎧で、名前通りに布や皮の裏地に板金を並べて鋲で留めたり縫い込んだコートです。14世紀頃に使用され、本格的な板金鎧が登場し始めるにつれ廃れていきました。まさに過渡期の鎧です。右後ろの人はホウバークにサーコート(上衣、サイクラス?)、胴鎧、右手に頭頂部が丸みを帯びた(ダメージの方向を逸らす)グレートヘルム(大兜、仏語ではオーム)を抱えております。既に被っている兜をついうっかりノルマン式っぽいものにしてしまいましたがグレートヘルムの下に装着すべきは鉢形のバシネットだったかも。
 左の人が被ってるのはバシネット型兜で、今回はそいつにその形状から犬面とか豚面とか呼ばれたバイザーを装着しました。武具なのに何だかユーモラスな形状が好みです。

 そういえば先日暇だったのでキャッスル・ティンタジェルを見学してきたのですが、そこで訓練してた人達は大体こんな格好でした。施設は一階が道場、訓練場?で二階が事務所兼購買所で、中世のドレスや甲冑に雑貨など色々面白げなものが。それはおくとして実物はとにかく重かったです。ギャンベゾンだけでもずっしりな上に暑苦しくて死にそうなので、この上鎖帷子に板金鎧なんて着込んだらかったるそうですな。思わず重装歩兵から射手とか砲兵隊に転属願いを出そうかと思いましたが、グレートヘルムを発見して唸っていたらそんな事はどうでも良くなりました。でも重い。

 大分脱線しましたが、ここで用いたプレートアーマーとかプレート&メイルといった呼称は後世の人間が分類の便宜上つけた名前で、当時からそういう名前で呼ばれた訳ではないという点も留意すべきです。ローマのロリカセグメンタタ然り。

 現代兵器が故事の矛盾に在る様な攻撃力と防御力の果てる事なき開発競争(対戦車火器と複合装甲の様な)を続けているのと同様に、防具が発達していくにつれ、あるいは武器が発達するにつれ、両者は互いに発展していきました。
 具体的には容易には刃の通らない鎧を装備するものが増えるにつれ打撃武器、つまりハンマーやピック、メイスといった刀剣では損害を与えづらい対象への対応が発達しました。右に立っている様な巨漢が渾身の力を込めて振るったウォーピックやハンマーの尖頭が突き刺さったなら、もはや鎧を着ているかいないかはあまり関係ない、世にも無惨な死に様を晒してあの世に行く羽目になるでしょう。
 もちろんロングボウやクロスボウといった飛び道具もより貫通力を増す為に鏃(弾頭重量や形状)や矢(太さ、長さ、材質)そのものに改良を加えられました。英国における実験では1470年製のイタリア式板金鎧の胴部分(頭部や胸、胴が最高厚で、この時は4.57mm)をロングボウの矢が貫通したそうです。試射距離など詳細が不明なのが残念ですが、その百年以上前のクレシーで使用された鎧や鎖帷子に対してどれほど有効であったかは考えるまでもないかもしれません。

 
 さて、きりが無いので今回はこの辺で。
 皆様が酒神バッコスの助力を賜りますよう!
軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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