隣の畑は大きく、良い畑に見える。

 こんばんは、”ゲルマン人”でgoogleの画像検索したら望み通りのものが出てきてご満悦だったのですが”ゲルマン魂”と検索しても我がローマの宿敵にして同居人、北の向こうに住むあの連中の画像が出てこないので自分で描くことに。やはりこの言葉は一部の日本人にやたらと好まれるWW2前後のドイツではなく1600~2000年くらい昔の人々にこそ用いるべき、と。
 で、マニアックなキーワードの画像検索に自分の画像をこっそり加える陰謀が発動です。ローマ軍団で検索したら私の拙い百人隊長が混ざっていてほくそ笑みました。”テストゥード隊形”とか”ヴァリヤーギ、検索結果5件”とかに人知れず足跡を残すのも楽しそうです。

 何してるんだか。というわけでかくの如くになりました。

ゲルマン魂

pixivより

ある家族の肖像

子供達「父上、お腹空いた~」
父「まあ待て。今に腰抜けのローマ人を蹴散らして山盛りの食い物と温かな土地を手に入れてやるわ!…とアラリック様が仰ったそうだ」
母「あらあら、結構なお話ですこと。それなら早く皆さんに追いつかないとなりませんね」
父「う、うむ。というわけで休憩は終りだ。出発するぞ、イタリアが俺達を待っている」
子供達「おぉ~」
…5世紀、黄昏の時代、これは滅び行くローマ帝国を所狭しと駆け巡ったある一族の物語。次回!ローマ帝国興亡記 第403話「スティリコ大地に立つ!」君はボルレンティアの戦いを生き延びる事が出来るか…。

――ローマ帝国滅亡の一因になった、と教科書に出てくる「ゲルマン民族大移動」の一部である西ゴート族の一家を描いてみました。厳密にはゲルマン民族という一つに纏った民族はないそうです。ゲルマニアという領域に割拠する多くの部族を外部の人々がゲルマン人と呼んだそうで。民族の概念を持ち出したのはドイツ国民国家創成期~第三帝国のあたりだとか。彼らの移動はフン族の圧迫や寒冷化等が原因とされていますが、当時ローマ帝国を守っていたのもまた国境に定着したゲルマン人達だったそうです。

以上

そんな感じでございました。

 最近知ったのですがゲルマン人ではなくゲルマン”民族”という表記だと大分意味合いが違ってくるそうです。後者だと単純にゲルマニアという領域に住む人々という意味ではなく共通の文化・習俗・伝承・宗教・社会組織等に属す人々という分類になってしまうようで。
 一口にゲルマン人と言っても色んな部族がいたそうです。ゴートとかアレマンニとかマルコマンニとか。故に部族ごと宗教も社会形態も様々だったなら”ゲルマン民族”と一纏めにしてしまうとおかしなことになってしまう、と。
 しかし、かのアルミニウスが多数の部族と同盟を結んで連合軍を率いローマと事を構えているあたりを思い返すとそれほど隔絶した差異が各部族にあったとは思えないような気もします。一般的なローマ人にとって皆同じに見えて一纏めにしたくなるくらいには共通点のある人々だったのかも知れませんね。

 で、何故ちまちまと細かいことを気にしているかといえば私が学校で歴史を習っていた頃の教科書には”ゲルマン民族大移動”と表記されていたのを思い出したからです。wikipediaのゲルマン人の頁にもあるように近世、近代あたりから政治的必要性等によって”ゲルマン民族”という一括りの
グループが創作されたという説を採るなら違和感のある言葉と言えます。最近の教科書もそういう風に書いてあるんでしょうか。

 こんな事を調べていたら、かつての日本、坂上田村麻呂がいた時代の日本にも色んな部族が割拠していたのでは、と気になってきました。少し時代が違いますが九州の隼人も興味深いです。今のように皆が同じ言葉を話し同じ様な格好をしていたのではない、というのがぐっと来ます。

