自由はローマ人から切り離せぬものなのだ

自由はローマ人から切り離せぬものなのだ
――キケロ アントニウス弾劾弁論 第六編

こんばんは。
ぼぉっとしていると日が経つのは早いですね。

 飲み屋に拉致されてしぶしぶ神妙に話を聞いてると、しばしば日本は武士道の国だから、という理論を根拠に日本人かくあるべし、という朝礼の校長先生のお話ばりに在り難いご説を展開する人が若干1名いるのですが、武士階級て全国的に何%だったんでしょうね。
 時代ごとにそれぞれでしょうし、色々説があるようですけれど、どんなに多くても10%以下だったと記憶しております。そういえばモンゴル帝国の戦闘員の動員可能割合ってどれくらいでしたっけ…。いずれにせよ遊牧民よりは少なそうですが、はたしていかに。

 もちろん花は桜木、人は武士、ウィスキーはラフロイグみたいな理想像としての武士というのは今も昔も人々の間にあるんでしょうけど、実際ほとんどの人は農民、職人、商人あたりでしょうし、現実的に考えて流通・販売・生産者が半数以下になる様な事はなかったでしょう…米作ってたとか魚獲ってたとか老舗の~屋とか、豪商というのも十分誇れる事だと思うし、むしろ多くの人のものの考え方や風習にいまだ色濃く染みついているのはそっちの方だと思うのです。
 やはり戦士階級とか貴族階級じゃないと駄目なんですかね。かくいう私も常よりニートやひきこもり、ハイカラに言えば高等遊民?などの生産活動に消極的な人々に抑え難い憧憬を抱く事がありますが…。え、ただ飯くらって遊びたいとか、そういう話ではないんですか。あれか、サムライ・ウォリアーな人達が“獲得した形質”が維新後の四民平等を経て全国民に広まり云々…というスーパー・ルイセンコ・タイム的なやつか。ネオ・ラマルキズムとかいうやつか。

 自分で書いてて訳が分からないと言うね。
 そんな難しい話を日常的なアルコールの過剰投与で既に死滅した文系脳にしないでほしいものです。

 先週はそんな感じでした。そろそろ皆、私が愛しているのは”酒”であって”飲み会”ではないという事を理解すべきだと思います。楽しくて長ったらしくない宴なら良いのですがね。もう少し共に飲めたら、と思えるくらいで切り上げるのが良さそうです。


・絵

 いや結構かかりましたね。けっして呑んだくれていたとかそんなことはなく…。
雷帝

以下pixivより

1570年“雷帝の夜”

 今回は夜さながらの闇、グローズヌイ(峻厳なる者)、雷帝ことイヴァン4世と彼の秘密警察・親衛隊とも言える黒衣のオプリーチニキ、そして常備軍たるストレリツィこと銃兵隊を。
 カザン・ハンへの勝利、政治・軍事における目覚しい改革と中央集権化を果たし大貴族を抑えた後のさらなる粛清に恐怖政治、早朝から祈りを捧げる敬虔さとしばしば昼下がりに執行された拷問と処刑、抜きんでた知性と教養を備える一方で相手を問わぬ残忍な殺戮と乱暴狼藉を伴う嗜虐志向を露わにし、癇癪を起して衝動的に息子を撲殺したかと思えば夜には涙を流して聖母に祈る…。
 その業績を見るにまさに矛盾と狂気そのものといった人物ですが、かのスターリンも信奉者の一人だったそうです。雷帝の加虐癖は個人や大貴族相手に留まらず、1570年にはリトアニアに接近の兆しを見せたノヴゴロドを包囲したのち都市ごと粛清。御子息と参陣された陛下は市民を広場に集めてあらん限りの拷問を加えた末に虐殺、6週間で実に6万人が死亡し河と湖は死骸で溢れ、かつてハンザ同盟4大拠点の一つとして栄えた名誉ある都市は人口の4分の3を喪失し破壊されました。
 傍から見る分にはキャラクターが立っていて面白いですけど、普段は気難しく陰鬱な癖に拷問や処刑の後だけ活き活きとして陽気に振る舞う人の下で働くのは勘弁して欲しいですね。物凄く気を使っていても何かの拍子にうっかり拷問を食らって殺されそう。とはいえたまにはこういう人を描くのも良いものです。

――容疑者はついカッとなってやった、今は反省している、などと意味不明な供述をしており、現場に残されたバールのようなものから採取された指紋などから捜査当局は余罪についても追及していく方針…。

以上

 織田信長の家臣なんかも疲れそうですね。

 というわけで現代日本人に不足しがちな前近代ロシア分を補充。これでもう皆さんもツァーリズムの恐るべき魅力の虜ですね。そう、現代人が玉の如く崇め奉る“自由”など意志薄弱にしてヴィジョン無き衆愚迷える子羊には無用の長物、持て余すばかりか、ただの足枷に過ぎぬのです。それが何であるか、何に基づくか、何によって保障されているかすら理解していない者も少なくないそうではありませんか!故に今こそ力強い指導力を振るう無謬の絶対君主にその身と国運を委ね、夢の国(黄泉平坂的な意味で)へと参りましょう!ウラー!!

