危険は勇者の目には太陽のごとく光り輝く

 そして愚者の目に映ろうとも認識されない。
 エウリピデス先生の名文に勝手に追加するこの私の厚顔無恥ぶりたるや……いつもどおりです。
昭和の日なのに激動の昭和を駆け抜けた先人達に思いを馳せる事無く酒を喰らってました。

 人は過去を振返って戦争の世紀とか、激動の時代とかしばしばラベル付けをしますが、そうじゃない時代なんて有史以来無いと思うのですがそこんとこはどうなんでしょうね。

 いずれにせよ、週の真ん中に休みがあるのはありがたいことです。
 時折、いや、しばしば生ける屍でぎっしりなあの朝の電車に乗るとき、反対方面に乗って春風吹き渡り新緑の炎燃え盛る田園地帯へ向かえたならどんなにか爽快だろう、と夢想することがあります。あ、花粉は勘弁してください。
 が、一度それをやってしまうとどう考えても無産市民の行く末は高等遊民ではなくニート街道
まっしぐらなのでいつぞやの第93高地連隊ばりに踏み止まってます。
 そんな毎日です。しばしばどころじゃないじゃないか、と。

 で、また懲りる事なくちまちまと絵を描いてました。今回は戦車競走です。

 1980年代、アラブの物好きな王族が世界中の戦車を集めてモナコやらサンマリノやらの公道でその速さを競ったそうです。
 一般には路面が無限軌道に耐えきれずひび割れたり捲れたりで各国から抗議が来て幻の第1回で
中止となってしまったと言われていますが、実はイギリスチームが周囲の反対を押し切りパンジャンドラムで参戦、コースアウトし観客席に突っ込んだのが中止の真相とされています。
最近の戦車ではフランスのルクレールあたりが最速なんでしょうか。
 砲弾などは積まなくても良いらしいですが標準装備された装甲等を取外し軽量化することはレギュレーション違反だったとか……

 とか、どうしようもなく阿呆なほらを吹くのはこの辺にしておきます。
 戦車競走といえばギリシャとかローマのアレです。ベン・ハー見てたら描きたくなったのでやってみました。あと「永遠の都ローマ物語―地図を旅する」という本にも素晴らしい絵が載ってたので構図を参考にしました。とてもその迫力には敵いませんが。ジル・シャイエという方が描いたそうです。
 本の構成は4世紀頃のローマを一人の旅人が訪れ見て回るという小説仕立ての構成になっています。メインは緻密なイラストで再現されたローマの各区画、そこへ写真や図画がより詳細な解説を加えています。
 著者は全市の鳥瞰図を再現するために8000時間かけたそうで凄まじい執念と仕事の丁寧さを
感じさせる本です。本屋でパラパラ捲っておいおい一体幾らするんだこれ、と値段を見たら2,940円税込みだったのでDIOと対面したポルナレフばりに気づいたら買ってました。関係ないですが葡萄酒も。
 金持ちになりたい人は私と逆のことをすると良いと思います、ええ。

 あ、絵の話でしたね。
 この間申したとおりキルクス・マクシムスで戦車競争を観戦してきましたのでその時の絵を。
 クワドリガエ(四頭立て)のレースは折り返し地点で砂煙を浴びないと見た気にならないんでぇ、てやんでいべらぼうめ、という生粋のローマ市民かつ筋金入りの戦車競走マニアに捧げる絵です。
戦車競走

 皇帝陛下も御臨席で、身を乗り出してご覧になるほどの素晴らしい試合でした。
 ローマ最大の娯楽といえば剣闘士のショーだと思われがちですが実際の観客動員数と市民の熱狂具合からして戦車競走のほうが上だったのかもしれません。
 何しろ人口100万の都市で競技場の収容人数が20万から25万……だそうですから。
 
以下pixivより

自由と栄光への道

 キルクス・マクシムス(大競技場)での試合前日、老訓練士は言った。”辺境でいかに脚光を浴びようと所詮奴隷は奴隷に過ぎない。だがもし、40万の瞳がお前の手綱捌きと四頭の友に注がれたならその時こそお前は鎖から放たれるだろう”。
 私がスピナ(分離帯)やメタエ(折返し標柱)に激突し、あるいは車輪や蹄に飲まれて死ぬか、第二のディオクレスになれるかは神々だけが知り得ること。故に神ならざる私は命を削り走るのだ、誰よりも速く。
 次回!大競技場疾風伝アウリガエ、第2話「御者の矜持」聞こえるか、この歓声が。

