汝自身を知れ


同じことを繰り返していると本当に時間経過の区別がつかなくなりますね。
気づけば、もう九月も終わろうとしているという……。




同じことをしてのんびり暮らせるというのは幸せな事なんでしょうけどね。


・映画やら何やら

ゴジラは期待を裏切らず面白かったです。
あと辻田氏のコラムが確かにな……と。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49434
本人も野暮と言ってる通り、娯楽作品ですから見る人が楽しく、気持ちよくならないといけないわけで、そういう突込みはしょうもないことなのではありますが。平時に纏まらないし、微妙な働きの肥大化した組織が有事にきびきび動くかと言えばどうだろう、と。


会議も、無駄な会議とか資料とか意味のない打ち合わせなどにうんざりしている自分には映画の尺ではこうせざるを得ないよなと妙な納得をしたり。年経て余分に色々なものを見たり経験したりすると、純粋に楽しめなくなるというのはあるかもしれませんな。
あるいはそれを感受性の喪失や鈍磨の言い訳にしちゃいけないのかもしれませんけど。

監督にはエヴァをどうするのかそろそろ見せてほしいところです。
可能ならばナウシカの漫画を元に映画を作ってほしいなとか…

君の名は、は見に行こうかどうしようか。
言の葉の庭は結構好きだったのですけど。
機会があれば行ってみましょう。



「13時間」はヒラリー氏が批判されてた件でしたっけね。
他国に本格的に軍事介入するというのは難しい判断でしょうけど。
大使やCIA要員、施設を警護しろと言われて、支援が無いというのは難易度高すぎですな。
包囲されて滅茶苦茶に攻撃されている時に味方のAC130が飛んで来たら守護天使が舞い降りたかと思うでしょう。

ボーダーラインはメキシコの麻薬戦争の映画ですけど、まだこんな状態なんですかね……。
自由は良いですが、秩序と法が機能してないと地獄絵図ですな。

縮小ニッポンの衝撃
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160925
そりゃあ、そうなりますよね、と。
夕張の市長が実に精力的な人なのだなと感じました。
年は近いですが、自分にはとても真似できない……。

・レールの上

安全圏というのは概ね幻想でしょうな。これから先は尚更に。




・自由飲酒主義同盟の紋章

諸侯に紋章素案について意見を求める。


完成の暁には適当にバッジかTシャツにしてみるのも面白そう。
クラシックな装いをしつつ胸ポケットや襟に自由飲酒主義同盟の誉れ高きシンボルマークが……みたいなやつです。
着々と秘密結社めいてきたなぁ……(全然秘密じゃないが)。


・お絵かき

ノートル・ダム、デュ・ゲクラン!



双頭の鷲を読んだのは学生時代だったか……面白い人です。
やはり「中世」の甲冑はこの辺の時代が好みです。

次回は……ファンタジーっぽいものに挑戦しましょうか。
私に幻想的な絵は無理ですけどね(それはファンタジーなのか……)。

よろしければまた次回お会いしましょう。


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賢者は、すべての法が破棄されようとも同じ生き方をせん

賢者は、すべての法が破棄されようとも同じ生き方をせん
――アリストパネス



人治主義みたいのもどうかとは思いますけど。
判断力の乏しい赤子か幼児でも相手にする親の躾の様に、何でもかんでも法や規則で拘束していくというのも安易で問題でしょうな。行く末には自分で価値観を養いもせず、考えもせず、ものの良し悪しを外注し、己で判断できぬ人だらけになるのでは。

法律家-法律の網をくぐる技術に練達している者。
――アンブローズ・ビアス


という様に精通している者が、条件を満たしていれば良いとばかりに、法に則って良からぬ事を為すこともあるのだし。

良貨が流通から姿を消して悪貨が出回るように、良い人より悪い人が選ばれる。

死とは、永遠の眠り以外の何者なりや?
生とは、眠りつつ、かつ喰らうことに存するにあらずや

――アリストパネス



一つ目の警句は何故世に出た政治家はろくでもない者ばかりが目立つのかに答えてくれそうですね。
何とも示唆的な人がいたものです。

よーし、今日も頽廃と無知の限りを些かの恥ずかしげも無く曝け出すか。
羞恥と反省の色が見えぬ。


・ロマン

twitterには時折面白い話題があるので覗いてはいるのですけど、確実に入り浸りになるでしょうし、人倫に悖る不用意な発言をして面倒を招きそうなので控えております。では当ページに不用意な記述は無いのかと問われると……。
うーん、どこにいても私の迂闊さは同じなのではないか……。

軍事にロマンがあるか……破壊と殺傷と尊厳の剥奪に略奪、精神の荒廃、ただただ悲惨の極みでは。
お前がそれを言うか、と盛大に突っ込まれそうですね。普段は騎馬突撃や戦列歩兵、重装歩兵ばかり描いているくせに。
宮崎駿監督みたいな愛憎と矛盾に満ち満ちた軍事趣味の是非はきりがないので置くとして。  

ロマンがあるかないかとは……。
ニュアンスとしては冒険主義とか非合理の中にある華麗さ、兵器の機能美、戦士の研ぎ澄まされた能力、あるいは正反対の泥臭さ、スリルなどがもたらす現実・日常離れした何か、窮地に示される勇気や賢明さ等々を指しているのでしょうけど。

語源からして軍事的ロマンなるものは我がローマ軍団以外にある訳がなかろう!
あとは全部蛮族の戯れに過ぎぬ(ロマンス語などの経緯を完全無視した暴論!)。

冗談はさておき、思うに何らかの対象に興味関心や憧れを抱くかどうかはその人の感性や知識、経験に依存するので、どこの国がどうとか、どこの民族がどうとかいうのは趣味の問題なのでしょう。

軍事や歴史に限らず、例えばそこら辺の石ころも目に見えぬ大気も水も雲も一定の知識を持って観察すれば、素晴らしい世界への入り口になるように思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E5%A4%A7%E6%B0%97
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%A1%A9%E5%BE%AA%E7%92%B0
鉱石
トリケラトプス
クジラ
零選 複座
オートモ号
国立科学博物館は620円で楽しめる良い場所です。

要は良く調べて知れば、何だって結構面白いのではないかという事です。
何でもかんでもつまらん、とか退屈だとか、昨今の世は面白いことがないという人はただ知らないだけであり、知ろうとしていないだけなのではないかと思うのであります。これに関しては私も大いに反省すべきですが。
美味い餌はただ落ちてくるのを待っているだけでは与えられないのではないかと。

と思うと同時に知れば知るほどにロマンが失せていくというのはあるかもしれませんな。
色んな意味で匂い立つ甲冑、大航海時代の船員の待遇だとか、行軍から取り残された歩兵の宿命、肉挽き器の如き砲列甲板、塹壕足、パッシェンデール、レニングラード、ヒュルトゲン、呉淞上陸作戦…。

軍事的ロマンとは無知と既知のバランス具合に依存する極めて儚く“不謹慎な”概念に過ぎないのではないかと。


・知らなかったでは済まぬ

二輪の税金の納付書が来たと思ったら税額が1.5倍……。
オイイイィィィ!余が一体いつ増税を許可したというのか!
我が脳内元老院の議事録にはその様な記録は残っておらぬ。
勝手に決めた人は胸壁から吊り篭か街道沿いに十字架か選ぶという事で一つ……。