 また訳の分からない扇動を…。
 いや、かなり勘弁して欲しいですね。近所の某国みたいになったら目も当てられませんし…でも収容所群島を読みたくなってきました。時代が全然違いますけど。

 統治の初期は優秀な顧問団や彼自身の苛烈な性格を唯一宥め、周囲の人々との橋渡しを務める事が出来た最初の妻アナスタシアの働きもあって、常備軍(ストレリツィ、銃兵、ロシア常備軍の礎)を設置したり、法律を整備して法治主義を徹底したり、行政や官僚機構をより洗練されたものへ改革するなど結構まともな事もしていたようです。しかし、妻が病死し顧問団が失脚するとその均衡の崩れた性格が露わになったようです。つまり誰も暴走を止められなくなったのですね。

 とはいえ乱暴狼藉の萌芽は幼少の頃から見られたそうで。小動物をなぶり殺したり、犬を高い建物の上から地面に投げ落としてその断末魔に恍惚とするなど既に常軌を逸した性格の片鱗は見せていたのだとか。はてはモスクワ市民にまで被害が及んだそうですが、その後の行状から察するに詳細はあまり想像したくないですね…。
 貴族に生まれなければ将来有望かつ大層マニアックな猟奇殺人者にでもなっていたやも。あるいは幼い頃から大貴族に翻弄される宮廷という瘴気漂う環境に浸かっていた事がそういう人格の要素の一つになったのかもしれません。幼少時の反動か即位後は大貴族の粛清などを行っているようですし。

 この手の行動に移る人間は先天的に脳みそがそうせざるを得ない構造になっているのか、それとも後天的かつ経験的なものによって構築された己のルールに則ったうえで、冷静かつ論理的、合理的な思考の結果こういう振る舞いを選択するのが処世にとり最善と判断する人間になってしまうのか、あるいはその両方なのか気になる所です。

 ノヴゴロドやクレムリンでの虐殺、処刑は多分に統治上の見せしめ、マキャヴェリズム実践のテクニックとしても行われているのでしょうが、その多彩なバリエーションからは趣味性が垣間見え、やり過ぎの感が否めません。都市の粛清などはモンゴル軍みたいですね。
 こういう風に半ば趣味と実益を兼ねて拷問や虐殺を繰り広げる人はそう多くはないでしょうけれど、人権の概念が誕生し、一定の道徳規範が社会に広まる前の前近代的な世界では政敵の排除や戦争の過程で大々的な虐殺や拷問は嗜虐趣味の持ち主でなくとも手段として用いる事が多々あったでしょうから、我々は何とも良い時代と国に生まれたものです。いきなり逮捕されて身の毛もよだつ様な拷問の末に身に覚えのない罪状を自白させられて、翌日には尻から串刺しとか生きたまま熊に貪り喰われる、とか勘弁して欲しいです。先述の通り、いまだに似たような事をしてる国も幾つか在る様な気もせんでもないですけれど…。

 少し話が飛びますが雷帝がリヴォニアで大暴れしてくれたおかげでリトアニアがポーランドへ支援を求め、東欧の大国ポーランド・リトアニア同君連合たるジェチポスポリタこと共和国が誕生し、コムラーデやらフサリアやらあの凄い格好の騎兵が東欧で大活躍する時代が来たって事でしょうか。その点では雷帝には感謝ですね。いやその前から活躍してたのかもしれませんけど。