 ――毎週金曜深夜1:30よりIRBC系列にて放映中――
 
 第4話で車軸がぶち折れた時は手に汗握りました。……と、準二級ほら吹き士資格試験に向け捏造。20万人以上を収容可能なローマの大競技場では二頭か四頭立ての戦車競走が開催され剣闘試合にも勝る熱狂に包まれていました。
 600m×200mの競技場中央には彫像やオベリスクが建ち並び選手は色分けされたチームで試合に臨みました。事故の危険と隣り合わせの彼らは短命ではあったものの皇帝をも凌ぐ名声を得ることもあり、ディオクレスという御者は4462勝し3500万セステルティウスを得て引退したそうです。
 開催日は市内が閑散とするほどでチームのサポーター達は興奮のあまり敵対チームと街頭で衝突し暴動を起こすことすらあったそうで、東ローマでは反乱にいたり皇帝退位の寸前にまで及ぶ事件もありました。もちろん洗練された現代人はそんな野蛮なことはしませんよね……あ、フーリガン、人類進歩してない説浮上。

以上

 たまには戦争や軍隊じゃない絵を、と思っていたら先ほども申したとおりの本にあまりにも格好良い戦車競走の絵が載ってたので参考にさせてもらいました。旗とか垂れ幕とかは勝手に描いたので当時そんなものを振ってたかはわかりません。各チームの色に応じたハンカチのようなものを振っていたという説もあるそうです。で、結局危険や熱狂を伴う世界を志向する絵に。どうやら私はその辺から離れる事はできなそうです。

 こういうのを毎週やられてもキルクス・マクシムスでは同じところをグルグル回るだけなのでラリーやF1を見慣れてる現代人には退屈かもしれませんね。マンネリな状況を打開すべく選手たちの葛藤や私生活を掘り下げていって視聴者の共感や感情移入を高めていく演出に走るんです、きっと。
 全13話中半分以上が競技場の外の話で奴隷と市民の悲恋の話とか病気の兄弟姉妹を云々とか八百長断って半殺しとかそんな逸話が挿入されまくります。頑固な戦車職人におめぇみてえなヒヨッコの戦車なんぞいじれるか!と一蹴されて試合で奮闘し見返したりします。最高にありがちですが、王道的な展開は昔も今も人気のようなのでたぶん大丈夫(何が)です。

 良く良く考えると格闘技の番組も最近はそんな作りになってるような気がしますね。最近といっても一年位前ちらっと見ただけなので全部がそうかは分かりませんが。最初に延々対決する両選手の経歴や背景を放送し、試合でそれら積み上げられてきた全てが激突する、と。
 あんまりやり過ぎると何の番組だか分からなくなりそうですけど。お涙頂戴した後に卑劣なことをしたり冴えない試合内容だったりすると逆効果になりそうですね。剣闘試合だったら観客から処刑コールが出てしまいそうです。

 さて、酒が切れたのに酔いが足りないのでビール買ってきます。明日起きられんのって話ですね。
今週は後二日戦えば終わりだそうです、私が逆方向の電車に乗らなければ。
 では、ローマの神々が望むならばまたお目にかかりましょう。


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理想と現実

 やたら線の細い優男がキラキラの甲冑と派手な陣羽織を着て白馬で姫様を救ったり正義の道を指し示す、とかそんなうそ臭い騎士は御免だ。
 そんなやつぁクソの役にもたたねえ。粗野でひげ面のほとんど傭兵か山賊にしか見えないような連中がもっさりした馬に跨り小汚い武装を身に着けるや恐るべき連携と統率を示し、たいてい山賊まがいの凶行に及んでたまに思い出したように高潔な振る舞いをして見せたりする。
 それこそが騎士団の実態だろ、という12、3世紀あたりからやって来た皆さんに捧げる絵です。
ドイツ騎士団

紋章は団長や所属の数だけ無数にあったようですが毎度の如く適当に描きました。
武装などはイタレリ社キットの箱絵を参考にさせてもらいました。

pixivには以下の文章を

彷徨える騎士団、テウトニの継承者

 雪深い夜の森を抜け、我が一族は南西の暖かく豊かな地を目指していた。
 情け容赦の無い寒風が吹きつけ氷雪舞い散る中、凍える足を引き摺り歩き続けたその日、我々を迎えたのは待望の曙光だけではなかった。日差しを受け眩く光る平原を疾駆する者達、即ちあの恐るべき人々が我々を出迎えたのだった。