 話は変りますがエヴァンゲリオンの劇場最新作を見てきました。少し早めに家を出たつもりだったのですがすでに100人ほど並んでおり人気は未だ衰えていないんだなぁと。このシリーズを見るたびに年月の経過を感じずにはいられません。テレビで放送されていた頃から既に14年程経っているのが驚きです。ついでに全く進歩の見られない自分を省みるに二度驚き、かつ落胆です。
 話の筋は元のものから大きく変っているわけではないものの少し改められた設定を生かして十分続きが気になるような出来になってました。
<ここから追記>
大きく変わってないなどと書いてましたがよく考えれば……いや、よく考えなくとも、結構変わってました。適当書いてすいません。主人公の性格も鬱々としている時より熱血キャラクターのようになってる
時の方が多かったです。新しい登場人物は結構好きです。禍々しい乗り物に嬉々として乗ってる人はあまりいなかったので新鮮でした。
<ここまで>
絵は相変わらず綺麗で良く動いてます、変圧器が載った車とかビルとかが。いや、他のも見惚れるほどぐりぐり動いて緻密で大変結構でした。次回が何時なのかは知りませんがまた見に行くと思います。

 さて、黒く深い森が”やれ”と古ゲルマン語で囁きかけてきたのでヴァリトゥス(鬨の声)を叫びながらローマ軍野戦陣地に突っ込んだりあっさり負けて奴隷にされたり補助兵になったりしつつ今週はこの辺にさせていただきます。何だか支離滅裂具合に磨きがかかっていますがみんな酒のせいです。今後もこの調子でやっていこうと思います、ええ。

 では、オーディンが望み給うならば再びお目にかかりましょう。
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だから人の子は安息日の主でもある

 どうもこんにちは。
 通勤の途上で小さな聖書を配ってる人がいたのでもらってしまいました。題はその引用です。休日だからという適当な理由で引用。これで左胸を狙撃されても神の加護がばっちり効くはずです。イラク駐留兵には聖書じゃなくてIpodで弾丸が止まったって人もいたそうですが。

 先日、昼休み自分の席で弁当(380円税込)をむしゃむしゃやっていたら隣の部の女性に君は行ってみたい国や都市はある?と訊ねられました。行間を読む理解力にかけては世に比類無き私(全力で間違えると言う意味で)は、おお、もしやこの方はあまりに優秀すぎる(消極的なる事山の如し、返事だけは早い)私を森鴎外ばりに留学させてくれる係の人なんだな、と早合点し
「ガリ…いやフランス、ヒスパ…いやスペイン、うーん色々ありすぎてきりがありませんがぱっと思いつくのはローマ帝…いやイタリアあたりですかね」
 と答えたら「へぇ意外だね」と。意外、という言葉の真意が若干気になりましたが何で質問したのか分からない位あっさりな返答でした。彼女の脳裏ではきっと”お前はアフガンあたりで井戸でも掘って少しは人様のお役に立て”と思っていたのでしょう。
 そして彼女は現代のイタリアの素敵な都市とか観光地を想像してたんじゃないかと。自分が見たいのは2000年経っていまだに建ってる水道橋とか薄ら寒い地下墓地とか訪う者とて絶え果てた古代の神々の朽ち行く神殿なのです。屋根が落ち崩れたインスラ(古代ローマの集合住宅)の中庭や市場の跡で往時を偲ぶのも楽しそうです。 たぶんイギリスやフランスに行っても都市部ではなく郊外の古城を廻ってると思います。二重の城門や落とし格子や渋い胸壁やキープゲートハウスを”俺の城塞フォルダ”に加えるべく写真取ったりしてると思います。
 郷土ごとの様式や石の組み方、梁の渡し方別に分類しコレクション(何それ)を充実させようかと。
そういうのをリッターSSに乗ってやってみたいです。あ、でも向こうの田舎道とかしんどそう……それ以前に一体幾ら金がかかるんだ。
 で、うかれた私はうっかり土産屋で京都に行った修学旅行生みたいに武具の類を買って帰りの空港で引き留められてしまうのです。その後は存在意義や予算管理が怪しげな例の変態的公社や元シュタージ下級部員が作った地下組織とかDGSEに連れ去られ某ニック・ストーン並にこき使われそうになるも最初の任務であっさり死んで吐瀉物臭い側溝で朽ち果てるという大変悲しいラストが。
 と、最高に充実した暮らしぶりですが皆様はいかがお過ごしでしょうか(死んだ魚の様に輝きを失った目をしつつも異様に元気な声で)。