4,000円が6,000円に変更てのは四輪の税と比べれば凄い額ではないですけど、150%って割合で書くと許されざる暴挙なのではないかと思いますな。安いウィスキーなら差額で2本くらい買えるし(切実なる憤怒!そして金=酒に即座に換算という恐るべき堕落ぶり)。だってあれですよ、年貢米五割だったのがいきなり七割五分になったらそりゃもう一揆ですよ!
元文一揆とかワット・タイラーどころじゃ済まない大騒ぎですよ(錯乱)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E6%96%87%E4%B8%80%E6%8F%86
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%B9%B1

文句を言っていても仕方がないので二輪で散歩に。
ほどよい気温と天候、と思っていたら結構暑い。
もうほとんど夏ですね。
江の島2016051401
江の島2016051402
江の島にふらりと。
じゃがバターでも食って帰ろうかと思ったら見つからず。
人だらけで混雑して眩暈がしたので撤収、海沿いの道を堪能して帰宅。


・飽く事なき営み

よく飽きないな、と。

オリンピックはグダグダですな……目もあてられぬ醜態。都知事も大層アレだし。
第三者による調査を自分で手配って何かのジョークかと。
出鱈目な予算計上に贈収賄疑惑、薬物、渦中の広告代理店は報道から名前が消える……
金、クスリ、圧力……マフィアか何かの話みたいですね。
嗚呼、清廉にして健やかなるスポーツの祭典よ、永遠なれ!って感じですな。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/18/tokyo2020-budget_n_8842890.html
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/16/tokyo-olympics-takeda_n_9997560.html
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/16/yoshiro-talks-about-olympic_n_9998352.html

山盛りの汚穢に塗れた恥部に化粧したところで匂いは消せぬのでしょうから、いずれ綻び、馬脚を現すのは避け得ぬ事なのでしょう。真剣に取り組んでいる選手や関係者は気の毒ですけど。

でも、これまでに既払いの莫大な投資額や体面があるから今更中途半端に止められないし、という様な論理でずるずる実行へ向かうのでしょう。埋没費用、コンコルド効果、あるいは戦地で既に散華したご英霊(神格化と無批判、思考停止、具体性や懐疑と再検証の欠如等々の顕現として用いられる事が多々ある危うい言葉だなと思いますが)の犠牲を無駄にするのか、みたいな論理ですかね。今更引き下がれるか、続行だ、続行みたいな。

まさに“退く戦術われ知らず、見よや歩兵の操典を前進前進また前進、肉弾とどく所まで♪”(歩兵の本領参照)ですね。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%89%E5%8A%B9%E6%9E%9C
http://dic.nicovideo.jp/a/%E5%9F%8B%E6%B2%A1%E8%B2%BB%E7%94%A8
大戦終わりて久しくなりぬれど、無敵皇軍の伝統は未だなお失われておらず!
思わず目頭が熱くなってしまいますな。我、血涙滂沱として禁ぜず、ただ天を仰ぐのみ(当ページにおいて胡散臭い涙を流す時の定型句)。

前世紀も今も上っ面と派手な看板だけ取り替えたに過ぎず、思考や決断のプロセスは泥縄で付和雷同というか……。
ホモ・サピエンスの頭には各々自分で考える事の出来る(社会通念上そういう事になっている。自由意志や思考の存在に懐疑を投げかけると現行法体系や社会規範が崩壊する可能性が……面白いテーマですけど)ご立派な脳みそが1,400ccくらい入ってる筈なのですけど、重要な事を決定する時に限って皆酔っぱらってるんですかね。それともオリーブの種しか入ってないのか。
そういう愚かな酩酊者は日本に私一人で十分足ると思うのですけど。

財源の所在や無用の混乱と混雑を思うと、我が胸中には積乱雲が如く、いつもの欲求が湧き起るのであります。
さっさと東京を離れてどこか静かな所に引き籠り、騒々しく不毛な営みと距離を置きたい、と。
そう出来ぬ己の無力さと度胸の無さが恥ずかしい限りですが。
大金を扱う人には帳簿の世界史の類いの本を御一読してほしいところです、中高生でも分かる平易な日本語で書いてありますし。
世の在り様は紀元前からまるで進歩が見られない、のですかね。

まず他者や外界に期待を寄せるから失望するのであり、つまらぬ人の事を気にしたり、不満を持ったり、怒りを覚えたりするエネルギーや時間は自己の能力と知識の研鑽や思索に投入する方が建設的なのでしょう、理想としては。
何より余人がどうこうと論ずるより、金を稼いで酒を飲み、友と美味い物でも食べる方が楽しそうですし。
訳の分からぬ事を言っているかと思ったら、原始的欲求にあっという間に回帰したぞこいつ……。

人間に辟易したり、失望するという事はそれなりの期待があるという事なのでしょう。
最初から何も期待していなければ落胆する訳がないでしょうから。
厭世と悲観傾向が顕著な割に、どうやら自分は全く希望を抱いていないという訳ではないようで。
有体に言えば面倒くさい奴ですね。


・知らないという事しか、知ることは出来ない

結局のところ、ソクラテスに回帰するという。

人類が知っていることすべての短い歴史 単行本 2006/3
ビル ブライソン (著), Bill Bryson (原著), 楡井 浩一 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%8C%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AE%E7%9F%AD%E3%81%84%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%E3%83%93%E3%83%AB-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4140811013

去年辺りに買ってようやくのんびり読み始める事が出来たのであります。
700ページ近くある分厚い本ですけど、実に刺激的で良い。
私はまるっきりの文系なので科学の事はさっぱり分かりませんし(文系と言えるほどの勉強もしてませんが)、10年前の本なので誤りや修正された事項もまた多々あるでしょうけど、およそ好奇心というものを備えた人間なら一生に一度は目を通して損はないかと。よく纏まっているので。

宇宙の誕生から現代人の知識に到るまで、壮大な時の流れを追い“人類が知っていること”を明かす本です。
つまり知らない事も浮き彫りになるという訳です(知らないという事にすら気づいていない事柄については……書きようがないけれど)。人類が悪戦苦闘して“ささやかで膨大な”叡智を蓄積した軌跡を語る本でもあります。

宇宙の誕生年代、137億±何千万年という数字や地球の年齢を絞っていくまでの経緯
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E5%B9%B4%E8%A1%A8
何故、地球内部はいつまでも熱く冷えず、固まらないのか、そもそも何故熱いのか。
天体、物質、原子、素粒子の仕組み、地殻の変動や大陸の移動など
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%82%B9
宇宙や海洋は勿論のこと、我々は地面の下のこともろくに知らないという事実。

光を感じ取れぬほど遠く大きい世界の話から、目に見えぬほど小さなものの話まで。
現在知られている事は実の所、前世紀半ばから後半においても依然として議論の最中にあったのであり、当たり前の様に語られている“事実”もつい最近になって一定の共通見解に到ったにすぎないという。即ち、現在自明かつ不動とされている事や奇矯と侮られている事もいつしか転回し、後世の人々に笑われている可能性が大いにあるという事で。