隊長「私に続け! 異教の客人を丁重におもてなしして差し上げろ!!」
一同「御意!!」

――感嘆符多すぎですね。commissarさんの作品に感銘を受け久し振りにMedieval2TotalWarを起動し蹄の音と喊声(ある種の癒し音)を聞いていたら描きたくなってしまいました。
 チュートン騎士団のチュートンはどうやらテウトニ族に由来しているらしいです。紀元前二世紀の終りにキンブリ・テウトニ戦争で本土侵犯の洗礼を受けたローマ人がテウトニ族をゲルマン人の代名詞として使っていたためだそうで。その後ヨーロッパにおいてその名が定着しドイツ騎士団もまたチュートン騎士団と呼ばれたとか。
 角の生えたバケツ頭の集団突撃なんて怖すぎです。夢に出そうです。あ、でも私の業界?ではご褒美です。騎士団発足は聖地巡礼・十字軍の支援が目的とされ聖ヨハネ騎士団やテンプル騎士団と似ています。中東の領土をキリスト教勢力が失うとハンガリーへ辺境守護を請負い居候し、のち王国との関係悪化から追放。今度はポーランドで追放されることのない様周到に策を練り自分達の領土を拡大していきました。
 彼らは13~14世紀に最盛期を迎え1410年タンネンベルクでポーランド・リトアニア連合に決定的敗北を喫するまで強大な力を有していました。 紋章が分かりません。えぇい誰ぞ紋章官をこれに。

以上、そんな感じです。

 東方、北方のキリスト教圏を異教の侵犯から守護するという大義を掲げていたようですが、やっぱりというか何と言うか結局のところ腹が減ったらどうしようもない訳で。あちこちに土地を求めていたようです。
 つまりチュートン騎士団はアレです……ええと映画や物語に出てくる高潔な騎士像とは異なる集団です。一つ、東方異教の生き血を啜り、二つ不埒な悪行三昧、以下略です。もちろんそうではない人もいたとは思いますがあまりよろしからぬ評判も多いようです。そのせいか旧ソ連の国策映画で敵役になったりとハリウッド映画におけるドイツ軍みたいな扱いです。
 
 装備は鈍器に槍に剣、とばらつかせてみました。鎧は初期のドイツ騎士団をイメージしたので鎖帷子とサーコートで。兜はこの時代の典型的な大兜のようですが何故か角が生えてる人がいます。今ひとつ起源や由来が分からないので知っている人がいたら教えてくださるとありがたいです。

 黒い十字、鉄十字はプロイセンやドイツにおいても用いられ象徴的紋章になりました。黄金の筋が添えられているのは中東にいた頃ローマ教皇に認められて付けたとかそんな由来だったと思います。うろ覚えです。

 この手の生々しい騎士や戦士が出てくるのはベルセルクやヴィンランドサガくらいでしょうか。下手すると野盗みたいなことばかりする話になってしまうので映画や漫画にするのは難しそうですね。

 話は変わりますが私のような脳みそが古代とか中世にぶっ飛んでる人向けの素晴らしいものを発見しました。凄く今更な話ではありますが。
 3Dでみる古代ローマだそうで。代表的な建築物の内部や外観、都市全体の5000棟以上の建物が見て回れるそうです。印がついてる建物は解説付きで勉強にもなりそうです。
 それでは私はローマ観光もといキルクス・マクシムスで盛大な戦車競走があるので観戦しに行ってきます。

 もっと書きたい事があったような気がしたのですが忘れてしまいました。酒を控えると調子が出ないようです。 
 何か描けたらまたお会いしましょう。皆様にユピテルの助力あれ。

酒を、一心不乱の大飲酒を。

 いや、それいつも通りじゃないですか、と。

 休みの日に昼に起きてゴロゴロするのはあまりにいつもどおり過ぎるので久し振りに早起きして奥多摩に行ってきました。六時に起きるつもりだったのに1回起きて目覚ましを30分ずらしたのは国家機密です。7時過ぎ発でしたが20号や奥多摩への道は結構空いてました。我がしろがね号(既定事項)の能力を遺憾なく発揮(わが社では安全運転を重視しております)し真直ぐの道をぶっ飛んでいきました。
月夜見第一駐車場
 奥多摩周遊道の月夜見第一駐車場からの景色です。
 