 やたらと長い前置きでしたが、この前貼った奴に色を塗りました。

竜

pixivより

補給

 長槍隊将校  「ほーら、お魚ですよー」
 騎手      「連隊長、ほどほどにしといて下さい。こいつは見た目ほど重荷に耐えられないんです。空襲後の敵陣に墜落した奴がどういう目に遭うかはご存知でしょう?」
 長槍兵A    「新入り、お前もやってみたらどうだ」
 長槍兵B    「……腕ごと喰われちまいそうです」
 
 子供の頃、図書館で竜騎兵という単語を見つけた私はこういうのを想像してました。ほどなくして火器を装備した近世の騎兵だと知る事となるのですが。刃物を通さない上に火を噴くといった強すぎる奴は燃えないので大飯喰らいの癖に火力で砲兵に劣り打撃力で歩兵に劣る微妙な兵科を妄想しました。 
 積めるだけの擲弾や焼夷弾で味方の攻撃前に敵戦列を攪乱&偵察が主任務です。長槍を掲げて大通りをかすめる様に編隊飛行するパレードの晴姿を見た若き志願者達は教本の1頁目に書かれた”近接戦闘、低空飛行は自殺行為ゆえ厳禁”の鉄則を見て早々に打ちのめされるのだとか。 
 鱗は近距離だと石弓や銃で貫けます。速度と積載量の為に竜も騎手も防具・武具ともに最低限まで絞っており、敵地に墜落して捕縛されるとWW2の狙撃兵ばりの"手厚い”歓迎を受けるので毒薬と短剣の携行が許可されているそうです。
 以上、指定高度を厳守の上無事帰還せよ。連隊総員、帽フレー!!

以上

 完全無欠の○○はあまりグッと来ないのでこういう泥臭いのを描いてみたくなります。騎兵の十倍くらい喰うくせにその働きは微妙、使いどころが難しい、とかそんな感じです。そのうち対戦車猟兵的な兵科が登場して酷い目に遭いそうですが。

 ディスプレイを24インチにしたのでどんなものかとETWを少し進めました。
 広くなった画面一杯に戦列歩兵がいるのは壮観ですね。指揮するのも横が長くなった分楽になったかもしれません。
 
 とりあえずオーストリアの残党が逃げ込んだボスニア、クロアチア、トランシルバニアへ進軍。トランシルバニアを除いて戦力が民兵しかいないという攻めるのが可哀想なくらい悲惨な状態だったので割愛。トランシルバニアには2000名ほどの軍団がいました。

 マスケットの射程まで前進する戦列歩兵を砲撃で支援。
01
 03
  02

 接敵、あとはいつもどおり
04
 白兵戦に雪崩れ込んでオーストリアは割りとあっさり滅亡しました。

 お次は長らく我が領土を荒らしまわっていたバイエルン。
 親方であるオーストリアが突然滅んで首脳部は大慌てでしょう。
 包囲をしていた我が軍に我慢ならなくなった彼らは首都正面の丘での会戦を選びました。
バイエルン王国2200 対 プロイセン1900 兵力は劣っていますがポーランド、オーストリアと
戦い抜いてきた精鋭です。
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 高所から一斉射撃を加え
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 中央に突っ込んできた敵を受け止めていたら左翼の砲兵陣地が蹂躙されてしまいました。大失態。
 敵もなかなかの奮闘振りでしたが勝利は我がプロイセンに。
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 白いところが現在の王国版図です。
 馬鹿なんじゃないかというくらい膨張してますが東のオスマン帝国さんとは仲良しなのでここで東進はストップです。本当の理由は東方との貿易が止まると財政が死ぬからです。
 ロシア進軍は前回も申したとおり今後の戦略から除外。となるとイタリアかフランスか。はたまた両方か。イタリア諸州、ヴェネツィア、ジェノヴァの外交情勢を確認してみると同盟関係にある国家はない模様。神はプロイセンに味方しているようです。こうして美味いイタリア料理が食べたくなった国王陛下によりイタリア進撃が決定されたのでした。付き合わされる兵士達が実に可哀想です。