厄介な事や不愉快な事、悲惨な事に直面したときは宇宙の事を考えるのがおすすめです。その事件の下らなさや対象の矮小さが際立ち、どうでも良くなってくるのです。視点をずらせば巨大な災害や大戦争すら砂漠の一粒の砂か湖の漣に過ぎないのでしょうし。その態度は歴史やら戦史やらの愛好者としてはどうなのか……。

上の本に登場する巨大隕石やら小惑星の衝突やらに触れた項の身もふたも無い語り口ときたら、爽快さすら覚えます。
地球に接近するのを発見する事がそもそも困難で、見つけられたとしても直前であり、大質量超高速の物体を迎撃する手段は無きに等しく、地上の生物も文明も眩い光と共に何が起こったか気づく事も無く気化するという……。

そこには何の意味も無く、神話的意図も暗示も無く、ただ巨大な石ころの塊同士の軌道が偶然交差するという稀だが“ありふれた”物理的現象に過ぎないという。映画や小説だと政府が危険を隠蔽して、その隙にエリートだか何だかを避難させ、先見の明のある科学者が真相に気づき、全世界にパニックが起こり、そして何らかの解決に到るという筋書きですけど。

実際にそういう事態に到ると、おそらく訳も分からぬうちに皆揃いも揃って蒸発するだろうという……。
もっとも我が国の場合、接近が判明したところで対策委員会をどうするとか、責任者をどうするとかゴチャゴチャ揉めているうちに
事が終わりそうですね。ブラックジョークの効いたコントみたいに。映画にするなら、危機を公表するかどうか考えている段階で会議室に閃光が走り、地球が燃え盛ってエンドロール、みたいな……。開始五分で終了。
地球全体がペロッと一皮剥ける地殻津波などもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=bA2afzgT1iM

地球の温度がちょろっと上下したり、気候が例年通りで無かったり、地震や嵐や伝染病が発生するだけで、地球の癌となった人類に対する罰だとか、神の警鐘だとか恐れ慄いたり騒いだりする人は少なくありませんけど、地殻のほんの表面にへばりついている生物の営みなど雑巾やホウキでさっと一掃きするだけで振出しに戻るのですから、人間が地球の上でどうこうしたところで困るのは人間とその巻き添えを食う他の動植物だけであって、地球は依然としてただそこに“在る”でしょうな。核戦争をしようが全人類がエコ狂いになろうが、星は喜ぶ事も悲しむ事も怒る事も無いでしょう。

何故そういう擬人化めいた見方が存在するのかと考えたのですが、多分人間の生存しやすい環境や人の目から見て快適で美しいと感じる光景が地球や生物全般にとって守るべき良い環境だという観念から離れるのが難しいからなのでしょう。
無邪気かつ無自覚な独善というべきか?
こういうのもいるし
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%B5%E9%99%90%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%BE%AE%E7%94%9F%E7%89%A9
こういうところに住んでる奴らもいるけれど
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E6%B0%B4%E5%99%B4%E5%87%BA%E5%AD%94
ゴボゴボゴボゴボ!(あったかいし、栄養が豊富で良い所だよ!の意)

何しろ地球そのものが抱える火山は始終あちこちで火を噴き、盛大に二酸化炭素を放出し、都度その時に存在した生物に壊滅的打撃を与え、その当時の環境を破壊したのですし。地球“ご自身”がいわゆる“環境”を頻繁かつ気まぐれに激変させ、ときにぶっ壊してるという……。
セント・へレンズ山
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E5%B1%B1
の1980年の噴火で放出されたエネルギーは広島型原爆27,000個相当となっておりますが……(本では500個分となっている)。
それすらもイエローストーンの秘めたる破壊力と比較すれば前座にすら値しないという(過去三回の噴火で最大のものはセント・ヘレンズの2,500倍~8,000倍の威力)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%85%AC%E5%9C%92#.E3.82.A4.E3.82.A8.E3.83.AD.E3.83.BC.E3.82.B9.E3.83.88.E3.83.BC.E3.83.B3.E7.81.AB.E5.B1.B1
破局噴火
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%B4%E5%B1%80%E5%99%B4%E7%81%AB

有鉛ガソリンにまつわる甚大な被害や企業の邪悪極まりない隠蔽も、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%89%9B%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%B3
フロンによるオゾンの破壊も、困るのは人間と動植物であって、地球としては別にどうでも良い事でしょう。
巨大なかぼちゃの分厚い皮の上で蠅が飛んでいるか飛んでいないかくらいの違いではないかと。静けさと騒々しさという違いはあるかもしれませんけど。人類が掘った一番深い穴ですら深度12㎞に過ぎず。地球の赤道半径は6,378km。まさに蚊かダニが薄皮の上でちまちまやっとるな、という感じですな。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A9%E5%8D%8A%E5%B3%B6%E8%B6%85%E6%B7%B1%E5%BA%A6%E6%8E%98%E5%89%8A%E5%9D%91

宇宙も地球も別に生命が過ごしやすい環境がどうこうなどとは微塵も意図していないし、何らの好意もなく、調和をもたらす傾向なども特に無いでしょう。何もかもただ、存在し変転するだけであって。ただ想像もつかぬほど膨大な時間の流れ(10億、100億年の時間単位)と茫漠たる宇宙空間において、人間の主観・体感時間(長くて100年)及び観測可能な空間(個人、社会、国家、地球、太陽系、銀河、確認可能な星々まで……)が余りにも短く、そして狭い為に宇宙や自然には永遠と安定と調和と生命を育む秘められた意図があるかの様に錯覚しているだけで。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6
こうしている今も星々や銀河はどんどん遠ざかって行くのだし。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E6%96%B9%E5%81%8F%E7%A7%BB

まるで人間や他の生命にお誂え向きの様に整えられた地球の環境をもって、神の意志や、選ばれた種、天命が如き神秘的物語を語る向きもありますけど、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3
多分それは認知バイアスやら生存バイアスやらの類に過ぎない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%94%9F%E5%AD%98%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9

偶然、所与の環境条件において天文学的確率の下に発生した生物が、様々な現象及び自己を知覚・検証可能なまでに進化・淘汰され、たまたま残存したのであって、そうした生物を育むために環境が整備された訳では無いのでしょう。そういう想像を絶する確率が発現した事に神秘を覚える気持ちは分からんでもないですけど、それもまた何十億年もサイコロを振っていたら偶然必要な目が揃ったというだけの話で、たかだか数十年の持ち時間しかない人間にはそれがまるで約束された物凄い奇跡か何かのように見えるというだけのこと。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B2%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%99%82%E8%A8%88%E8%81%B7%E4%BA%BA
実験場あるいはサイコロの賭場と呼ぶべきそれは文字通り数え切れないほどある……恒星の数は天の川銀河だけで
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E7%B3%BB
1,000億~4,000億(それすら判明していない)。さらに天の川は1,400億個ほどある銀河(観測可能な数で……)の一つに過ぎない(天の川より大きな銀河は無数にある)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%B3%E6%B8%AC%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AA%E5%AE%87%E5%AE%99

今存在する種はとうに絶えた数多の種の屍の上にいるのであり、絶滅した種など、それこそ数え切れないほどあるのだし、これからもどんどん誕生しては絶滅していくこと必定でしょうし。当然、我等も例外ではなく。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%87%8F%E7%B5%B6%E6%BB%85
故に生命の生存も繁栄も何ら保障されている訳では無く、ちょっとしたはずみであっさりと滅び去る何とも儚い“現象”なのでしょうな。日が昇って朝霧が掻き消えるくらい儚い。だからこそ人はそこに奇跡や尊さを覚えるのかもしれませんけど。