 アスファルトとコンクリートで覆われた都心部とは別世界ですね。豊かな水を湛えた奥多摩湖に遠く霞んでいく山々、そして桜。同じ東京とは思えません。私はこういう景色のほうが好きです。

 まだ桜が残っていて桜吹雪の中、山を駆け上って行くのは非常に爽快でした。いつものサイン会場こと白馬の騎士達によるネズミ捕りを警戒してましたがやってませんでした。先週は沢山あったらしいですが。
 恒例行事が無い代わりに道中四輪二台がクラッシュしておりフロントが滅茶苦茶に潰れていました。ああ、奥多摩周遊道は相変わらずなんだなぁと飛び散った部品を避けつつ自戒の念をあらたに山を下ったのでした。ドライバーは横にいたので無事だったんじゃないかと思います。
 私は華麗な走りは出来ないのでとろとろやってる白いCBR600を見かけたら気にせず抜き去ってください、大名行列に出くわした平民ばりに左に寄りますから。あと下りは苦手です。何だか速度が抑えきれなくなってコーナーから飛び出しそうでいつもしっくり来ません。

 クタクタになって帰ったら冷たいシャワーなんぞを浴び、のち我が内なるサリエシク・アティラウ砂漠に冷えたビールを流し込みます。最高の瞬間です。
 そのあと適当な安い赤ワインを開けてなくなったら蒸留酒へ。結局同じですね。まあ、いいか。稼ぎのほとんどを酒か燃料に変換しているような……。

 で、絵ですが恐ろしい月曜日から逃避するためにこんなものを描いてました。
チュートン

チュートン騎士団あるいはドイツ騎士団です。やっぱり騎士といえばこうでなくては、と思い描きました。漫画やアニメにしばしば出てくる綺麗な騎士はあまり好みではありません。こういう武骨なのがいいです。

 下書きするだけで物凄い時間がかかってしまいました。ものの形がさっぱりわかりません。自分の遅さを呪いそうです。ハートマン軍曹に迫力無し、やり直し! と言われそうですがきりがないのでこの辺にしておきます。色はもう少しかかりそうですね。
 死ぬまでに一度でいいからドドドドと重く低い蹄の音を轟かせながら200人くらいの重装騎兵達と大草原を疾駆してみたいです。そういうのが出来るのは映画のエキストラ位ですかね。

 どうでもいいっちゃいいんですが日本の大河ドラマの合戦シーンは何だか命の取り合いに見えないです。放送時間帯的に派手に血飛沫を出したり手足がぶっ飛んだり、腸を溢してのた打ち回ったりはまずいってのは理解できるんですが兵士たちの動きが嘘臭くてどうにもしっくりきません。セットや衣装や照明が小奇麗すぎるというのもその一端を担っている気もします。血と埃と泥といった汚れが足りないからでしょうか。
 戦国時代の戦闘形態への造詣は深くないので、ドラマの考証にあまり突っ込めませんがいつもその辺に違和感を覚えます。
 とりあえずばらばらに突撃したり、隊列や歩調も合わせずに前進するのはまずいんじゃないかと。
野武士が小さな縄張りの小競り合いや一騎打ちするならまだしも大名配下の長槍隊が敵味方ごっちゃになって乱戦してたりするのを見るとがっくりします。集団戦術のための長槍じゃないのか、と。
 当時の死傷者のほとんどが投石や弓矢などの遠戦によるものだったという資料をどこかで見た事がありますがそういう描写も欲しいところです。
 で、その手の条件を満たしているのがいまだにクレヨンしんちゃんの映画くらいっていうのはどうなんでしょう。やはり予算や時間の兼ね合いから一定水準で妥協せざるを得ないのでしょうか。
 いつの日か見るだけで合戦するのも嫌になるような尾張の長槍隊や画面から馬の匂いがしそうなくらいおっかない武田の赤備えとかをやって頂きたいものです。
 
 それではこの辺にしておきます。
 今週もまた大儀無き戦いを生き延びる事が出来たならまたお会いしましょう。

海兵隊員は許可なく死ぬことは許されない

以下CV:ロナルド・リー・アーメイ(ハートマン軍曹)で。

貴様ら無産市民どもが俺の訓練に生き残れたら―――

各人が兵器となる。戦争に祈りを捧げる死の神祇官だ。
その日まではウジ虫だ!全世界で最下等の生命体だ。
貴様らは人間ではない、両生動物のクソをかき集めた値打ちしかない!
貴様らは厳しい俺を嫌う。だが憎めば、それだけ学ぶ。
俺は厳しいが公平だ、人種差別は許さん。
本国生まれにブリトン人、ゲルマン人、ガリア人、を俺は見下さん
すべて―――

平等に価値がない!