 さて、今週はこの辺にしときます。また何か出来たらお会いしましょう。

誰得

こんばんは

 今日も今日とてギネスを飲んだのちワインに雪崩れ込み結局スコッチをやってます。年々消費量が増大しています。
 
 金曜日に「PROTOTYPE」なる洋ゲーを発見したのでポイントを使って買ってみました。超人的な能力(ビルの谷間を飛んだり装甲車を素手で破壊したり)を持った主人公が大都市を舞台に活躍(地域住民の方はとんだ迷惑ですが)するといった内容です。自分としてはCall of duty一作目のソ連シナリオみたいな無力な一兵卒プレイが好みなのですがたまにはこういうのもいいものですね。いわゆる異能なんたらだとか邪気眼的なものを忠実に映像化・具現化するとこんな感じなんだろうな、と。
欧米版なので腕がウルヴァリンみたいになる能力や周囲のものを刃付きの鞭で切り刻む能力を使用すると大抵無辜の市民が酷い有様になります。大いなる力を持つ者には大きな責任が(以下略ってやつです。
 箱庭的な都市と多彩で格好の良いアクションは一見の価値があります。GTAに超能力を加えたような感じですね。昔のゲームと比べると凄まじい進歩だなぁとは思うもののかつてのゲームのように何度も何度もやるほどリプレイ性があるかは何とも言えません。今とは比較にならぬほどしょぼいグラフィックのゲームを延々やってたのを思い出すと自分は老いてしまったのかもしれませんね。学生時代の自分にこれを与えたらずっとやってると思いますが今は2時間くらいやると疲れてしまいます。分別が付いたのか根気がなくなったのか。

 今週の”誰が得する絵”ですが16世紀前後の軍隊に竜がいたらどんな具合かを見てみたくなり、またちまちまとやっておりました。

誤解による竜騎兵

 幼い頃、何かの書籍で竜騎兵という文字列を初めて見た私が想像した誤解の産物です。火器を装備した近世の騎兵だと知るのはしばらく後の事でした。

 また塗るのが大変そうですが出来たら貼ろうと思います。
 それでは良き一週間をお過ごしください。

アルカディアにもわしはいるぞ

こんばんわ

 定期的に戦列艦を描かないと死んでしまう奇病の症状を緩和すべく架空の船をでっち上げてみました。

夜明けの死闘
 
以下pixivより

 夜明けの死闘

 あれは我が麗しき思い出の中でも最低の座を飾るに相応しい目覚めだった。陸の酒場で看板娘と楽しく飲む夢を貪っていた俺は掌帆長の号笛と海兵鼓手の連打で現実に引き戻された。間髪いれず薄暗い砲列甲板に淀む腐敗したビルジと目が痛くなるほどの汚物の匂いがそれに追い討ちをかけ、滑り止めを撒き始めた下士官が砲門から差す朝日に目を眇めラム漬けの頭を抑える俺達にいつもの三倍でがなり立てた。
 「急げ、グズ共! モタモタやってると挽肉にされちまうぞ!! 分かったら祈るのやめてさっさと手ぇ動かせ!」
 ――こんなやりとりがあったかは知りませんがこの距離で撃ち合いは本当に勘弁して欲しいですね。遠目には優美な帆走軍艦も戦闘中飛び交うのは砲弾に散弾や葡萄弾、鎖弾、焼弾といった当時お馴染みの奴等です。砲弾自体が炸裂せずとも命中箇所は木っ端や金具が飛散して地獄絵図だったそうで麻酔も外科技術も衛生管理も発展途上な為、負傷はしばしば部位切断や死へと直結しました。航行中も劣悪な住環境と栄養状態が船乗りを苦しめ、水兵が不足すると強制徴募隊の出番だったそうです。
 でも、マスター&コマンダーみたいな映画がまた公開されたら絶対見に行くと思います。では下層から火薬を運ぶ作業に戻ります。