普通の人間が70年、80年、90年生きようと死のうと何一つ悟る事は無いでしょうし、釈迦が指摘する様に年経たというだけで何かを体得した優れた賢者であるかの様に振る舞うのも可笑しな話であり、仮にニュートンやアインシュタインの様に傑出した、凡夫の想像を絶する天才でも森に生える樹木の一枚の葉について知る事が出来るかすら怪しい(宇宙を森と例えるなら)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3
本書には彼らに代表される数多の天才達の滅茶苦茶な逸話も満載で楽しいです。ただどうなるか知りたいというだけの為にニュートンが自分の眼窩に針を突き刺してぐりぐり抉るとか、肉眼で太陽を見続けるとどうなるかギリギリまで試した挙句、暗い部屋で数日過ごす羽目になるとか……。まったく世界は傑作な人たちで溢れてますね。

いつも歴史や人間の小さく細かい話ばかり追っているので、かほど広大無辺にして量りがたい世界に思いを馳せるもまた楽し。

己が普段あまりにもせせこましい世界しか認識しておらず、いかに無知で弱小であるか、日々つまらぬ些事とありもしない幻想や
くだらぬルールに捉われ、振り回されているかをまざまざと見せつけ、思い出させてくれる本です。何もかもが取るに足らぬ塵芥に過ぎず、それが故に何もかもが愛おしく尊いのでしょう。

“この世の人間は影と塵”プロキシモの卓見ですな(マルクス・アウレリウス帝、つまりはストア派の影響下にあるのかもしれませんけど)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC#.E5.B8.9D.E5.9B.BD.E3.81.AE.E8.A6.81.E4.BA.BA

金を稼ぐとか日常を生きるとかいう、世俗の営みにはあまり寄与しないでしょうけど、好奇心を刺激して世の楽しみに幅を持たせるとか、視野を切り拓くという点においては素晴らしい本であります。
そういう本ばかり読んでいるから社会性や生活能力がどんどん低下していくのか……
いや生来の怠惰なる気質によるものであって本のせいにしてはいかんか。

とはいえヒトとチンパンジーの分岐すら僅か数百万年前なのだから、つまらぬ炭素生物の端くれたる猿モドキの私に上述の様な寿命の時間軸を凌駕した超越的視野の獲得は難しいのでしょう。という様な事を考えて本を閉じた瞬間に腹が減り、酒を飲みたくなり、金が無ければどうにもならぬなどと、生活感溢れる世界に引き戻されるという……おぉ、我が身の何と卑小な存在である事か!


・お絵かき

百人隊長への推薦、選任のため前任者から業務引継中という感じで。

Imperial Italic G型風の兜にこの形状の百人隊長の飾りをつける事はあったのかどうか。
http://www.legionxxiv.org/equipment/
そもそも120-130年頃の百人隊長はどんな格好だったのか。あまり自信が持てませんけど、私の頭の中ではこんな感じです。

兜はImperial Italic G型とImperial Gallic H型を混在、頬あてなどは両方を混ぜてます。鎧はコーブリッジ型とニューステッド型のロリカ・セグメンタータの混在、鱗状のや鎖帷子も混在。スクトゥムは以前Moff Taka氏に見せて頂いたAncient Warfare誌の記述とイラストに倣い、僅かに側面を湾曲(対騎兵と剣の取り回しが原因でしたかね)。いや、そんなことを気にする人が全国に一体何人いるのかって話ですけど。細部を調べるのもまた楽しい。

次回は古代ローマの花嫁でも描く事にします。
その次はバル・コクバの乱ですな。
それから最終回と、何だちょろいちょろい(死亡フラグ)。


さて今回はこの辺で。
ローマと軍団に無敵のマルスと全能なるユピテルの助力あれ!

十分な金を稼ぎ、すべての人々から遠ざかりたい


十分な金を稼ぎ、すべての人々から遠ざかりたい
――映画ゼア・ウィル・ビー・ブラッドよりダニエル・プレインビューの台詞


お前は俺か、と言いたくなる様な台詞……。
映画を見ていて久しぶりに吹き出しそうになりました。
いや、重いドラマであり、愉快痛快な笑える映画では全く無いのですけど。
カップルで見るのにお勧めですよ(悪意に満ち溢れた戦犯)。
http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%BC%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%89/329715/

私はダニエルほどの憎悪も憤怒も競争心も敵愾心も野心も覇気も闘志も持ち合わせておりませんし、
幸いにして一緒に過ごして楽しい人は幾人かはいるので、すべての人々から、とは思いませんけど。
世の習いに盲目的に付き合うのも好みではないし、つまらぬし、喧騒と繁忙から遠ざかり、静かに暮らしたいものです。
残念ながら、彼ほどに金を稼ぐ才能は無いので面倒に塗れて生きるほかないのでしょうな。


・世の趨勢

米国の戦略と中国の影響力とが、世界のパワーバランスが大きく変わりつつあるから、それに応じて日本もルールを変えようとしているのは分かるのです。周囲の情勢が変わっていくのに、自分だけそのままではいずれ対応できなくなるというのでしょう。けれど憲法はそのままで良いのでしょうかね。両者の整合性などは。

それにしても反対派の手段や行動が稚拙というか幼稚に見えて仕方がないのですが。何の実効性も持たぬであろうに、駅の入り口を塞いだり、無用に道を塞いで他の人に迷惑かけたり、議論の内容も解さずお祭り気分なだけだったり……。
それともニュースやネットの情報がそういう風に、殊更愚昧かつ滑稽に見えるように偏向しているのか。

そして議場やら委員会やらで掴み合いの大騒ぎをしたり……それ自体に何の意味も無いあからさまなパフォーマンスを競って見せつける。賛成も反対も自由ですし、好きにすればいいと思いますが、どちらももう少し理路整然と知性的にやれんのかなと。と、思ったのですが国の代表が空疎なポーズや安っぽい演出ばかりするのも仕組みを考えれば当然といえば当然の事かもしれませんね。

私も含め、おそらく少なからぬ人は仕事や日常の雑事を終えてくたびれて帰ってきて、あるいは自分の生活に直結していない(直結してはいるが、複雑かつ遠回りな構造故に一見そう見える)政治から次第に関心を失っていく。そして選挙だ、などと言われても候補者を吟味する為に勉強したり、経歴や実績を分析する余裕や活力、判断の根拠となる知識を蓄える時間などないでしょうし。

すると畢竟、あまり考えなくても良い、分かり易い者が選ばれるようになる。分かり易い主張(それが実現不能な現実から乖離した絵空事であれ)や即物的公約(地元への安易な利益誘導、財源を無視した減税・手当て)を示す者、あるいは芸人のように目を引くパフォーマンスやただ見栄えの良いだけの候補者を選ぶ傾向が顕著になる、と。

そうなれば当然、自然淘汰の様に環境に適応したもの、つまり求められるものを示した者が選ばれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E9%81%B8%E6%8A%9E%E8%AA%AC
大言壮語し、他候補との差別化が容易なパフォーマンスを披露する者たちが。