 今回の絵のツァーリにはモノマフの帽子(モノマフの冠)を被ってもらいました。11世紀のビザンツ帝国皇帝コンスタンティノス9世モノマコスの孫であるキエフ大公ウラジーミル2世モノマフが皇帝から授かったというのがこれです。ロシアを支配する正当な系譜の持ち主であるという事を周囲に知らしめる重要な象徴で即位・戴冠式などで用いられたようです。
 ビザンツ帝国滅亡後も血縁や婚姻関係からロシアは東ローマ、ひいてはローマの系譜を継いでいると主張する場面が多々ありますが、帽子はその象徴の一つです。西欧東欧を問わずヨーロッパの人間にとって滅びてもなお“ローマ”というものがどれほどの権威をもっていたか(あるいは今も)ということが良くわかりますね。
 ローマ人的にはスラヴ人やらノルマン人やらの末裔がローマというのはいかがなものか、と思わんでもないですがゲルマン人がいっぱい居るところも神聖ローマ帝国とか言ってたので良しとしましょう(何という寛容な心!まさにローマ人の鑑!!)。ツァーリという君主への呼称や東方西方を睥睨し支配するという意味を持つ双頭の鷲の紋章の使用などもその表れです。普段からこんな重そうなもの(黄金製で宝石が散りばめられている)をかぶってるとは思えませんけれど、分かり易いのでやってみました。手には鈍器を握ってもらおうかと思いましたが、様々な絵画で金属製の杖を携えており、息子を撲殺した時も鉄の杖だったそうなので長めの杖を…鈍器には変わりないですね。

 ツァーリが直接領する土地“オプリーチニナ”の管理者として創設されたオプリーチニキは下級貴族や外国人なども採用し、ツァーリ以外に後ろ盾のない彼らは必然的に主人に絶対の忠誠を誓い、いかなる命令も遂行(つまりは雷帝が行った粛清、処刑や虐殺などの実行部隊)したとされています。親衛隊や護衛に主以外に寄る辺のない、裏切る可能性の低く忠勤に励む者を選ぶというのは古今東西変わらぬやり方なのかもしれません。彼らは黒い外衣(何者にも染まる事はないと言う意味か?)を羽織り、主君の敵や背信者に牙を剥き、そして掃き出すという意味で馬具に犬や狼の頭を括り付け、箒の飾りを添えたとされています。まさに走狗というやつですね。
 これら部隊の統率者マリュータ・スクラートフの娘婿となった下級貴族出身のボリス・ゴドゥノフなどはのちにツァーリにまで上り詰めています。そんなわけで口にするのもおぞましい様な汚れ仕事もあったのでしょうが、当時の出世への近道の一つだったようです。というわけで出世できるなら拷問だろうが処刑だろうが何でもやるぜ、というガッツとハングリー精神に溢れる皆さんにお勧めです!

 ストレリツィはロシア常備軍の萌芽とされており、主として火器を装備していたほかに、特徴的な長柄の斧(ベルジーシュ、バルディッシュ)を携えていました。この斧は突いたり叩き斬ったりする用途のほか、射撃時の叉杖としても使われていたようです。前も書きましたが当時の銃は非常に重かったので杖で支えないと構えるのが難しかったのです。そういえば日本の火縄銃などはそういう描写が見られませんが、重量や運用方法が違ったのですかね。口径が小さく比較的軽量のアルケブスと大口径で重量のあるマスケットのうちアルケブスが多用されていた?あるいは改良の結果そうなったのか。そこら辺も調べねばなりませんな。
 
 ロシア中世から近世への軍制も調べると面白いですね。でも次に描くならもっと古いキエフスカヤ・ルーシが良さそうです。あとヴァイキングを描きたい、蛮族分が不足してきました。


・本を読む

 2007年出版だそうなのでいまさらですが“老人と宇宙(そら)”というSFが結構面白かったです。
 あらすじは以下のとおり。

 Amazon内容(「BOOK」データベースより)
 ジョン・ペリーは75歳の誕生日にいまは亡き妻の墓参りをしてから軍隊に入った。しかも、地球には二度と戻れないという条件で、75歳以上の男女の入隊しか認めないコロニー防衛軍に。銀河の各惑星に植民をはじめた人類を守るためにコロニー防衛軍は、姿形も考え方も全く異質なエイリアンたちと熾烈な戦争を続けている。老人ばかりを入隊させる防衛軍でのジョンの波瀾万丈の冒険を描いた『宇宙の戦士』の21世紀版登場!2006年ジョン・W・キャンベル賞受賞作。

 タイトルは老人と海を意識しているのでしょうけれど内容はおおむねハインラインの宇宙の戦士です。設定の妙というやつですかね。とはいえ難しい設定もなく、細かな科学の知識も要求されないハリウッド映画とか漫画の様な筋なので深く考えずに気軽に読めます。前半はくたびれた老人がいかにして数多の強力な異星人達と鎬を削るCDF(コロニー防衛軍、入隊してから10年後の戦死率75%という過酷な職場)という特異な環境に適応していくかを描き、後半は無慈悲で壮絶な遠い星々における戦いと未知の文明・文化との邂逅などを中心に話が進んでいきます。王道と言えば王道の筋書きですがSFが好きな方にはお勧めです。もっと深い思索をもたらすタイプのSFが好みの方には物足りないかもしれませんけれど。四作あるらしいのでシリーズの映画にしたら面白そうです。


 さて、今回はここらで仕舞いにしましょう。
 次は同時代に地中海で暴れた人達にしましょうかね。
 何ぞ形になったらまたお会いしましょう。

 戦士諸君に善き一週間あれ!