俺の使命は役立たずを刈り取ることだ
愛する軍団の害虫を!
分かったか、ウジ虫!



本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する!
本日から貴様らはローマ軍団兵である。
兄弟の絆に結ばれる。
貴様らのくたばるその日までどこにいようと軍団兵は貴様らの兄弟だ。

多くはゲルマニアやダキアへ向かう。

ある者は二度と戻らない。
だが肝に銘じておけ、軍団兵は死ぬ。

死ぬために我々は存在する。
だがローマ帝国は永遠である。

つまり―――貴様らも永遠である!


 やっぱり昔も入隊宣誓のあとでこんな無茶なことを言うハートマン軍曹みたいな百人隊長がいたんでしょうか。実にいてほしいですね。
 で、ついつい私語厳禁の軍紀を破り例のあの卑猥な歌の類を合唱しながら訓練したり行進したりして罰を受ける奴がでる、という展開があったりなかったり。逃げる奴は蛮族だ、逃げない奴は良く訓練された蛮族だ! と村落を劫火に放り込みながら哄笑したり……何の話だよ、と。
 
つまり例の絵に色を塗りましたよ、と言うわけです。
こういうネタは百人隊長の絵を貼ったときにやるべきでしたね。今回もいますけど。
激突

以下pixivより

名も無き戦いの記憶

絶える事無き蹄の轟き、白銀に輝く獣達が地を揺るがし緩やかな丘陵を越えた。立ちのぼる草いきれと降り注ぐ矢の雨を突っ切り、アラニ族の戦士達が鬨を上げやって来た。私はじっとりと汗ばむ左手を引付け最愛の人の様に楯を抱き寄せる。百人隊長達が前列にピルム(投槍)の一斉射を禁じ激突に備えるよう叫んでいる。右隣の戦友が私を見て口の端を吊り上げた。彼もまた首筋を走る微かな寒気と震えが止まらないのだ。ユピテルよ、マルスよ、我らに力を!ローマに勝利とさらなる名誉を与え給え!――東方属州従軍記、第四巻三章”軍団兵の目、槍の穂先”より抜粋――あの時はもう駄目かと思いました。……すみません、そんな書物ないです。また性懲りもなく捏造しました。でもドナウ川を越えアラン人が帝国領に侵入していたのは事実です。ハンス・ジマーとかKnights_of_HonorとかTotal_Warシリーズのサントラ聞いてたらこんなことに。騎兵が重装歩兵戦列にリスクの高い正面突撃を仕掛けたかは疑問ですが群になって全速力で突っ込んできたらきっと尋常ではない恐怖だったでしょう。アラン人はサルマタイ系の遊牧民族で黒海北岸の辺りからローマ帝国に侵入を繰り返しその精強さと勇敢さで名を馳せました。アランという人名が今も使われているのは彼らに由来する、という説もあるそうです。

以上

 アラン人の装備や軍旗は今ひとつわからないのでかなり想像が入っております。軍旗はどうやら竜のお頭風の飾りがついていて後部の吹流しは風を受け唸ったとか。風を鳴かせながら突撃、格好良い・・・・・・。理想の散り様ノートその276頁にメモっとこう。
 槍と馬まで保護した重装、詳しくは分かりませんがアラニの重装騎兵は中世の装甲騎兵の先駆け的存在といったところなのでしょうか。鐙はまだない頃のはず、と判断し描きませんでした。

 で、実際の彼らの活躍と背景ですが紀元二世紀、ハドリアヌス帝の治世においてカッパドキア属州(現トルコ)の総督だったアレクサンドロス大王東征記の著者でも有名なアリアヌスがアラン人対策として配下の第12軍団フルミナータ(雷鳴)と第15軍団アポリナリス(アポロン)にこの手の隊形を命じたそうです。
 深さ八列ほどの重装歩兵横隊の後方に弓兵、弓騎兵が控え防御しつつ投擲武器を雨の様に浴びせたとか。無敵って感じですね。多くの民族を従えていた黄金時代にだけ許される豪華な布陣です。
 敵にとって見れば攻めなければ弓に射倒され、攻めれば重装歩兵の餌食とやりにくいことこの上ない相手だったでしょう。その上投射兵器まで持っていたらもう勘弁してくれというほかないですね。
 そんな相手を前に怯まず戦ったサルマタイ騎兵達も天晴れなものです。彼らの一部はローマ軍団に帰順しブリテン島に配属された部隊がアーサー王伝説の起源になったとか言う説もあるらしいです。
 映画キングアーサーはそれが元になってました。

 決算期突入したり、ペンタブレットが死んだり色々ありましたがいつもどおりアルコール過多により忘れました。正確には忘れる事にしました。
 で、Intiosの一番ちっさい奴になりました。スコッチをロックで飲んでるとぽたぽた水滴が垂れるので機器を破壊してしまったのかもしれません。違いが分かる男じゃないので良く分かりませんがペンが反応してくれるのがこんなに嬉しいとは……。ペンが死んで動かなくなったときはがっくりしてました。
 出費だ、またしばらくほか弁だな……。いや、ほっともっとだからほも弁か。だから絵描くときは酒やめろよって話ですね。……無理だ。

 さて、纏りも落ちも無いのはいつものことですが今日はこの辺にしておきます。
 皆様によき週末あれ。

人間は自分が信じたいと欲する事を喜んで信じるものだ

 神君カエサルの仰るとおりです。我が経理軍団の上官たちは酒を飲んでいれば妖精たちが経理業務を片付けてくれるものと信じているようです。

 各部の決算資料提出が事実上期首第二営業日(期限は期首に設定しましたが月末締めが翌日に出るとは思えないので)なのに決算整理業務完了が第四営業日に急遽変更って何かの異次元殺法とかですか? しかも連結子会社も片付けて新入社員の研修スケジュールも組んで教えてね、とか……。
 言っとくがな、精度は保証できないぜ(デッカードあたりの声で)。こまけぇこたぁいいんだよ(流行にのってみる、三周遅れくらいの)。
……もう、どうなっても知りません。プロ意識? 豚にでも食わせておけ、と言いたくなります。そんないつまでも真人間になれない私です。
 それらの有難き命令を下した指揮官達が残業している私と後輩の隣の部屋で酒盛りをしてガハハというあの笑い声を発するのをやめて頂けたら、あるいはせめてとっとと帰って頂けるのならもう少し心を入れ替えるかもしれません。2mmくらい。
 私は今まで将校は兵卒を率いる存在であって、徒に士気を低下させるための地位ではないと思っていたのですがどうやら我が隊では違うようです。憤怒で人が屠れるのなら彼らはウィリアム・ウォレス卿なみの惨い最期を遂げていることでしょう。

 長くつまらぬ愚痴でした。駄目だ……完全にストアの精神を忘れてますね。
 アウレリウス帝よ、我に鋼の心を。ト・ヘーゲモニコンに従いて平静なる心を。
 平静な心といえばアタラクシアの境地とかはエピクロス先生の領域なのでストアのアパティアと少し違うのでしょうか。哲人皇帝はアタラクシアの語をつかっていたようですが違いが今ひとつわかりません。いずれにせよこう言うときこそ自省し軍団兵の名に恥じぬ振る舞いを心掛けねば。

 大分空いたのは休みの日についつい気づいたら箱根まで走りに行ってたとか残業で帰ってきてからフォーローゼズ飲んでぶっ倒れてたとか「地図を旅する永遠の都ローマ物語」とかいう本を発見して魅入られてたとかそんな理由じゃありません、決して。そう決して。

 で、決算作業につき色々抑圧されている魂を全力で開放したらこんなことに・・・・・・。時間無いので色はまだです。
真っ白

 何だかやたら容量を喰うので60%ほどに縮小しました。

 サルマタイ系遊牧民族のアラン人重装騎兵と激突するローマ軍団の図です。色塗ったらもう少し詳しい解説などをつけようかと。これ・・・・・・色、塗るの? 大変そうですがやってみようと思います。
 そして一年で一番忙しい時期にこんな絵描いてるなんて何と言う不良リーマンなんだ。自分もあまり人の事言えないですね・・・・・・。

 出来たらまたお会いしましょう。
 
軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

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