というのは酔漢たる私が勝手に想像しているだけなので、実際そういう仕組みになっているかは知りませんが、もしそうなら議員と政治運動の質がどの様な傾向となるかは自明であり、納得できるところです。

一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。
――サミュエル・スマイルズ


誰が悪いとかいった事ではなく、ただ何もかもそうなるべくしてそうなった、というだけの事かもしれませんね。
こういう政体がどの様な変化を遂げていくのかは興味深い事ではありますけれど。


・お遊び

画像の容量が大きすぎて貼れませんでした。



・見たり読んだり

NHKBSで日曜にやってるドラマ、刑事フォイルが面白いです。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/
2次大戦中のイギリスが舞台なのですが、ドラマの中心は最前線でもなく連合軍やドイツの軍隊でもなく、イギリス人の刑事です。事件のドラマそのものも面白いのですが、戦時下の内地で何が起こるかという事を象徴的に描いたエピソードが散りばめられており、歴史を好む人も楽しめるかと。1、2話を見た限りではドイツ系市民の扱い、空襲後の反応、対独協力者やシンパ、職務と国策との衝突など敵味方と単純に二色に分ける事のできぬ銃後の戦争の複雑な姿が丹念に、そして分かり易く描かれており、お勧めであります。

プリニウス3巻
雑多な都市ローマ、風光明媚な地方都市、怪獣に天変地異、まさに博物誌的な展開ですね。
繊細に描きこまれた古代ローマの雰囲気とプリニウス一行のやりとりが実に楽しい。

仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か
6月頃に買って積んでおりましたが、面白い本だと思います。
世に広く知られている仏教のイメージと原初のそれには、かなりの隔たりが見られるという事、そもそも何を目的とした教えなのか。涅槃や解脱とは……等々根本的概念に戻って考える本。

そういや、肉食妻帯して代々の子孫が跡を継いで寺をやってるとこは根源的矛盾にならんのですかね。
子孫を残すという事は煩悩や家族への執着を惹起するでしょうし、そうなれば“渇愛”が強化され、“悟り”から遠ざかるでしょうし、むしろ“輪廻転生”や“苦”といった概念への積極的加担になるのでは。

いや、私はユピテルとマルスを仰ぎ、バッコスとウェヌスの恵みを享受せんとする欲望と煩悩に塗れた自由放埓の輩なので、仏教徒だろうがキリスト教徒だろうが聖人だろうが悪魔超人だろうが各々好きにすれば良いとは思いますけど。
果たして看板と中身が合ってるのか、どう折り合いをつけてるのかと疑問と関心が……。
一つ知ると最低でもその十倍は分からない事が増える、それはそれで面白くもあり。
無知は恐ろしい事ではありますが、それだけ知る愉悦も与えてくれますな。


今回はこの辺で。
ローマと軍団に無敵のマルスと全能なるユピテルの助力あれ!

アルカディアにもわしはいるぞ

こんばんわ

 定期的に戦列艦を描かないと死んでしまう奇病の症状を緩和すべく架空の船をでっち上げてみました。

夜明けの死闘
 
以下pixivより

 夜明けの死闘

 あれは我が麗しき思い出の中でも最低の座を飾るに相応しい目覚めだった。陸の酒場で看板娘と楽しく飲む夢を貪っていた俺は掌帆長の号笛と海兵鼓手の連打で現実に引き戻された。間髪いれず薄暗い砲列甲板に淀む腐敗したビルジと目が痛くなるほどの汚物の匂いがそれに追い討ちをかけ、滑り止めを撒き始めた下士官が砲門から差す朝日に目を眇めラム漬けの頭を抑える俺達にいつもの三倍でがなり立てた。
 「急げ、グズ共! モタモタやってると挽肉にされちまうぞ!! 分かったら祈るのやめてさっさと手ぇ動かせ!」
 ――こんなやりとりがあったかは知りませんがこの距離で撃ち合いは本当に勘弁して欲しいですね。遠目には優美な帆走軍艦も戦闘中飛び交うのは砲弾に散弾や葡萄弾、鎖弾、焼弾といった当時お馴染みの奴等です。砲弾自体が炸裂せずとも命中箇所は木っ端や金具が飛散して地獄絵図だったそうで麻酔も外科技術も衛生管理も発展途上な為、負傷はしばしば部位切断や死へと直結しました。航行中も劣悪な住環境と栄養状態が船乗りを苦しめ、水兵が不足すると強制徴募隊の出番だったそうです。
 でも、マスター&コマンダーみたいな映画がまた公開されたら絶対見に行くと思います。では下層から火薬を運ぶ作業に戻ります。

以上

 とりあえずこの前貼った奴と比べ……うーむ散々悪戦苦闘した割に今ひとつといったところで。
 帆船は、いえ帆船も難しい、セールやロープをもっと自然にたわませたりしないといけませんね。次挑戦するときはもう少し良くなってると良いですが。静かなぶん前のほうがよかったかな……。イメージしたものがビシッと描けるともっと楽しくなるんでしょうね。

 ナポレオン戦争の時代をイメージしましたが英国海軍旗はネルソン提督が変更を徹底したホワイトエンサインでフランス側は革命後の国旗で良かったんでしょうか。ブルーエンサインやら商船のレッドエンサインやらがあってどれがどういう経緯のものなのか今ひとつ理解できてません。

 こういう18~19世紀の帆船が出てくる映画はあまりないですね。帆船のセットやらなんやらの経費の割りに興行収入が少ないからなんでしょうけど。あ、パイレーツオブカリビアンは最初のは結構好きですが方向性が好みとちょっと違うのが残念です。

 昨今はとりあえず美少女がわらわら出てきて云々した挙句にあまり記憶に残らない(少なくとも私には)、というアニメやら漫画が多すぎる気がします。いやそれはそれで仕事が終って酒飲んでぐったりしてる時はそれなりに楽しめるのですが。せめて一割くらいは源文ワールドやらスティーブンハンターやらジャック・ヒギンズに出てきそうな濃い面々が頭にこびり付く台詞を吐いたり打ち倒したり打ち倒されたりするのを混ぜて欲しいものです。いや、視覚的に濃い必要は無いですけど。
 短期間に凄まじい数の作品が氾濫して練る時間も費用もないのかもしれません。前述の濃いのを欲するなら小説なり映画なりそれぞれの分野で楽しめばいいじゃないかと言われればその通りなんですが。とりあえず不朽の名作「パイナップルARMY」あたりで手を打とうじゃありませんか。誰と、だ。
 
 モンスターもマスターキートンもアニメ化したんだしいいじゃないですか。私はあれが浦沢先生の最高傑作だと思うのですが何故映像化しないんでしょう。主人公がベトナム帰還兵なのが駄目なんでしょうか……。やはり古すぎて時代にそぐわないと。

 というわけでイラクかアフガン帰りの元空挺兵で今は冴えないPMF(民間軍事会社)オペレーターもどきという現代的設定に一新して……。時代にそぐわないってそう言う意味じゃないだろ、と。