スポンサーサイト

夜さながらの闇


どうもこんばんは。
随分間が開きましたね。

…いえサボっていたのではありません。
S.T.A.L.K.E.R.のCOP COMPLETE MODを入れて延々必要のないアーティファクトを集めたり、ムツゴロウさんみたいにミュータントと戯れたり、気まぐれにバンディットを虐めたり、夕暮れのプリピャチ市で黄昏たり、焚火の傍でウォッカを痛飲しつつソーセージ齧ったりしてたので時間が…。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9949491
たまに起動すると止まらなくなってしまうのです。


・欧州戦乱地図

 1000年間の陣取り合戦を動画で見られます。大陸はおっかないところやで…。
http://www.gekiyaku.com/archives/7174775.html


・電動バイク

http://dailynewsagency.com/2012/05/12/brammo-reveals-pricing-for-empulse-electric-motorcycles-ud6/ 
 航続距離と馬力がもうちょっとほしい所ですが、エンジン音というかモーターの作動音が格好良いですね。SFっぽい。


・映画

 フランスの詩人にして剣豪、シラノ・ド・ベルジュラックの映画を借りてみました。1990年の映画なのに何故か最近DVDになってたようで。17世紀の話なので当時の剣術と野戦築城やテルシオ戦術などを拝むことが出来ます。シラノの流麗な口上はもちろん、武器や甲冑とか古臭い戦術に興味がある人も楽しめる映画ではないかと。


・雷帝

 イヴァン4世


 今回の絵は雷帝ことイヴァン4世、モスクワ大公そしてロシアのツァーリを。それからオプリーチニキやストレリツィも。何だか色々な地方の装備や文化が混じっているようでロシアの軍装も良い味出てますね。
 雷帝は恐ろしい人揃いのロシアでもずば抜けて勘弁してほしいツァーリですが、それはまた次回だらだらと書くことに致しましょう。
 
 
 大分短いですが今回はここらで。フォアローゼズでも飲みつつZONEを徘徊することにします。
 完成しましたらまたお会いしましょう。

 

そんな顔はするな。大丈夫だ。戦争にはならんよ。

そんな顔はするな。大丈夫だ。戦争にはならんよ。
――イスラエル国防軍情報部部長エリ・ゼイラ少将
第四次中東戦争開戦前日、不穏な情勢に不安にかられたゴルダ・メイア首相の秘書に対して

 勝利(この場合は第3次中東戦争におけるイスラエルの勝利)というものがいかに甘美で、そして危険なものであるか、現実認識を曇らせる恐るべき可能性を孕んだものであるか。

 世は黄金の連休らしいですが、私はだらだらとヨムキプール戦争全史なぞを読んで”人は見たいと思った現実しか見ない”というカエサルの言葉が2000年経ってもその価値を喪失していない事を改めて噛み締めてました。
 鈍器みたいに分厚い本ですが、20世紀後半の国際政治の構造(冷戦終結前)から人間心理の動きまで、大局から細部までを抉り出した大作なので暇な方は是非。

 そんなわけでいつも通りどこにも行かず引き篭もってるわけです。こんばんは。


・連休を過ごす

 二輪があれば早起きしてあちこち爆走してるんですけどね…帝都は土地が無さ過ぎて二輪置き場など賃料が高い上に遠いのであります。アスファルト打っただけで屋根なし野ざらしの場所は結構あるのですが、カバーするにしてもリッターマシンをそういう所に置いていくのはいかんですよね。盗んでくれと言うようなものですし。
 しょうがないから”ばくおん!!”とかいう物凄く”けいおん”のパクリっぽいタイトルの漫画を読んでお茶を濁したり…二輪を題材にしたパロディかと思ったら結構面白いです。スズキ乗りの人がいじられるのはデフォルトなんですね…GSXRとか格好良いと思いますけど。バイクが好きな人にはお勧めです。というかそうじゃない人には意味不明なネタが多すぎるかもしれない。