以上

 とりあえずこの前貼った奴と比べ……うーむ散々悪戦苦闘した割に今ひとつといったところで。
 帆船は、いえ帆船も難しい、セールやロープをもっと自然にたわませたりしないといけませんね。次挑戦するときはもう少し良くなってると良いですが。静かなぶん前のほうがよかったかな……。イメージしたものがビシッと描けるともっと楽しくなるんでしょうね。

 ナポレオン戦争の時代をイメージしましたが英国海軍旗はネルソン提督が変更を徹底したホワイトエンサインでフランス側は革命後の国旗で良かったんでしょうか。ブルーエンサインやら商船のレッドエンサインやらがあってどれがどういう経緯のものなのか今ひとつ理解できてません。

 こういう18~19世紀の帆船が出てくる映画はあまりないですね。帆船のセットやらなんやらの経費の割りに興行収入が少ないからなんでしょうけど。あ、パイレーツオブカリビアンは最初のは結構好きですが方向性が好みとちょっと違うのが残念です。

 昨今はとりあえず美少女がわらわら出てきて云々した挙句にあまり記憶に残らない(少なくとも私には)、というアニメやら漫画が多すぎる気がします。いやそれはそれで仕事が終って酒飲んでぐったりしてる時はそれなりに楽しめるのですが。せめて一割くらいは源文ワールドやらスティーブンハンターやらジャック・ヒギンズに出てきそうな濃い面々が頭にこびり付く台詞を吐いたり打ち倒したり打ち倒されたりするのを混ぜて欲しいものです。いや、視覚的に濃い必要は無いですけど。
 短期間に凄まじい数の作品が氾濫して練る時間も費用もないのかもしれません。前述の濃いのを欲するなら小説なり映画なりそれぞれの分野で楽しめばいいじゃないかと言われればその通りなんですが。とりあえず不朽の名作「パイナップルARMY」あたりで手を打とうじゃありませんか。誰と、だ。
 
 モンスターもマスターキートンもアニメ化したんだしいいじゃないですか。私はあれが浦沢先生の最高傑作だと思うのですが何故映像化しないんでしょう。主人公がベトナム帰還兵なのが駄目なんでしょうか……。やはり古すぎて時代にそぐわないと。

 というわけでイラクかアフガン帰りの元空挺兵で今は冴えないPMF(民間軍事会社)オペレーターもどきという現代的設定に一新して……。時代にそぐわないってそう言う意味じゃないだろ、と。


- 2004年11月16日 13:40 イラク バグダッド近郊 ルートアイリッシュ -

 クソッ、今日日州兵だってこんな酷いハンヴィーには乗ってない。サスがヘタって小石を乗り越えるだけでキックボクサーに尻を蹴り上げられてるみたいだ。警備チームリーダーのバラノフは全く気にしていないのが信じられない。UAZ製で鋼の尻を鍛えたってのはどうやら本当らしい。
 散々陳情して取り替えたばかりの防弾ガラスはアンサール・スンナの腕っこき連中が刻んだ射撃技能証代わりの弾痕で埋まってる。賭けたっていい、中古屋に持っていったら処分代を請求されるに違いない。本社の連中はコスト削減が至上命題らしいが俺達の命を”節約”するポーズくらいは見せてくれても良いと思う。そう、せめて死人が出た後の清掃とシートの取り替え経費くらいは許可を出して欲しいもんだ。そのお偉いさん達の警備の為にバグダッド空港まで命懸けで飛ばしてるってんだから何とも笑えないジョークだ。
 びっくり箱の蓋みたいな頼りない鉄板で申し訳程度に覆った銃座に収まってだらしなくガム--恋人が箱ごと送ってきたとか言う毒々しい紫色でくどい香料の--を噛みながら対向車線に厳しい視線とお気に入りの50口径を向けているダニーが何か悪態をついたが振動とエンジン音でよく聞きとれない。どうせいつもと同じ――口の中がシ゛ャリシ゛ャリするぜ、とか――不満に決まってる。もし大事なことならテレビの安っぽい芸人みたいに馬鹿でかい声で叫ぶはずだ。
 どちらにせよその前にこのオンボロがひっくり返るか鋼板がピシピシ叩かれるあの嫌な音で何が起こったか分るに違いない。いや、その前にダニーのM2が吼えて欲しいものだが。
 この国のハイウェイはどこも同じ風景だ。荒れ地の地平線まで真っ直ぐのひび割れた道路に砂埃、名前も分らない灌木が斑に生えている。たっぷりとしたディスターシャ(民族衣装)の埃っぽい男達や家族連れが俺達と同じくらいボロい車に乗ってニヤニヤ笑ったりあからさまな軽蔑や憎悪の目でこっちを見る。俺は連中がそういう顔をしたくなる理由が分らないほどアホじゃない。親戚や友人の家が”精密爆撃”で月までぶっ飛んだり、歩行者がいる生活道路を殺人的な速度で突っ走ったり、愛車のボンネットに威嚇射撃が命中すれば誰だって怒るに決まってる。
 だが巧妙に偽装されたIED(即席爆発装置)なんていちいちチェックしてたら百年経ったって目的地には着かない。ここを抜けるにはとにかく速く、絶対にエンジンを切ってはならない。ほかの車を押しのけてでも止まってはならない。相変わらず平然とした顔のバラノフがナビをしながら新米運転手のバッティーに注意点を伝えている。さっきから”もっと飛ばせ”くらいしか言ってない気がするのは多分俺の気のせいだろう。俺にはロシア流のジョークは良く分からないせいかもしれない。
「ミハイル、ブリーフィングでも言ったが今週だけで八件の襲撃があった。注意を怠るな」
 バラノフの髭面が振返って俺に片目を瞑った。もう諦めたが何度訂正しても彼は俺をミハイルと呼ぶ。ただ、彼の指示はいつも正当で適切だ。
 もっとも、この道では家族旅行に引っ張り出された良い子よろしく後部座席に収まっている俺に出来るのはせいぜい茂みからシルエットを浮かび上がらせた待ち伏せの素人とかこちらに飛び出してきた車の運転席を黙らせたり携帯電波妨害装置(IEDの点火妨害)のバッテリーをチェックするくらいだ。ほかにあるとするなら最近ご無沙汰の幸運の女神に祈るくらいだろう。
 俺は路肩を進む馬鹿みたいに荷物を背負わされた憐れな驢馬の数を数えるのをやめ、隣の席で自分が如何に美女と”知り合う”のが上手いかを吹聴しているティムに極めて有効かつ適切な返事”寝言は寝て言え”を申し伝えたのち、向こうに着いてから飲むビールの銘柄を考えることにした。

                     
                                              つづくぁない

 ……うーむ、適当に捻り出して見ましたが、あまりに男ばっかりだとさすがに今の時流に合わなそうです。IEDと妨害装置の登場も年代的におかしいかもしれません。あ、そういう問題じゃないですね。
 少しは女性の登場人物をねじこんでみよう。

- 2018年 南米某国 -

日の出の2時間前、不快な蒸し暑さ、耳元で唸る蚊、雨が降っていないのが唯一の救い。微かな空電音。密林に伏せた浅黒い顔の男の耳にはめられたイヤホンから空調の効いた部屋で青や赤にぼんやりと光る画面の前に座っている女が発しているであろう冷ややかな声が響いた。彼女のキーボードの脇には湯気を立てるコーヒーのマグカップがあるに違いない。
「FOB(前進作戦基地)よりシエラ6、作戦開始3分前、UAVの映像では敵勢力は依然通常警戒態勢」
 落ち着き払った低い男の声が僅かなスコットランド訛りで返答した。状況は万事順調に推移している様だ。
「シエラ6コピー、予定通りポイントレッド2よりレッド3へ移動を開始する」
「FOB了解、神のご加護を」
「いつもより多目に祈っといてくれ。シエラ6アウト」

 薄暗い密林の縁に二人の女が死んだように横たわっている。1mの至近にまで迫れば彼女達の目が望遠レンズの様に光っている事が分る。だが、ギリースーツに身を包み顔面を泥と葉の色で斑に染めた二人を遠目で見つけることは吹き矢や弓で獣を仕留めるほとんど超人的な技能の保持者である現地の狩人にも困難なことだ。何しろ寝転がった二人の姿は三年分ほどの塵芥が絡まったモップの様にしか見えない。それが下生えや泥や蔦、名前も分らない足の沢山生えた虫、蟻の行列、そして30mを優に超す熱帯の樹木、さらに観測地点の僅かな窪みに埋もれているのだ。創造主とて見落とすだろう。
 深緑のニット帽に金髪を押し込んだ青い目の女が西海岸の米語に妙な言葉遣いを上乗せして隣の女に囁いた。
「タチアナさん、皆がレッド3に移動するようですわ。三日間のCTR(近距離偵察)は如何でした?」
 同じく古びたモップのように伏せたロシア系の女が薄茶色の目を窄めて静かに応えた。
「貴方の仕事の大変さが身に沁みた。じっとしているのは得意だと思ってたけれどこれは別物だわ。まるで永久凍土が溶けるのを待つみたいに時が遅く流れてくのね」
 骨伝導イヤホンから先ほどの男の声が流れる。
「シエラ6より各員。突入予定時刻まで2分、状況を報告せよ」
 青い目の女が咽喉マイクが拾うのに必要なだけの声量で囁くように喋った。
「シエラ2、所定。依然標的を捕捉中、今最後の定時連絡を始めたところです」
 陽気なスペイン語訛りが次いで応えた。
「シエラ4、所定。早くしてくれ。退屈で眠っちまいそうだ」
 交信を開始した男がそれを半ば無視するように締めくくった。
「了解、プラン通り行く。以上」
 彼女はギリースーツの右前方につきだした長い筒、M40ライフルのマウントに固定された倍率十倍のスコープの先を覗いた。熱帯雨林に開墾された土地に有刺鉄線、コンクリートの妨害ブロック
そして土嚢を積み上げた二つの監視塔とそれに挟まれた通用門が小さな視界に浮かび上がる。
 黒い十字線にミルドット、その不吉な模様の向こうで当番の兵士が最後の言葉を交わしている。異常なし、全くもって異常なし、クソ異常なしと。そして報告相手に娼婦か恋人かは知らないがどこかの女の話をした。通信を終えた彼は再び遠く離れた街の彼女を思い煙草を吹かしながら壁にもたれかけた。薄暗い監視塔の銃眼の奥で彼が呼吸するたびに小さな灯が明滅する。
 それを眺め唇を読んでいた女の目がほんの少しだけ細まった。
「タチアナさん、彼女は彼のことをいつまで憶えているかしら」
 青い目の女が滑らかな動作で安全装置を解除した。ストックもチークピースも彼女の体格に完全に合わせてある。自分の腕と同化しているに等しいライフルに必要なだけの力を加え抱え込む。強すぎず、弱すぎず。引き金を羽毛ひとひらの重みで撃針が落ちる所まで優しく引き絞る。
 美味そうに、実に美味そうに煙草を吸う男の頭部に十字線を焼き付ける。無風、スコープはこの一発の為に150mでゼロイン(照準調整)、レーザー測距では標的まで150mと53cm。彼女にとっては自分の鼻先に等しい距離だ。塔の銃眼と同じ高さの起伏に伏せているので高低差も無い。この距離ならば照準を修正する必要は無い。必要なのは無防備で安心しきった男を殺す冷酷な精神だった。彼女は念じた、身も心も石となれ、鉄となれ。その目は虚ろになり標的より遠くを見ている様だ。死人の様に静かにゆっくりと息を殺すと円を描く様に震えていた照準の動揺が減じていく。
「三日、僻地で死んだ兵士なんてそんなものよ。クリス」
 隣の女も肘と膝を僅かに動かし両足を緩やかに広げ固定した。彼女もまたその身と大地とライフルを一体化したようだ。
「こちらシエラ6、本日の業務開始20秒前だ、シエラ2、ワンショットワンキルで頼むぞ。……スタンバイ、スタンバイ……ファイア!」
 地に伏せた二人の女は完璧なタイミングで同時に引き金を引いた。サプレッサーはつけていない。弾頭は秒速800mを軽く越え音よりも早くその聞き手の命を絶つ。発砲炎を見る者もいないだろう。
 二人が放ったマッチンググレードの7.62mm弾は二つの監視塔の二人の男に同時に吸込まれた。
そして小指より小さな金属片は彼らの鼻から上の頭部に無惨で壊滅的な破壊をもたらした。
「シエラ6、殺害確認、突入を開始する」
 シエラ6から戦果確認と作戦段階進行の合図が送られた。
「タチアナさん、完璧でしたわ。狙撃兵でも十分通用します」
「たった100m強の射撃を貴方の前で誇ったらお笑い草よ。さあ会合地点に移動開始」
 こうして彼らの本日の業務、”非公式な”正規空軍パイロットの捕虜奪還作戦が始まった。


                                     つづいたりつづかなかったり  


 ……駄目だ、結局どっちも同じじゃないですか、と。結構前に描いた狙撃手の絵から適当に話を作ってみたのですが何か色々混じった挙句にどっかのB級映画もどきみたいになってる。馴れないことはするもんじゃないですね。物凄い妄想をいきなり垂れ流してしまいすみませんでした。でもたまに(いつもですね)放出したくなります、色々。溜めっぱなしにするとパンクします。
 どうでもいいですけど斜字体にすると内容が適当でもそれっぽく見えるのは私だけですか、そうですか。というわけで誰かメディックかコープマンかザニテイターを呼んで下さい。そう、腐れた脳にばっちり効く薬を。あ……全部同じですね。
 
 私は今でもあの作品はいけると思うのですが、パイナップルARMYは80年代という時代背景があったから成立しえた作品であって現代に移すとあの独特の緊張感と雰囲気が損なわれてしまうのかもしれません。もうソ連ないですし。
 極大射程の映画版もその手のリニューアルをして残念な別物になってた(要因はそれだけではありませんが)ような。残念だ……脳を奪えなくて残念だ(某寄生生物風に)。

 今日も今日とて長々と読んでくださりどうもありがとうございます。
 また次に何か出来たら晒させていただきます。おつかれさんでした。
 
*素面になってから少しいじりました。些細なことですが。

さようなら、スペインの娘たち

 こんばんわ、今日も今日とて酒を頂きながら絵を描いてました。
 勝手に考えた戦列艦です。この等級の艦船が一対一の戦闘になるようなことがあったかはかなり怪しいですが決闘風のも悪くないです。映画「マスター&コマンダー」とかそんな内容でしたね。
 まだ途中のつもりなのでもう少しいじります。発砲炎とか煙とか色々追加してみたいものです。
 とりあえず現段階のを貼ってみます。……でも時間制限決めないと延々終らなそうですね。

途中

 こういう朝焼けやら夕焼けやらの風景を描きながらアレグリ(Gregorio Allegri )のミゼレーレあたりを流していると自分の世界に引き籠もれるのでとても落ち着きます。とても綺麗な曲なのでご存知ない方はようつべあたりで聞いてみてください。
 帆走戦艦は索具や旗が良く分からないのでしんどいですが描き込みだすと止まらなくなります。
たぶん帆船模型作ってる人はもっと大変なんでしょう。

 ETWのプロイセンはまだ滅亡しておりません。今回も続きをやろうかと思ったのですがオーストリアを下した時点で誰も止められない強大な国家になっていたので攻撃精神が減退してしまいました。危機や強敵がないと燃えないのかもしれません。序盤のロシアやポーランドと一進一退してた頃が一番楽しかったような。もし続きをやるとしたらフランスとイタリアに同時に攻め込んでそのあとイギリスに行ってみたりしようかと。

 何ともありがたいことに思っていたより訪問される方がいらっしゃるようなのでもっと色々描いたり書いたりしたいのですが一日一日が飛ぶように過ぎてしまってなかなか進みません。もちろん夏休みの宿題は最後のほうまで残ってるタイプでした。今日の絵がもう少し見栄えが良くなったならまたお会いしましょう。

 それでは今日はこの辺にしときます。おつかれさまです。
軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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往復書簡
オスティア港
記録抹殺刑を免れしもの
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忠誠宣誓をした軍団兵の人数
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