- 2004年11月16日 13:40 イラク バグダッド近郊 ルートアイリッシュ -

 クソッ、今日日州兵だってこんな酷いハンヴィーには乗ってない。サスがヘタって小石を乗り越えるだけでキックボクサーに尻を蹴り上げられてるみたいだ。警備チームリーダーのバラノフは全く気にしていないのが信じられない。UAZ製で鋼の尻を鍛えたってのはどうやら本当らしい。
 散々陳情して取り替えたばかりの防弾ガラスはアンサール・スンナの腕っこき連中が刻んだ射撃技能証代わりの弾痕で埋まってる。賭けたっていい、中古屋に持っていったら処分代を請求されるに違いない。本社の連中はコスト削減が至上命題らしいが俺達の命を”節約”するポーズくらいは見せてくれても良いと思う。そう、せめて死人が出た後の清掃とシートの取り替え経費くらいは許可を出して欲しいもんだ。そのお偉いさん達の警備の為にバグダッド空港まで命懸けで飛ばしてるってんだから何とも笑えないジョークだ。
 びっくり箱の蓋みたいな頼りない鉄板で申し訳程度に覆った銃座に収まってだらしなくガム--恋人が箱ごと送ってきたとか言う毒々しい紫色でくどい香料の--を噛みながら対向車線に厳しい視線とお気に入りの50口径を向けているダニーが何か悪態をついたが振動とエンジン音でよく聞きとれない。どうせいつもと同じ――口の中がシ゛ャリシ゛ャリするぜ、とか――不満に決まってる。もし大事なことならテレビの安っぽい芸人みたいに馬鹿でかい声で叫ぶはずだ。
 どちらにせよその前にこのオンボロがひっくり返るか鋼板がピシピシ叩かれるあの嫌な音で何が起こったか分るに違いない。いや、その前にダニーのM2が吼えて欲しいものだが。
 この国のハイウェイはどこも同じ風景だ。荒れ地の地平線まで真っ直ぐのひび割れた道路に砂埃、名前も分らない灌木が斑に生えている。たっぷりとしたディスターシャ(民族衣装)の埃っぽい男達や家族連れが俺達と同じくらいボロい車に乗ってニヤニヤ笑ったりあからさまな軽蔑や憎悪の目でこっちを見る。俺は連中がそういう顔をしたくなる理由が分らないほどアホじゃない。親戚や友人の家が”精密爆撃”で月までぶっ飛んだり、歩行者がいる生活道路を殺人的な速度で突っ走ったり、愛車のボンネットに威嚇射撃が命中すれば誰だって怒るに決まってる。
 だが巧妙に偽装されたIED(即席爆発装置)なんていちいちチェックしてたら百年経ったって目的地には着かない。ここを抜けるにはとにかく速く、絶対にエンジンを切ってはならない。ほかの車を押しのけてでも止まってはならない。相変わらず平然とした顔のバラノフがナビをしながら新米運転手のバッティーに注意点を伝えている。さっきから”もっと飛ばせ”くらいしか言ってない気がするのは多分俺の気のせいだろう。俺にはロシア流のジョークは良く分からないせいかもしれない。
「ミハイル、ブリーフィングでも言ったが今週だけで八件の襲撃があった。注意を怠るな」
 バラノフの髭面が振返って俺に片目を瞑った。もう諦めたが何度訂正しても彼は俺をミハイルと呼ぶ。ただ、彼の指示はいつも正当で適切だ。
 もっとも、この道では家族旅行に引っ張り出された良い子よろしく後部座席に収まっている俺に出来るのはせいぜい茂みからシルエットを浮かび上がらせた待ち伏せの素人とかこちらに飛び出してきた車の運転席を黙らせたり携帯電波妨害装置(IEDの点火妨害)のバッテリーをチェックするくらいだ。ほかにあるとするなら最近ご無沙汰の幸運の女神に祈るくらいだろう。
 俺は路肩を進む馬鹿みたいに荷物を背負わされた憐れな驢馬の数を数えるのをやめ、隣の席で自分が如何に美女と”知り合う”のが上手いかを吹聴しているティムに極めて有効かつ適切な返事”寝言は寝て言え”を申し伝えたのち、向こうに着いてから飲むビールの銘柄を考えることにした。

                     
                                              つづくぁない

 ……うーむ、適当に捻り出して見ましたが、あまりに男ばっかりだとさすがに今の時流に合わなそうです。IEDと妨害装置の登場も年代的におかしいかもしれません。あ、そういう問題じゃないですね。
 少しは女性の登場人物をねじこんでみよう。

- 2018年 南米某国 -

日の出の2時間前、不快な蒸し暑さ、耳元で唸る蚊、雨が降っていないのが唯一の救い。微かな空電音。密林に伏せた浅黒い顔の男の耳にはめられたイヤホンから空調の効いた部屋で青や赤にぼんやりと光る画面の前に座っている女が発しているであろう冷ややかな声が響いた。彼女のキーボードの脇には湯気を立てるコーヒーのマグカップがあるに違いない。
「FOB(前進作戦基地)よりシエラ6、作戦開始3分前、UAVの映像では敵勢力は依然通常警戒態勢」
 落ち着き払った低い男の声が僅かなスコットランド訛りで返答した。状況は万事順調に推移している様だ。
「シエラ6コピー、予定通りポイントレッド2よりレッド3へ移動を開始する」
「FOB了解、神のご加護を」
「いつもより多目に祈っといてくれ。シエラ6アウト」

 薄暗い密林の縁に二人の女が死んだように横たわっている。1mの至近にまで迫れば彼女達の目が望遠レンズの様に光っている事が分る。だが、ギリースーツに身を包み顔面を泥と葉の色で斑に染めた二人を遠目で見つけることは吹き矢や弓で獣を仕留めるほとんど超人的な技能の保持者である現地の狩人にも困難なことだ。何しろ寝転がった二人の姿は三年分ほどの塵芥が絡まったモップの様にしか見えない。それが下生えや泥や蔦、名前も分らない足の沢山生えた虫、蟻の行列、そして30mを優に超す熱帯の樹木、さらに観測地点の僅かな窪みに埋もれているのだ。創造主とて見落とすだろう。
 深緑のニット帽に金髪を押し込んだ青い目の女が西海岸の米語に妙な言葉遣いを上乗せして隣の女に囁いた。
「タチアナさん、皆がレッド3に移動するようですわ。三日間のCTR(近距離偵察)は如何でした?」
 同じく古びたモップのように伏せたロシア系の女が薄茶色の目を窄めて静かに応えた。
「貴方の仕事の大変さが身に沁みた。じっとしているのは得意だと思ってたけれどこれは別物だわ。まるで永久凍土が溶けるのを待つみたいに時が遅く流れてくのね」
 骨伝導イヤホンから先ほどの男の声が流れる。
「シエラ6より各員。突入予定時刻まで2分、状況を報告せよ」
 青い目の女が咽喉マイクが拾うのに必要なだけの声量で囁くように喋った。
「シエラ2、所定。依然標的を捕捉中、今最後の定時連絡を始めたところです」
 陽気なスペイン語訛りが次いで応えた。
「シエラ4、所定。早くしてくれ。退屈で眠っちまいそうだ」
 交信を開始した男がそれを半ば無視するように締めくくった。
「了解、プラン通り行く。以上」
 彼女はギリースーツの右前方につきだした長い筒、M40ライフルのマウントに固定された倍率十倍のスコープの先を覗いた。熱帯雨林に開墾された土地に有刺鉄線、コンクリートの妨害ブロック
そして土嚢を積み上げた二つの監視塔とそれに挟まれた通用門が小さな視界に浮かび上がる。
 黒い十字線にミルドット、その不吉な模様の向こうで当番の兵士が最後の言葉を交わしている。異常なし、全くもって異常なし、クソ異常なしと。そして報告相手に娼婦か恋人かは知らないがどこかの女の話をした。通信を終えた彼は再び遠く離れた街の彼女を思い煙草を吹かしながら壁にもたれかけた。薄暗い監視塔の銃眼の奥で彼が呼吸するたびに小さな灯が明滅する。
 それを眺め唇を読んでいた女の目がほんの少しだけ細まった。
「タチアナさん、彼女は彼のことをいつまで憶えているかしら」
 青い目の女が滑らかな動作で安全装置を解除した。ストックもチークピースも彼女の体格に完全に合わせてある。自分の腕と同化しているに等しいライフルに必要なだけの力を加え抱え込む。強すぎず、弱すぎず。引き金を羽毛ひとひらの重みで撃針が落ちる所まで優しく引き絞る。
 美味そうに、実に美味そうに煙草を吸う男の頭部に十字線を焼き付ける。無風、スコープはこの一発の為に150mでゼロイン(照準調整)、レーザー測距では標的まで150mと53cm。彼女にとっては自分の鼻先に等しい距離だ。塔の銃眼と同じ高さの起伏に伏せているので高低差も無い。この距離ならば照準を修正する必要は無い。必要なのは無防備で安心しきった男を殺す冷酷な精神だった。彼女は念じた、身も心も石となれ、鉄となれ。その目は虚ろになり標的より遠くを見ている様だ。死人の様に静かにゆっくりと息を殺すと円を描く様に震えていた照準の動揺が減じていく。
「三日、僻地で死んだ兵士なんてそんなものよ。クリス」
 隣の女も肘と膝を僅かに動かし両足を緩やかに広げ固定した。彼女もまたその身と大地とライフルを一体化したようだ。
「こちらシエラ6、本日の業務開始20秒前だ、シエラ2、ワンショットワンキルで頼むぞ。……スタンバイ、スタンバイ……ファイア!」
 地に伏せた二人の女は完璧なタイミングで同時に引き金を引いた。サプレッサーはつけていない。弾頭は秒速800mを軽く越え音よりも早くその聞き手の命を絶つ。発砲炎を見る者もいないだろう。
 二人が放ったマッチンググレードの7.62mm弾は二つの監視塔の二人の男に同時に吸込まれた。
そして小指より小さな金属片は彼らの鼻から上の頭部に無惨で壊滅的な破壊をもたらした。
「シエラ6、殺害確認、突入を開始する」
 シエラ6から戦果確認と作戦段階進行の合図が送られた。
「タチアナさん、完璧でしたわ。狙撃兵でも十分通用します」
「たった100m強の射撃を貴方の前で誇ったらお笑い草よ。さあ会合地点に移動開始」
 こうして彼らの本日の業務、”非公式な”正規空軍パイロットの捕虜奪還作戦が始まった。


                                     つづいたりつづかなかったり  


 ……駄目だ、結局どっちも同じじゃないですか、と。結構前に描いた狙撃手の絵から適当に話を作ってみたのですが何か色々混じった挙句にどっかのB級映画もどきみたいになってる。馴れないことはするもんじゃないですね。物凄い妄想をいきなり垂れ流してしまいすみませんでした。でもたまに(いつもですね)放出したくなります、色々。溜めっぱなしにするとパンクします。
 どうでもいいですけど斜字体にすると内容が適当でもそれっぽく見えるのは私だけですか、そうですか。というわけで誰かメディックかコープマンかザニテイターを呼んで下さい。そう、腐れた脳にばっちり効く薬を。あ……全部同じですね。
 
 私は今でもあの作品はいけると思うのですが、パイナップルARMYは80年代という時代背景があったから成立しえた作品であって現代に移すとあの独特の緊張感と雰囲気が損なわれてしまうのかもしれません。もうソ連ないですし。
 極大射程の映画版もその手のリニューアルをして残念な別物になってた(要因はそれだけではありませんが)ような。残念だ……脳を奪えなくて残念だ(某寄生生物風に)。

 今日も今日とて長々と読んでくださりどうもありがとうございます。
 また次に何か出来たら晒させていただきます。おつかれさんでした。
 
*素面になってから少しいじりました。些細なことですが。

汝自身を知れ

こんばんわ、今日は皆様に日曜の深夜から空が白み始めるまでに起こった悲劇を語りましょう。
*今まさにお食事を取ろうとしている方などは読まないほうが良いです。

 先日申しましたとおり、日曜は午後から知人の結婚式がありました。ステンドグラスが嵌めこまれた石の聖堂において厳粛な儀式が執り行われ、二人の若者が永遠の愛を誓ったのです。数多の神々を仰ぎ、良きローマ市民たらんとする私が一神教の教会に足を踏み入れてよかったのかどうかは謎ですが儀式の聖具や所作、建造物の装飾には中々に興味深いものがありました。私はああ、煌びやかな設備と漂う薫香、透き通る様な賛美歌や荘厳なオルガンで皆心を奪われるのだな、と人心掌握と視覚的音響的効果との関連性についての不埒な考察に思いを馳せておりました。

 やがて式は滞りなく完了し、場所を移動して披露宴なるものが行われました。私は持ち前の空気の読めなさを発揮し、蒸留酒をちびちびとやりながら見知らぬ人々との邂逅をやりすごしました。最後に寝起きのジャック・ニコルソンを洗濯糊で固定した様な笑顔で集合写真に収まり全ての行程は無事終わりを見たのです。まさに神の恩寵は世に満ち、二人の良き門出を皆が祈っておりました。そして我々は三々五々帰宅の途についたのです。

 私は学生時代の友人と同じ帰り道だったため、そちらに追随しました。友人の一人が久し振りなのだからもう一杯飲もうじゃないか、と言い始め彼は地元の飲み屋に私を引っ張っていきました。事実、1年ぶりの再会でしたしここで断るのは流石に冷酷に過ぎる、と私は当初の計画を曲げ甘さを見せてしまいました。それが全ての過ちの始まりでした。

 あっという間に時間は11時を回り最初の店の営業が終ったため、私はそのまま帰宅するつもりでした。と、ここで友人は結婚式に参列していなかった別の友人その2の顔を見たくなったらしく、連絡を取り始めました。電話が繋がらない、そういった彼は直接出向く、と夜遅くにその2の家のチャイムを鳴らしました。この時点でかなり危険な匂いが漂っておりました。そもそも夜遅くに半ば強引に人を引っ張り出している時点で問題です。

 がすっかりくたびれていた私は彼を止める事は出来ませんでした。監督不行き届きの責めを負ったとて言い逃れは出来ません。2件目の店に入った我々三人は焼酎を飲み始めだらだらと昔話をしました。若かりし日の雰囲気が蘇ったかのような宴は悪いものではありませんでした。
 友人その2はその日飲み始めたばかり、その1は顔色を変える事無く飲んでいたので私はその後に起こる事を全く予期していませんでした。

 午前2時を過ぎ周囲の客も帰り支度を始めた頃、その1は危機の片鱗を見せ始めました。グラスを掲げ、怪しい足取りで隣の客に絡み始めたのです。酒に理性と言語中枢をやられたらしく、紳士なら口にすべきではない単語を並べ始めた彼はもはや完全無欠の泥酔漢でした。私は大変なご迷惑をおかけしました、と工事現場の看板のような文句を述べながら無関係の客から酔漢に離れるよう命じ、もはやただの肉塊になりつつある彼を横にし会計を済ませようとしました。

 そして、今日のそのときがやってきたのです。NHK風ですが全然格好良い逸話は出てきません。
小用を済ませ店主に会計をする旨を告げようとした瞬間、あの誰しもが嫌悪感を催す極めて耳障りな水音が聞こえ私は座敷に戻りました。その1はその日半日で溜め込んだ食物と酒とを口から溢し唖然とする友人その2を前に床に転がっていました。

 あらゆる悲劇の例の如く全てが突然だったのです。不快な酸味を帯びた匂いが周囲を包み私と友人その2の酔いは一瞬で醒めました。喉を詰まらせて死なれると面倒なので顔を横向きにして彼を転がすと最悪な現実に取り残された我々はある程度の掃除をすることにしました。うんざりするような作業がひと段落ついたと思ったそのとき、二度目の事故が発生し床は再び汚されました。

 我々はテッサリアの平原でラビエヌス率いる騎兵の猛攻を防いだカエサル配下の軍団兵もかくやという崇高さと献身を見せ、ある程度の体裁を整えると正体をなくした男をタクシーに詰め込み家に送る事にしました。タクシーを家の前で止めた私はほんの数10mを進ませようとその1を引っ張るのですが、彼は何故か抵抗します。「黙れ!アレがお前の家だ。 お前の病名は泥酔者。そしてお前が帰らないと 俺達は帰れないんだぞ!」思わず某戦争劇画風の台詞が脳裏を過ぎるほどに最悪の事態です。魔女のバアさんに呪われたに違いありません。家は目前なのに彼は根が生えたように地面にへたり込み動こうとしないのです。クレムリンの尖塔が見えるのに前進できないドイツ軍ばりの歯がゆさでした。死体のほうが引き摺って動かせる分マシです。

 ああ、私は十分努力した、そのまま放置して立ち去っても神々は許してくださるだろう、と帰ろうかと思いましたが気温が気温なだけにそのまま冷凍チキンの様になられても困ります。彼が己自身を知らなかったがために命を落とすのは全く仕様が無い事ですが、それに関与するなど御免被ります。

 私はバストーニュの森で頑張る101空挺師団の様に動かない彼を無理やり立ち上がらせ引っ張り始めました。すると彼は腕を振り払い全く反対の方向に歩き始め、引きとめようとする私を口汚く罵り始めたのです。もはや家、帰宅、迷惑といった言葉を理解するほどの知性は彼には残されておらず我々は折角近づいた家から100m以上離れてしまいました。今まで幾度と無く飲み会を行ってきた間柄なのにこんな有様の彼を見るのは初めてでした。もっとも、しばしばこんな様を晒す類の人間なら付き合ってはいないでしょうが。

 ふと顔を上げた私は通りを一台のパトカーが行くのを見つけました。私は信号で停車したパトカーの窓を叩き状況を説明すると、たちの悪い荷物と化した彼を家に帰らせるのに協力してもらえないか依頼しましたが夜の街を生暖かく見守るという有難き任務を遂行中の彼らは疲弊しきった私を見ると「頑張ってね」と鼻で笑い去っていきました。まあ確かに仕事中の彼らが好き勝手に酔っ払ってぶっ倒れている人間を相手にしたくないというのは分かりすぎるほどに分かりますが、街中に凍死体を晒したり、騒いだり、物を壊したり人様に迷惑をかける可能性のある人間に対処しないと言うのは問題が在るのではないかと思われます。

 その後は何とか彼をなだめすかし、担ぎ、来た道を戻り、その1を家に押し込むことに成功しました。私は4時過ぎになってやっと店に戻り使用不能にした座敷のことを店主に詫び、ある程度マシな状態にする作業に従事していた友人その2と帰りました。そうまでしたのはそこがしばしば通った事もある店だったからです。


 神は新しい門出に立った二人に恩寵を垂れたものの、我々には何らの慈悲を与える事はありませんでした。やはり日頃の信仰がものを言うのでしょうか。信じる者だけを救うのではなく私も切れ端でいいからその威光を浴びたかったものです。もちろん改宗するつもりなど毛頭ありません。私はこれからもストア派(美味そうな酒や肉を見ると容易に転びますが)の探求者でありたいと思っております。

 こういうのは学生時代に経験から学習し、いい年をした大人が被る事件ではないような気がします。当然私も吐いた事は幾度かありますが、いまだかつてこういう真似を働いた事はありません。が、明日は我が身というか何と言うか良い勉強にはなりました。でも、つかれた……。

 友人その2には夜突然誘い出した上にとんでもない仕事を増やし申し訳ないと思っております。平穏な日常にとんだ災厄を招いたこと、この場にて謝罪します。私が察知しもっと迅速に解散しているべきでした。気配りを怠ると結局自分も損害を被る、という教訓が頭に刻み込まれました。あるいはもっと冷徹に振舞うべきだったかもしれません。半端な対応が今回の事態を招いたのは明白です。今後はもっと狡猾、いや賢明にやっていきたいものです。

 絵は赤い飛行艇と世界一格好良い豚野郎を題材に挑戦しておりますが、あの軽薄にして華麗な紅と透明感溢れるアドリア海の色をどうして出したものか難渋しております。近いうちにお見せできると思います。さて、今日はこの辺にしておきます。それではまた。
軍団兵履歴

Legionarius

Author:Legionarius
主に世界史・戦史(東西問わず)の絵を描いております。

形式:Legionarius
状態:製造年月日から30年以上経過
使用燃料:Laphroaig,Bowmore,
Ballantine(12年が好ましいが財布が薄いのでfinest)
エンジン形式:惰性型酒冷4ストロークバルブ108気筒
始動形式:諦念あるいは深い溜息
搭乗機:CBR600RR07白→CBR1000RR2012に機種転換(乗り手に過ぎる良い機体ですがハイオクは財政が……)

音楽:(Bill Evans, Miles Davis, Dvořák, Linkin Park, Rammstein, Killswitch Engage, Enigma外)気に入れば何でも。

書物:ノンフィクション、歴史(ローマ史、古代ギリシャ,WW2外)、SF(ホーガン、ハインライン外)、最近はOsprey社の本ばかり。主にマクブライド先生のやつばかり。

漫画:(大陸軍は世界最強とかアララララーイとか)雑食。

ゲーム:ROME TOTAL WAR、MEDIEVAL TOTAL WAR
     CALL OF DUTY、S.T.A.L.K.E.R、SILENT HUNTER外

好きな陛下:Marcus Aurelius Antoninus、Flavius Claudius Julianus
好きな甲冑:ロリカ・セグメンタータ
好きなヴァンツァー:フロスト
好きなマクナブ:受領通知!!、カチカチ、カチカチ、続刊はいつですか。
以下、好きなギボン、サトクリフ、パウルカレル、スティーブンハンター、フォーサイス、ルカレ、エルロイなどと八万行に渡って続くので割愛。

辺境報告
往復書簡
オスティア港
記録抹殺刑を免れしもの
軍団基地施設案内
忠誠宣誓をした軍団兵の人数
神託を得る
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