 それからずいぶん前から気になってたPS3のダウンロード販売ゲーム”風ノ旅ビト”をやってました。こういう斬新なセンスが光るゲームは久しぶりです。ICO以来かもしれません。あれが好きな人には堪らないかと。美しい風景と音楽、キャラクターの滑らかな挙動、無駄を廃した素晴らしいゲームだと思います。1200円というあたりがなお良いです。普段は戦争のゲームばかりの私もグッと来ました。

 ・絵

 気を抜くとすぐこういう阿呆な事を。

ビザンツ帝国皇女アンナ・コムネナ
アンナ・コムネナ 文字なし

以下pixivより

 1118年“朕の姉が簒奪者なわけがない”

Amazom.co.jp_商品の説明_内容(「BOOK」データベースより)朕の姉、アンナ・コムネナは、名門ドゥカス家の血を継いでいる上に古典に哲学、地理歴史、修辞学、天文学に医学の素養があって軍事にまで通暁している。身内の朕が言うのもなんだが、かなりの才女ときたもんだ。けれど、コイツは弟の朕に平気でつっかかってくるし、朕もそんな態度が気にくわないので、ここ数年まともに口なんか交わしちゃいない。よく男友達からは羨ましがられるが、出来た姉がいても、良い事なんて一つもないと声を大にして言いたいね(少なくとも朕にとっては)!だが朕はある日、姉の陰謀に関わる超特大の地雷を踏んでしまう。まさかあの姉と婿が本気で“帝位簒奪”を狙っていたとは。

――朕の字がゲシュタルト崩壊しそう。油断すると地位や財産どころか、かなり高確率で身体欠損を伴う傷害を受けたり死ぬまで幽閉されたりする極めて危険かつスリリングな新ジャンル、ビザンツ帝位簒奪者(注:デレはない)。うっかり購入すると権謀術数渦巻くビザンツ宮廷を舞台にしたシビアかつ残酷な権力闘争の物語に放り込まれる…という表紙詐欺。アンナ・コムネナ姉さんの陰謀は事前に発覚し失敗するものの、弟ヨハネス2世に助命されます。後に彼女は当時非常に珍しい女性歴史家として"アレクシオス1世伝"など往時の帝国の姿を知る事の出来る重要な資料を残しています。ビザンツにおける政変時の傷害は、別に彼らが四肢切断とか目玉刳り貫き大好きっ子の猟奇趣味揃いだったという訳ではなく、ローマ皇帝即位の伝統的条件に五体満足でなければならないというものがあった事に起因し、有資格者を恒久的に排除する為に失脚した者はしばしば手足や目鼻を失う羽目になったそうです。小説だと緋色の皇女アンナあたりが面白そうですが、どなたか読んだ方いらっしゃいますか?
――ホンマに皇帝陛下の慈悲深さは天井知らずやで。あれ、エイレネさん、こんな時間に怖い顔をしてどうしたんです?ちょ、うわ、やめgyaaa…。
――アンナ・コムネナは女でありながら、兵器や築城の技師、あるいは戦略家になり代わって、弩の機能、塹壕などで防御を施した陣地の整備、海戦の展開を詳細に描写している。そしてある部隊長について語るときも同様に冷静な明確さをもって語っている。まるで兵器の一つについて説明するのと同じ様に…。ゾエ・オルデンブルグ著”十字軍”より

 以上

 東ローマには自分の息子の目を刳り貫いて女帝となったエイレーネーさんなどもいらっしゃるのでビザンツ帝国をご旅行の際は気をつけて下さい。

 ビザンツ帝国は、聖職者などを除いてカール大帝など高位にあっても字の読めない&書けない人が多かった西欧と比べ、ローマの後継を自称するだけに教育レベルが相当に高かったようで、識字率も格段の差があったようです。しっかり初等、中等、高等とランク分けされた教育機関と教育内容が整備されていたそうで、そういった教育制度の下地が高度の教養を有した人間を輩出する源となったのでしょう。

 
 さて今回はここらで。
 バーボンでも投与しつつamazonから届いたRome's Saxon Shoreなどを読みふけりながら、衰退するローマ帝国辺境の暮らしと戦いに思いを馳せる事にします。

 また何か描けたらお会いしましょう。
 帝国市民諸君に不滅の栄誉と黄金の勝利あれ!
軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

辺境報告
往復書簡
オスティア港
記録抹殺刑を免れしもの
軍団基地施設案内
忠誠宣誓をした軍団兵の人数
神託を得る
pixiv
RSSリンクの表示
街道網
同盟申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード